以前ちらっと紹介しましたこのストーブ。
青いのが今回いじる、ドイツはErnst Hãhnel社のストーブ。
Vulcano Vulcano 222D。
1940~50年ごろのものなので、70年以上前のしろもの。
今回は取りあえず実用状態するのが主目的。
ですので、ピカピカに磨き上げる気はないので、まずは機能面のチェックをします。
まずはポンピングし圧の掛かり具合をチェック。
押しごたえは十分にあるので、あとは、NRV(逆止弁)、フィラーキャップ、安全弁、
それらのガスケットが生きているかどうかをチェックします。
というわけでまずはフィラーキャップを外し、穴を親指で強く押さえながらポンピング。
指を押してくる感覚があるのいで、圧は正常に掻けられている様子。
そのまま5分頑張っても、相変らず圧を感じるので、NRVはOK!
そこで今度はそのままの状態で、頬をニップルの上に持って行きバルブを開きます。
すると細い空気の流れが勢いよく当たるのを感じるので、
燃料経路の詰りなどもまずはOK!
(とはいえ、ウイックが焦げていて、燃料をうまく吸い上げれない場合もあるから、
それは燃焼テストで確認。)
次にキャップをはめて同じことを試すのですが、
どう見ても明らかにゴムが硬化しているので、ここは潔くガスケットの交換。
ヴォルケーノの安全弁も丸くて中央に切り込みがあるだけの分解しにくいタイプ。
この場合ドライバーなどを差し込むと、厚みが合わず溝を変形させてしまうので、
ピッタリのサイズの鉄板などを探す方が、後後の作業効率も上がります。
(「マイナスネジの取り外し」参照のこと)
このヴォルケーノの場合は、一般的な金ノコの替え刃がジャストフィットします。
(焼きが入っているため硬度も申し分ないですね♪)
またキャップがつまみのある独特の形状のため、
バイスプライヤーでこの様にしっかり固定する必要があります。
当て皮は、キズ防止だけではなく、滑り止めも兼ねております。
むろんバイスに固定するのは金ノコで、そこにキャップの溝をはめ込み、
バイスをハンマーで軽く一撃!
むろん強く叩ぎすぎるのはNGですが、ビビッて何度もたたいたり、
中途半端な力でレンチを手でムギュッと回すと、たいてい舐めて溝を痛めますのでごご用心。
(無論、事前に潤滑剤を浸透させたのち、トーチで炙っておく方が無難です。)
そういうわけで、分解後内部を清掃し、新しいパッキンなどを装着したのち加圧。
その後数時間放置するも、圧漏れはないようなので、
ポンプをばらしてのメンテは省略することにしました。
まあ、今現在問題ないのなら、手を付けないほうが無難ですから。
(ここのパッキンは一度ばらすと気密性をなくしそうだし、新規で起こすのも面倒だから…)
そういうわけで、早速点火テストをしようかと思ったのですが、
ポンピング後の圧の保持がどうも心もとない。
20分ほどは耐えるのですが、1時間は持たない。
だからやっぱずぼらせず、ポンプを分解しNRVのメンテもすることに。
ちなみにこいつのポンプノブの取り付けは少し変わっており、
一般的なねじ込み式ではなく、この様なスナップリングで固定されております。
ですので、取り外しには専用のプライヤーが必要となります。
だから、出先でのトラブル時には、これはちと不便だな…
で、NRVを開けてみてびっくりした!
ガスケットは合っていないし、スプリングは錆びて折れてかけている!
NRVホルダの形状から見ると、ここにはBarthel Nr 80同様ドーム型のガスケットが入るはず。
ですがそこにはホルダよりも大きめの円盤状のガスケットが。
多分前オーナーが苦肉の策で使用したんでしょうね。
スプリングはよくこれで機能していたな…
この状態で熱が加われば、すぐ折れてしまうから、
使用中ここからガソリンが噴き出し大炎上というのもあり得た…
ずぼらせずにいて、本当によかった。
(=^^=)ゞ
そういうわけで、この部分をばらしたついでに約浴の上清掃することに。
ついでなんでニップルも清掃♪
バーナー部は、まあまあ汚れがひどくないからこのままでええかな?
(とか言いながら、結局全バラしていたりして…)
さて、薬浴後はここの処理。
取り付け部の古いガスケットを取り除かねばなりません。
これかなり頑固でめんどくさいのですよ…
こういう細かい部分はスクレイパーも使用できないので、
カッターの刃で慎重に粗削りしたのちは、
オイルを塗ってスチールウールと割りばしで研いでいきます。
こんなもんでよし!
むろん、相手側のタンクの口も同様に。
よし、OK!
そうそう、話はそれますが、
今ちょっと「スクレイパー」で思い出したこと。
(スクレイパー → こびりついたものを数理除去するヘラのような工具)
皆さん「摩天楼」ってなんか不思議な言葉と思いません?
まあ、平たく言えば高層建築物のことなんですが、
この言葉、何となく古い中国語か日本語だとばかり思っていたのですが、
実はこれ、英語の直訳なんですよね!
つまり「skyscraper」(スカイ・スクレイパー)で「空を削る(擦る)もの」
という意味だから、「空を摩耗させる楼閣(高く立派な建物)」ということで、
摩天楼。
普通直訳だと、味もそっけもない言葉になりがちなのに、
なんとも、センスと雰囲気のある訳語だと思いません?
じつは、ある時作業で「スクレイパー」を使用していて、
あれ?これって「スカイ・スクレイパーのスクレイパーだよな?」と気づき、
その時、やっとこれが摩天楼とつながり、その成り立ちが、私にはすごく意外だったのです。
あ、余計な話をしていたら長くなったので、続きはまた後半で。
(=^^=)ゞ