母が入院してから2週間、治療とリハビリの甲斐あって、症状は随分と改善された。
身体的回復は、ほんとうに驚くほどで、発病前の8割がたは戻っていると思う。
トイレも一人で行けているそうだ。
でも、残念なことに、精神面はそうはいかない。
しっかりした受け答えの後で、辻褄の合わないことを言われると、
途端にがっくりしてしまう。
この間ね、と言っても30年前の話だったりする。
想像や妄想というより、自分の経験の思い出が、アトランダムに蘇る様だ。
これからの生活に支障はないのだろうかと気になって、
リハビリの先生に伺うと、普段の生活にさほど支障はないのでは、と言ってくださった。
リハビリの終わりに、「どうもありがとう、明日もよろしくお願いします」と
きちんとご挨拶しているのを見ると、少しほっとする。
これからは、今まで以上にいろいろな方のお世話にならなくてはならない。
その方たちに感謝を伝えることは、とても大事なことだ。
母にそれができることがとても嬉しい。
脳梗塞がきっかけで性格が変わってしまった、という話をよく聞くけれど、
母にはその心配はなさそうだ。
それが何よりも良かったと思う。