マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

中国杯フィギュア、小塚君完全優勝!

2010-11-06 21:50:46 | ニュース
男子は小塚がV!美姫と日本勢W優勝/フィギュア
サンケイスポーツ 11月6日(土)21時14分配信―Yahooニュース

小塚君、優勝でした。
安定感が増しましたねぇ!
ショートプログラム1位でフリーを迎えると、かえって緊張して失敗する人もよくいますが、今回の小塚君は、以前とは見違えるように安定した演技。
見栄えもいいし、技術もあるし、もっと力が発揮できれば…と思ってみていましたから、今回は、ホント良かった。
フリーの曲が、リストのピアノ協奏曲なのもいいですね。
以前、ウインド・パステルの第6回コンサートで弾きましたし…って、関係ないか…。
小塚君の話でした。
ショートも1位、フリーも1位、完全優勝です。
男子も人材豊富で、ますます楽しみになってきました。


シューベルト:即興曲

2010-11-06 00:00:05 | ラ・プロムナード・ミュジカル
23日のプロムナード・コンサートでは、最後に弾くショパン以外にも、前半で、シューベルトの小品を弾くことにしています。
楽興の時第3曲と、即興曲作品90-4です。
どちらも、技術的には難しくはない曲です。
技術的には難しくなくても、どんな曲でも表現を考えると、それぞれ難しさがありますけど。

今日は即興曲について。
即興曲は作品90と作品142、それぞれ4曲ずつ、合計8曲あります。
シューベルトは、どちらかと言えば歌曲の作曲家として成功しましたので、その当時の大勢を占めていたソナタ形式で曲を作るということは、向かなかったようです。
ソナタ形式はどちらかと言うと、モティーフを発展させていくやり方ですが、シューベルトはメロディを尊重するタイプで…まぁ、難しいことはやめましょう。
形式にとらわれない小品で、良さを発揮しました。
それが即興曲。
もちろん即興で作ったものではありませんが…。
後に、ショパンも即興曲を作っていますし、フォーレやプーランクなど、ロマン派以降の作曲家には、便利な曲種でした。
いわゆる、性格的小品というものです。
シューベルトの曲の特徴は、和音の使い方でしょうか。
ハーモニーの移り変わりが、魅力的です。
ベートーヴェンは1770年~1827年、シューベルトは1797年~1828年と、ほぼ同じ年代に生きたにもかかわらず、ベートーヴェンは古典派で、シューベルトはロマン派。
それが、この和音の使い方にもあります。
私の一番好きな即興曲は、作品90-3で、和音の変化が実に美しいのです。
ですが、今回弾くのは作品90-4の方です。
これは、小学生高学年くらいから中学生くらいに、よく発表会で弾かせました。
分散和音で始まるのです。
いかにもシューベルト…かな。
中間部が短調になっていて、ちょっとドラマティック…。

CDは、アルフレッド・ブレンデル シューベルト:即興曲(全曲) と、ラドゥー・ルプー シューベルト:4つの即興曲 が、お勧めです。
ルプーの方が音が繊細かも…。
ピアニッシモの音も美しい。
改めて聴いてみると、生徒に弾かせていた時に感じていたのと違った曲の魅力を発見します。
繊細に、ドラマティックに弾きたいものです。