韓国ドラマ「マイネーム・偽りと復讐」あらすじと感想、最終回。
自分の目の前で命を奪われた父。たとえどんな代償を払うことになろうとも必ず父の復讐を誓った娘は、犯罪組織のボスの後ろ盾を受け、新しい名前で警察へと潜入する。
後に直面する冷酷な真実と復讐を描く女性アクションドラマ。
ヒロインはドラマ「夫婦の世界」、「わかっていても」のハン・ソヒさんがいままでにないアウトローな強い女性を見せてくれます。
運動をしたことがないというハン・ソヒさんですがアクションはなかなかサマになっていて、あの綺麗で可憐な彼女が強い男たち相手にボコボコに倒していく姿は神がかった迫力で圧巻です。彼女がどんな役もこなせる演技派女優と評価されたワケが分かるような際立つ印象を残してくれましたが、きっとファンが増えたことでしょう。
また、父親の真実が明らかになり、やるせない揺れる感情をむき出しに演じる彼女の悲しみの演技にも注目です。
また本作で悪役を演じるパク・ヒスンさんの鋭い眼力から発せられる憎しみは見るものを凍り付かせるほど存在感が強く、また渋い男らしい演技も素敵でした。
韓国最大の麻薬組織トンチョン派のボスで、最も信じていた仲間のユン・ドンフンの死後、彼の娘であるジウ(ハン・ソヒ)を組織員として受け入れ、父親への復讐心に満ちた娘のジウを完璧な組織の人間に作り上げ警察に偽装潜入させるのです。
ジウを守るために力を尽くすのですが、揺れ動く心の中の本心はどうだったのでしょうか?
本気だったのか?それとも彼女を騙していたのか?試していたのか?
トンチョン派のボスで力も権力もありますが、周りの誰にも自分の本心を見せない複雑なキャラクターだったと思います。
また、アクションが多いなか唯一、ジウ(ハン・ソヒ)が心を開いた同僚のピルド(アン・ボヒョン)への愛は人間らしい一面が表現されていて、とても良かったです。
お互いに同じ傷を持つどうし、心の休まる場所が必要だったのでしょう、こういう愛の形も二人には慰めになったはずです。
その同僚のピルド役を演じたアン・ボヒョンさんは、ドラマ「梨泰院クラス」での悪役でブレイクしましたが、本作の刑事役は素で演じているように自然で、とてもお似合いでした。
後半過ぎに衝撃的な事実な明らかになりますが、それぞれの予測できない人間関係に緊張感が走り、絶妙なバランス感で魅せるキャラクターたちから目が離せなくなります。
シーズン2を期待したいドラマでした。
あらすじ(ネタバレあり)
1話
父親が指名手配中のために女子高を退学したジウ(ハン・ソヒ)は自分の誕生日の日に玄関ドアーの目の前で何者かに父親を殺されます。
警察はすぐに目撃者もいなく凶器も手がかりもないので捜査を打ち切ると言います。
父の復讐を誓ったジウは強くなりたいと父の友人だったというトンチョン派ボスのムジン(パク・ヒスン)の元を訪ね、組織の後押しを受けることになります。
「勝ちたいです」というジウ(ハン・ソヒ)にボスのムジン(パク・ヒスン)は「その考えでは無理だ、殺す、ぶっ殺すと思って戦え」とボス自ら相手になってジムで体を鍛え教え込みます。
そのボスのムジン(パク・ヒスン)の部屋にはジウの父とボスのムジンが並んで写っている写真がありました。
ボスのムジン(パク・ヒスン)は10年前にジウの父に助けられた恩があります。
2話
組織のジムで格闘の試合がありますが、ジウ(ハン・ソヒ)は男たち相手に優勝するのですが、最後の試合で負けた組員のガンジェに薬を飲まされ意識がもうろうとします。
ボスのムジン(パク・ヒスン)は自分が連れてきた女に手を出したとガンジェの顔を切りつけ、厳しい罰を与え除名します。
そして、ムジンの部下のテジュはジウに「すぐにここを出ていけ、お前のせいで大事な部下を失った、俺はお前の父親をずっと近くで見てきた、組織にそぐわない人だった、お前もだ、諦めろ」と忠告するのです。
ところが、ジウ(ハン・ソヒ)はボスのムジン(パク・ヒスン)に呼ばれます。
これからはユン・ジウの名前を捨ててオ・ヘジンとして生きていけ、父を殺した犯人は警察の中にいると話します。
警察に潜入するようにボスから命じられたジウは全く別人として生きていくのです。
その後、強力2班に配属になったオ・ヘジン(ハン・ソヒ)は捜査中に刑事のピルド(アン・ボヒョン)に出会いますが、その後希望を出して麻薬捜査隊1チームに移動になり、そこでピルド(アン・ボヒョン)の相棒になります。
ジウ(ハン・ソヒ)はボスのムジン(パク・ヒスン)に会い、「父を殺した銃が誰のものなのか調べ、麻薬捜査隊チーム長のチャ・ギボ(キム・サンホ)との関係を突き止めます」と報告します。
ボスは自分のナイフをジウ(ハン・ソヒ)に渡し、「見つけたら殺せ、信じろ、何があっても我々がお前を守ってやる」と念を押します。
3話
麻薬捜査隊1チームに移動になったとたんに麻薬捜査に駆り出されたジウ(ハン・ソヒ)はその現場で麻薬を見つけ、主犯格のマンゴーを捕まえますが、取り調べの中で新たな麻薬組織のリーダーが、ボスのムジン(パク・ヒスン)の地位を脅かそうとしているのを知り、ジウ(ハン・ソヒ)はボスのムジンに知らせます。
ところが、警察ではその後の麻薬捜査のターゲットがムジン(パク・ヒスン)になり出動することになります。
警察は、表向きはホテルの代表だが実際は国内最大の麻薬組織トンチョン派のボスで、先日自殺した麻薬製造船のオーナーのペ・ジョングの工場と船がムジン(パク・ヒスン)の所有になったことで、狙いはムジン一人だと発表します。
急なことでジウ(ハン・ソヒ)はムジン(パク・ヒスン)に知らせることが出来ないまま出動しますが、どうにかムジン(パク・ヒスン)を逃がすことに成功します。
そして、その現場で発砲し父親を撃った銃をわざと置いてくるジウ(ハン・ソヒ)です。
また一方で急に狙われたボスのムジン(パク・ヒスン)は部下のテジュに「俺たちは何も把握できない素人集団なのか?バレた原因を探れ」と言いますが、テジュは「ジウが連絡しないなんて」と言います。
ジウ(ハン・ソヒ)はムジン(パク・ヒスン)に電話を掛け、監視カメラがあることを知らせ、内部に裏切者がいるのではとムジンは疑います。
4話
ジウ(ハン・ソヒ)が体を鍛えていたトンチョン派のジムに組織から除名されたガンジェが部下を連れて乗り込んできます。
乱闘騒ぎになり、警察がやってきますが、ピルド(アン・ボヒョン)から呼び出しを受けたジウもやってきます。
死人や怪我人もでたことで、プライドを傷つけられたボスのムジン(パク・ヒスン)はこのまま黙って引き下がるわけにはいかないとガンジェを捜すようにテジュに指示します。
また警察はムジン(パク・ヒスン)の動きを見張るために逮捕したマンゴーを釈放して泳がせムジンを捕まえようとします。
ジウはすぐにムジンに「マンゴーが釈放されます、罠です」と知らせます。
ところが、チーム長のチャ・ギボ(キム・サンホ)は、オ・ヘジン(ハン・ソヒ)が来てから情報が漏れ始めたと気付きはじめ、ピルド(アン・ボヒョン)にオ・ヘジン(ハン・ソヒ)から目をはなすなと指示します。
また、ジウ(ハン・ソヒ)の父親を撃った銃が分析結果で死亡した麻薬捜査隊所属のソン・ジュンス刑事の銃だと分かりました。そして、トンチョン派に殺されたと・・・
この話をムジン(パク・ヒスン)にしますが、「それは嘘だ、我々は警察を殺さない、銃が明るみになったから話をでっち上げている、だまされるな」とジウ(ハン・ソヒ)に言います。
5話
ガンジェの組織に捕まったジウ(ハン・ソヒ)とピルド(アン・ボヒョン)ですが、危機一髪のところでムジン(パク・ヒスン)が助けに来ます。
大怪我を負ったジウ(ハン・ソヒ)は入院しますが、警察も今回の事件でガンジェの逮捕に全力を注ぐのです。
その後、ジウ(ハン・ソヒ)の病室にピルド(アン・ボヒョン)がやってきて、「俺には妹がいたが、合格祝いにクラブ行って酒に麻薬を入れられて、その場で死んだ。妹は心臓が弱かったから」、「誰を捜しているか知らないけど俺も手伝うよ、捕まえよう」とやさしい声をかけてきます。
また一方で、ガンジェが逮捕されると危ないので海外へ行くようにムジン(パク・ヒスン)が進めますが、ジウ(ハン・ソヒ)はそれを断ります。
そんな時、チーム長のチャ・ギボ(キム・サンホ)はジウ(ハン・ソヒ)の今後3週間の発信と着信と位置情報を極秘で教えるようにある者に指示します。
更に警察署ではジウ(ハン・ソヒ)の昔のことを知る強力3班のチョ・ジンセと遭遇し動揺するのですがチーム長のチャ・ギボ(キム・サンホ)の部屋に入っていきます。
帰りに強力3班のチョ・ジンセはジウ(ハン・ソヒ)に「まだ犯人捜しか、ヒントをやるよ、5年前捜査を打ち切ったのはチーム長のチャ・ギボ(キム・サンホ)だ」と言い、お前のことは黙っている、面倒だからと言って、頑張れと笑顔で帰っていきますがチョ・ジンセはその後すぐに殺されます。
その後、捜査中にジウ(ハン・ソヒ)は自分の身分をバラそうとするガンジェを銃で撃ってしまいます。そばにいたピルド(アン・ボヒョン)は驚きます。
6話
銃を発砲したジウ(ハン・ソヒ)を心配したピルド(アン・ボヒョン)は家を訪ねて行き、こういう時は一人じゃないほうがいいよと言って、たくさん話しかけるのです。
「ガンジェは知り合いなのか?お前の名前を呼ぶのを聞いた」と、ジウは「昔薬を飲まされて、レイプされそうになった、この傷は意識を取り戻そうと自分でつけた」と言って、腕の傷を見せます。
また、ジウ(ハン・ソヒ)の元に死んだガンジェから郵送で写真が送られてきます。
その写真はジウの父親が警察官の仲間たちと一緒に写っている写真で、父の胸にはソン・ジュンスと書かれた名札がついています。
それを見たジウはガンジェに刺され、お寺で傷の手当てをしているムジン(パク・ヒスン)を訪ねます。
その写真を見せて、「死んだソン・ジュンスは。父は警察官だったんですか?」と問いかけます。
ムジンは「ドンフンは警察だった、組織を破壊するためにチャ・ギボが送り込んだんだ、だが我々の方に寝返った、前にも話したがドンフンは私の命の恩人だ」と話してくれます。
ジウは父親に2つの名前があったことを知らなかったのです。
そして、今まで信じてきたことがすべて偽りであり、父は誰に殺されたのか訳が分からないジウです。
そんな中、ムジン(パク・ヒスン)はテジュに電話をかけて、「テジュ、ジウには荷が重い、チャ・ギボはお前が殺せ」と指示を出します。
チャ・ギボは部屋でテジュに刺され、何も知らないジウがそこに向かいますが、チャ・ギボはジウに「ボスのムジンは悪魔だ」、「君の父のユン・ドンフンは最後まで警察の刑事だった」と言って、父のドンフンから預かっていた手紙をジウに渡します。
そこで、すべての真実が明らかになりジウはムジンに騙されていたことを知るのです。
信じていたボスに裏切られていた自分の無力さにただただ泣き崩れるジウです・・・
7話
テジュに刺されたチーム長のチャ・ギボ(キム・サンホ)は集中治療室で治療を受けることになります。
警察ではガンジェ殺害の容疑者として、ムジン(パク・ヒスン)を捜しています。
そのころ、裏切者としてジウ(ハン・ソヒ)を殺しにテジュたちがやってきますが、男たちと必死に戦うジウは最後に残ったテジュと闘うことになります。
ジウはムジンから受け取った大事なナイフでテジュを刺します。
そんな時、ムジン(パク・ヒスン)が自ら警察に出頭するのです。
ピルド(アン・ボヒョン)は「出頭した理由は?」と問い詰めますが、警察側はムジンの腹が読めないと言い、今度は警察側としてジウ(ハン・ソヒ)が「なぜ出頭を?」とムジンに聞きますが「無実を証明しにきた」と言います。
その後、ジウ(ハン・ソヒ)はムジンの証拠品を持ち出して証拠を消して、ムジンに知らせ、自分も逃走します。
ところが警察内部ではスパイとして刑事のオ・ヘジン(ハン・ソヒ)に疑いがかかり彼女を必死に捜しますが、彼女は証拠を消して逃げた後でした。
そして、ムジンは証拠がないと言って警察署を出ていきますが、ムジンはジウ(ハン・ソヒ)を試すために出頭したのです。
ところが、ムジンはジウ(ハン・ソヒ)が俺を救ったのは最後に俺を殺す目標があるからだと分かっています。
ピルド(アン・ボヒョン)は刑事のオ・ヘジン(ハン・ソヒ)がスパイだったと呆然とし、「何もかも嘘だったのか」と怒りを爆発させます。
ジウ(ハン・ソヒ)を捜しあてたピルドは逃げるジウに発砲し、ジウはあっけなく緊急逮捕されます。
8話(最終話)
目を覚ましたチーム長のチャ・ギボ(キム・サンホ)はピルド(アン・ボヒョン)を病室に呼び、刑事のオ・ヘジン(ハン・ソヒ)は5年前に殺されたユン・ドンフンの娘だと聞きます。
そして、ドンフンの本名はソン・ジュンスで、チーム長のチャ・ギボがトンチョン派に送り込んだ人物で、チーム長のチャ・ギボを刺したのはテジュだと知り、ジウ(ハン・ソヒ)がムジンに騙されたことも知ります。
また一方で、逮捕された後、病院に移動するジウ(ハン・ソヒ)はムジンが送り込んだ看護師のおかげで病院を抜け出そうとしますが、ピルド(アン・ボヒョン)に見つかり、復讐を果たしにいくジウを止めるためにピルドは自分とジウに手錠をつなぎます。
でも、ジウにとってはムジンを殺さないと生きる意味がないのです・・・
その後、二人はいつか来ようと言っていた海に来ます。
そこはピルド(アン・ボヒョン)の友達が借りている海の近くの家でした。
ピルドはジウの傷口を消毒しながら、「一人で背負わずに、いつでも俺を頼れ」と言い、二人は自然と近づいていきます。
ピルドは「ムジンを捕まえよう、お父さんも殺すのではなく法で裁こうとした。お父さんが果たせなかったことを、お前が成し遂げろ」と・・・
その帰り道、運転していたピルド(アン・ボヒョン)は警察前の道路でバイクに乗ったムジンに銃で撃たれ即死します。
隣の助手席に乗っていたジウはピルドの銃を奪って人ごみの中に逃げていきます。
ムジンのところに乗り込んでいくジウ。
何人もの男たちを倒し、やっとムジンの部屋にたどり着いたジウ。
「化け物になれるか?」と聞くムジンに「ためらったせいで、大切な人がまた死んだ、私の痛みを理解し唯一頼れる人だったのに・・・ なってやる、化け物に」と言い、
「あんたの息絶える瞬間をこの目で見届ける」と言って、ナイフを持って向かっていきます。
どちらかが死ぬまで戦わないと終わらないと・・・
ラストは父と母と・・・
そして恋しいピルドのお墓参りをするジウの姿が・・・
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