アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

一休、霊照女の画像に賛す

2024-07-19 11:09:39 | 丹田禅(冥想法8)neo

◎阿ホウ居士の娘

(2016-12-25)

 

南宋の画人牧渓の描いた霊照女の画像を大切に持っている人がいて、一休に賛を入れてもらおうと持ってきた。

 

霊照は、ホウ居士の娘であって、ホウ居士が坐脱しようと時をうかがっていたら、先に坐脱したという並々ならぬ冥想修行者。ホウ居士は富裕層だったが、家財珍宝すべてを舟に積み洞庭湖に沈めてから、竹細工を売りながら清貧な生活を送り修行に打ち込んだという。ホウ居士は馬祖の弟子。

 

さて一休はすらすらと賛を入れた。

 

汝の親の笊(いかき)作り 馬祖にだまされて

宝を海に捨つる 阿ホウ居士の娘

 

これを見た周りの一同あっけにとられた。

 

 

釈迦といふ いたづらものが世にいでて おほくの人をまよはするかなという

という一休の歌があるが、馬祖といういたづらものに騙されて、あたらホウ居士も財産を失った。私財を持つ持たないは悟りとは別であって白でも黒でもない。

 

狂雲集にも一休が股に錐を刺して眠気を覚ましながら修行した慈明禅師を嗤う漢詩がある。篤く三宝を敬う生真面目な人から見たらとんでもないが、「何も問題がない」という立場からこういうのを語る分には咎めはなく、こういうのを風狂と呼ぶ。

 

だが悟っていない人間が同じことを語っても、単に意地を張っているだけのことになる。

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終わりの印と時を選ぶこと

2024-07-19 07:35:51 | 究極というものの可能性neo

◎霊照女からモンゴル

(2017-10-27)

 

10月後半になってからの超大型台風など終わりの印には事欠かない。

 

唐代の禅僧ホウ居士の娘霊照は、臨終間近のホウ居士に「日の高さを見ていてくれ。正午になったら、知らせてくれ」と言いつけられた。

 

さて正午に霊照は、「正午になりました。しかも日蝕です。」と父ホウ居士に知らせてきた。

 

ホウ居士が、入り口を出て空を見ている隙に、霊照は、父の座に坐り込んで合掌し坐亡した。

 

父は、彼女の遺骸を見るや「すばしこい奴だ」と云い、自分の命日を7日後と決めた。

 

7日間で、月は90度動く。死は時を選ぶタイプの技なのだろう。

 

兆しを見て時を知れば、心得た者は、そこで覚醒に動く。

 

第二次大本事件前夜、笹目秀和が大本教のご神体を崑崙山中に奉還する旅の出発に際して、日本が、将来モンゴルに移ることが大本幹部から暗示されている。

 

時を感じた人は、坐り始める。

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ホウ居士が働きながらでの修行を選ぶ

2024-07-19 07:31:05 | 達磨の片方の草履

◎働きながら修行できる環境と覚悟

 

今の時代は、よほど稀な境遇でない限り、禅道場やキリスト教修道院のような専門道場で何年も過ごすことはむずかしい。そこで現代は、勢い働きながら修行するというのが主流となる。

 

修行の進み具合によっては、全然働けなくなるシーンがあるもので、衣食住の面倒を見てくれる支援者(細君、愛人、友人、近親など)が、本当に真剣に取り組もうとする冥想修行者には必要なものである。

冥想の進み具合によって、そうした環境も自ずと整ってくるということはあるが、そこは考えなくてはいけない部分ではある。

 

ホウ居士は、師匠の石頭希遷に「出家するのか在家で修行するのか。」と問われ、在家を選んだ。その時のホウ居士の偈。

 

『【大意】

日常の仕事は特別なことはない。ただこれ自ずからうまく運んでいくだけのこと

何一つ選びもせねば捨てもしない。どこで何をしようとまが事は起きない。

(出家して)朱や紫の衣を着る位階にも関わり無く、ここは塵一つない山中である。

わたしの神通と妙用とは、水をくみ薪を運ぶことである。

 

【訓読】

日用の事は、別なし 唯だ是れ自ずから偶またま諧(かな)うのみ

頭々取捨にあらず 処々張乖(ちょうかい)を没(な)し

朱紫 誰か号を為す 丘山 点埃(てんない)を絶す

神通並びに妙用 水を運びまた柴を搬(はこ)ぶ』

 

ホウ居士は、箕造りで一生を終えたが、臨終時に娘に先を越された消息には鬼気迫るものがある。

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