バスを降りて、一応傘を開いてみたら、あっという間にひっくり返って、
傘と一緒に体まで吹き飛ばされそうになる。
傘は諦めて、落ちた枝や葉でいっぱいになった坂道を濡れながら登った。
ずぶ濡れ覚悟だったけれど、
ガイドさんの心がけか、添乗員さんの心がけか、
はたまた、私たちの心がけが良かったのか、雨は小降りになって、
ずぶ濡れは免れそうだ。
でも、風は相変わらず凄い。
山道を10分ほど歩いて、さらに石段を上る。
このお寺は、いくつものお堂を石段が繋いでいる形で
石段に手すりはない。
濡れた石の上を散らばった葉や枝をよけながら慎重に踏んでいく。
突風が来ると、伏せの姿勢で階段に張り付き、しばし待機。
その間も風で煽られ、体が揺れる。
どうなるのだ、いったい。
といえ、みんな目がキラキラ輝いている。
うわー!凄い!と叫びながら、はっはっはと笑ってしまう。
なぜか気持ちが高揚しているようだ。
本邦初公開、珊瑚でございます。
こういう写真でもなければ、公開できませんわ。
ほほほ
一面こういう状態
このお寺には、高麗八萬大蔵経版木 という大変ありがたいお経の原板が収蔵されている。
木製の格子の中に図書館の本のように並んでいた。
どんな天気でも雨風の影響を受けないようになっているのだそうだ。
台風とはいえ、30度を超えていそうな猛暑。
帰るころには合羽を着ていた人は汗だくだ。
ちょっぴりメタボな添乗員さんは合羽を脱いでしまった。
根こそぎ倒れてしまった、かなり大きな木。
これは、往路にはなかった。
私たちが通った後で倒れたのだ
とにかく凄い!
私たち3、4人で歩いていた前方で太さ10cm、長さ1mほどの大きな枝がいきなり天から降ってきた。
それは、前を歩いていた男性をまさに直撃するかの勢いだ。
きゃ~~!と絶叫する私たち
それは、幸い男性には当たらず、すぐ後ろにどっさっと落ちた。
振り返った男性も、おお~!と驚きで目を丸くしていた。
後で聞いたら、3mくらいは離れていたそうだ。
これには、みんな背筋が寒くなった。
なぜなら、つい一時間くらい前、ガイドさんがみんなを集めて
お寺の説明をした場所なのだ。
ああ、恐ろしい
濁流となって渦巻く川。
いつもは風光明媚な場所なんだろうな。
観光客のど根性で、雨の合間を狙って写真は撮ったけれど、
大半がぶれぶれで使い物にならない
強風でカメラを持つ手がぶれたのだと思う。
何はともあれ、無事にバスに乗りこんだら、みんな笑顔満開で、
いやー、凄かったね~
無事でよかったわ~
と、全員生還をしばし喜び合ったのだった。