珊瑚の時々お絵かき日記

夫と二人暮らし、コロナ自粛するうちに気がついたら中国ドラマのファンになっていました。

韓国で台風 1

2012年09月04日 | 韓国旅行 2012/9

今回の旅のクライマックスといえば、何と言っても台風だろうと思う。

台風は旅の二日目にソウルを直撃した。

幸い私たちはバスで南下、慶州へ向かっていた。

その日は旅程のうえでも盛りだくさん。

忠州湖、安東河回村、海印寺、仏国寺、その途中途中で、紫水晶の店、

青磁の窯元を回るという、かなりハードなスケジュールになっていた。

問題はいつ台風に遭遇するかということだけれど、

天気予報では午後、私たちのスケジュールでは海印寺の辺りだろうということだった。

車中でもガイドさんは、ソウルと連絡をとっているようで、

「ソウルは今とんでもないことになっているようです。台風がすごくて

みなさん、ホテルの中で外を見ながら震えているようですよ。

飛行機は全面ストップで、今日帰る予定の人は帰れません。」

それを聞いて、え、大変じゃない、困るよね~などとざわつきながらも、

みんな顔が笑っているのは、なぜかしら?

ガイドさんのかなりブロークンな日本語が、笑いを誘ったような気もするけれど。

他人の不幸は蜜の味の類かしらね

そうこうしているうちに、傘がいるかいらないかという程度の小ぶりだった雨が

バスの窓を叩き付けるほどの勢いに変わって行く。

バスは山中に入り、だんだん細くなる道路を、海印寺目指して登って行く。

雨脚は更に激しく、周りの木々が大揺れしている

どう考えたって山中のお寺を観光するのに適した日とは言えない。

「ひどくなってきましたね~、現地についたら晴れた、なんてことはないでしょうかね~」

なんて、添乗員さんが、ありえそうもないことを言っていた。

私は、この時点で、たぶん観光はないだろうと思っていた。 

怪我人でも出たら、責任問題になるだろうしね。

 ところが、駐車場に着いてみたら、

「行けるところまで行ってみましょう。ダメだと思ったら途中で引き返しても良いですよ」

添乗員さんは、当然のように言う。

ということは、引き返したい人はこの嵐の中一人で引き返せということですか?

添乗員としては、あまりに能天気じゃないですか?

・・・・・

でもまあ仕方がない。

せっかくだから行きたい気持ちは、ある。

というわけで、私たちは、唯一守ってくれていたバスを降り、

荒れ狂う台風の中へと足を踏み出したのだった