米国が韓国の長距離弾道ミサイル保有を認めない理由

●ICBM保有する北朝鮮、射程わずか300キロの韓国 2011/01/20 朝鮮日報

　韓国と米国は最近、韓国が保有する弾道ミサイルの射程距離を300キロ以内、弾頭重量を500キロ以下に制限する「韓米ミサイル指針」の改定交渉を始めた。韓国政府は、射程距離1000キロ以上、弾頭重量1トン以上の弾道ミサイルを保有する必要があると主張している。このミサイルは、南海岸からでも北朝鮮の全地域を射程圏内に収めることが可能だ。しかし、米国が韓国政府の要求を受け入れるかは不透明だ。

　軍備問題を検討するに当たっては、まず安全保障面で対峙する周辺国とのバランス維持という観点から考慮する必要がある。北朝鮮は射程距離1300キロのミサイル「ノドン」を200基以上保有しているほか、射程距離3000キロの中距離弾道ミサイル（IRBM）「ムスダン」も実戦配備している。さらに2009年には、射程距離6000キロ以上の大陸間弾道ミサイル（ICBM）「テポドン2号」の発射実験を行っている。米国のゲーツ国防長官は最近、「北朝鮮は5年以内に、米本土に到達できるICBMを開発できるだろう」と発言した。このような状況で、韓国の弾道ミサイルだけが射程距離300キロに制限されているのは、韓国が北朝鮮のミサイルに対抗する最低限の手段さえ持てないことを意味する。

　米国は韓国の中距離弾道ミサイル保有問題を、ミサイル拡散を阻止するための世界的な次元で議論しようとしているが、韓国にとっては、北朝鮮と東アジアの軍事情勢の方が重要だ。中国は大陸間弾道ミサイルを40基以上保有し、日本は地球軌道に衛星を打ち上げることのできる宇宙ロケット打ち上げ能力を保有しているため、いつでも中長距離ミサイルを製造することが可能だ。このような状況で、韓国のミサイルだけが射程距離300キロ以内に制限されているのは、ミサイル安保という観点から、韓国を丸裸の状態にしておくことを意味する。韓国のミサイルは周辺国に対する攻撃用ではなく、自国の安全を守るための最も基本的な防御手段だ。韓国が射程距離1000キロの弾道ミサイルを保有した場合、中国と日本にとって脅威になる、という主張は明らかに誇張だ。

　米国は2014年末に戦時作戦統制権を韓国軍に移管することになっているが、これに合わせて韓国軍の戦力強化に向け弾道ミサイルの射程距離を延長する問題についても議論すべきだ。韓国は北朝鮮のミサイルに対抗する最低限の抑止力を持つ必要があり、この点はミサイルの射程距離を検討するに当たっての基準とならなければならない。
http://www.chosunonline.com/news/20110120000034




【私のコメント】
北朝鮮は核兵器とICBMを保有している。その一方で、韓国は核兵器も保有せず、弾道ミサイルの射程は300kmに制限されている。この制限は米国が韓国に強制したものであると思われる。米国の意図は何だろうか？

一つの見方としては、通常兵器で韓国軍＋米軍が北朝鮮軍より優位にある上、米国がICBMも核兵器も保有しているので、韓国にはそれらを保有させる必要がないという考えがあり得る。また、ICBMや核兵器といった戦略兵器の拡散を防止したいという意図もあり得るだろう。ただ、私は米国の真の意図は別の所にあるのだと考えている。それは、米国は韓国を永続させる意志はなく、米軍の撤退後には北朝鮮に併合されて滅亡の運命を辿るのが望ましいと考えている、という仮説だ。いわば、南ベトナムと同じ運命である。

日本は韓国軍による竹島侵略を放置する一方で、韓国国内での竹島問題や従軍慰安婦問題の政治問題化を通じて韓国の反日感情を煽ることで韓国と日本の軍事同盟を困難にしてきた。集団的自衛権の否定を通じて韓国への軍事支援を行わないという強い意志も表明している。また、上記の朝鮮日報の記事で中国だけでなく日本も韓国の仮想敵国視されていることにも注目すべきだ。韓国が自国の安全を望むならば何よりもまず日本との軍事同盟を結ばねばならないが、現実には逆の状態になっている。日本政府も、韓国は米軍撤退後に滅亡させて北朝鮮に統一させるべきという考えを持っているのではないかと私は考えている。

最大の支持国であるはずの米国と日本が示す態度から見る限り、韓国が近未来に滅亡することはもはや確定しているのではないかと思われる。私が韓国の滅亡に気付いたのは、2006年4月に日本が海底地形を調査するための海上保安庁の調査船を日本海に送り込む姿勢を見せ、竹島問題を国家の象徴にしている韓国が致命的に追いつめられてしまった時である。韓国がどの様にして滅亡するかは不確定要因も多いが、2006年4月の時点で韓国は既に『詰んで』しまったのだと私は考えている。






↓↓↓　一日一回クリックしていただくと更新の励みになります。