珊瑚の時々お絵かき日記

夫と二人暮らし、コロナ自粛するうちに気がついたら中国ドラマのファンになっていました。

主人公は靴

2012年11月23日 | 国内旅行

先日の旅行中にちょっとした事件があった。

主人公は私、いえ、私の靴。

履いて行ったのは、旅行用に決めている前で紐を結びタイプの黒の革靴。

踵が5センチ以上あるのに、底が全体的に厚いので、とても履きやすい。

買ったのは10年以上前だけれど、旅行にしか履いていないので、

さほど傷んでいない。

今回も迷うことなく、その靴を履いて行った。

ところが、飛行機の中で何気なく足元を見ると、左側の靴の先が少しばかり剥がれている

それに、靴底の真ん中辺りにいつの間にかひびが入っている

あれれ、おかしいな、穿いたときは全然何ともなかったのに・・・

気が付かなかっただけかしら?

まあいいわ、すぐにどうこういうことはないだろう、と思ったのが甘かった。

翌日、息子の車で新穂高で向かっているときのこと、足を組み替えた途端、

ごとっと何かが落ちる音が~

見ると足元に何か黒い塊が落ちているじゃない。

思わず足を見ると、左の靴底の後ろ半分がない!

ひびのところがぱっくり割れて落っこちたのだ

後ろに座っていた、私、娘、Tちゃん、

ええ~~!と絶叫と大笑い

驚きあきれるとはこのことかしら。

まさに靴が崩壊したのだ!

こんなに急激に崩壊するとは有り得ないでしょう~

信じられない!

信じられなくても事実は事実、困ったわ。

大笑いがおさまったら、

「なんでそんな古い靴を履いてきたんだ!」と

非難の嵐がごうごうと私に吹き付ける。

そりゃそうよね、私だって自分じゃなかったら非難すると思うもの。

でもね、家を出たときは何でもなかったのよ~

途中に靴を売っていそうなお店を見つけたら買おうと、

みんなで窓の外を注意しながら行ったけれど、

そう都合よくはいかない。

結局そんなお店は見つけられないまま新穂高についてしまった。

娘が持っていた髪止め用のゴムで落っこちた部分を止める。

2,3歩歩くとずれてきてはずれそうになるので、右足で

とんとんと押し戻しながら、誰にも気づかれないことを願いながらロープウエーに乗る。

せっかくの新穂高、お天気も上々、それなのに落ち着かない。

できるだけ動き回らないようにしながら、何とか新穂高観光は終えた。

そうなったら、とにかく靴屋へまっしぐらというところだけれど、

どこへ行けばいいのか

すると、娘が、前回お友達と来たとき、靴屋さんを見たような気がすると言う。

それっとばかりに娘の記憶を頼りにその靴屋さんへ。

さすが若さか、娘の記憶通りに行ってみたら、靴屋さんはあった。

私だけそこで降りて、みんなはホテルへチェックインに向かう。

その靴屋さんは、小さいけれどなかなかお洒落なお店だ。

でも、残念なことにバーゲンはやっていなかった

定価で買うのは不本意だけれど、非常事態だ、やむを得ない。

棚に並んでいる靴を見まわして、中でも安価な一足をさりげなく選んだ。

黒だし、全体的に厚底で履きやすそうだ。

事情を話して、残骸と化した靴は捨ててもらうようお願いする。

いやもう、きまりが悪いったらない。

靴屋さんのご主人は、さすがプロ、驚く様子もなく、

「それは大変でしたね。うちが見つかって良かったですね~」と言ってくださった。

靴屋は、高山にその1軒しかないのだそうだ。

やれやれ、娘が靴屋さんの場所を憶えていてくれてほんとうに良かったわ。

新しい靴を履いて店を出ると、やっと観光気分になった。

チェックインを済ませて、車を置いて来た夫たちと合流して高山の町をそぞろ歩きながら

旅行に古い靴は履ちゃいけないと、つくづく肝に銘じたのだった