今のダンススクールに来て2か月、先生やほかの生徒さんたちとも気心が知れてきて、
大分馴染んできたような気がする。
前のスクールで一応のステップは習っていたので、
初めから教えてもらうというよりは、正しく直してもらうという感じでやっている。
この間、レッスンが終わった後で、先生が、
「進歩したね~、すごく良くなったよ~」と褒めてくれたので、
「おかげさまで、ありがとうございます。先生の教え方が良いんですよ」
というと、気をよくして緩んだのだろう、
「人前で踊ってきたと言うから、実はビックリしたのよ。あれで、よく踊ったなと思って」
この間のクルーズで、「踊ってきたんですか?」と訊かれて、
素直に「はい」と答えたことを言っているのだ。
それは、先生の目から見ればそうでしょう。
見るに耐えないだろうことは、自分たちが一番よく知っている。
私たちは、それでもいいから旅の恥はかき捨てと、勇気を出して踊ってきたのよ。
上手でなければ踊ってはいけないなら、スキー初心者はゲレンデで滑ってはいけないし、
スケート初心者はリンクに上がってはいけないのかしら。
私たちは、ダンス競技会に出たわけじゃない。
野球やサッカーなら、チームに下手な選手がいたら困るかもしれない。
でも下手なダンスを踊ったからと言って、誰にも迷惑はかけないわ。
不愉快さをさっと顔に出したいところだけれど、出ないのよね~、この年になると。
悪気がないのはわかっているしね~。
先生は、私がムカッとしたことに全く気付かず、
「じゃあ次回ね」とご機嫌で送りだしてくれた。
なんだかね~、我乍ら寛大になったものだと思うけど、一言言ってやりたかったわ。
「私たち、あなたが満足するくらい上手になるのを待っていたら、踊らないうちに死んでしまうわ」
もう遅いけど。
帰りの車の中で私が、「あれはないよね、失礼よね」と夫に言うと、
夫は「は~、そんなこと言ってたか~?」
聞いてないのよね~、まったく、もう