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平成27年富士総合火力演習 後段演習

2015-09-03 | 自衛隊

少し他の話題をお送りしていましたが、本年度の総火演において、
15分の休憩を挟んで行われた後段演習の様子をお話ししておきましょう。

本来ならここで音楽演奏が行われることになっていたのですが、
このときも、開始までの間も、雨脚が強くなったため音楽隊は出演しませんでした。
この日の音楽隊は、すべて演習が終了し、展示装備の準備ができるまでの間、
雨がこのころは上がっていたのでようやく出番となったしだいです。

履帯外れ事故のときのように、いつ出演が要請されるとも限らないので、とにかく
何があっても現場に待機していなくてはいけないというのが彼らの宿命なのです。



予行演習ではありますが、観閲式の時のように「総理大臣」と大きなプラカードを下げた
偽物を使うのではなく、
ちゃんと防衛政務官を招待しておりました。

これらの演習は、政府の視察の元に行われるという建前があるからです。


で、周りのお嬢さん方が「誰?」「あれ誰?」とひそひそやっていたこの人物、
どこかで見たことがあるなあと思ったら石川博崇防衛政務官じゃありませんか。

このいつも張り付いたような笑いを浮かべている創価大学出身の公明党議員が、
よりによって防衛大臣政務官であるというのはなんだか微妙な気がしますが、
ご本人のモットーも「備えあれば憂いなし」だそうなので(笑)良しとしましょう。



本番は知りませんが、こういう政府関係者がだらだら挨拶をして
陸自隊員たちの士気を削ぐということは総火演ではやらないので助かります。
到着したら、司令官である陸将補が演習の準備ができたことを報告し、
これをもって総火演の始まりとなします。



ところで、休憩はわずか15分しかないのですが、その間に席を離れ、
帰ってきたのはいいけれど、自分の居た場所がわからなくなって立ち往生する人が
結構な割合で(わたしの横の通路では3組、延べ人数6名)いたのでした。

演習が始まってから人々の視界を遮る夾雑物と仮す前に、なんとか席に
戻ってもらおうと、案内の係の自衛官は必死の誘導を続けます。

中には故意犯?なのか、「どこにいたのかわからなくなった」といいながら
始まる寸前まで通路に立って話をしていた三人組もいましたが、

「始まりますので早くお戻りください」

と注意されて渋々?後ろの方に戻っていきました。
ぜんぜん前に座っていたんじゃないじゃん。



後段演習が始まる少し前から、フィールドにはすでにいくつかの装備が配置されていました。



中距離多目的誘導弾のうちの「発射装置」がこれ。



12式地対艦誘導弾システム。
SSMと呼ばれる昼夜兼用の対艦ミサイルを搭載しています。



こうやって集めた情報がSSMに送られると、



SSMから放たれたミサイルは、山や谷などを迂回し、それらを越えながら進み、

 


低高度で進入して目標艦艇を撃破するというわけです。

うーん、今どき艦隊戦なんて行われるわけないというのがよくわかる。 




中距離地対空ミサイル。(中SAM)

想定においては航空機を射撃し、撃破するために配備されています。
中SAMの実射はもちろん行われません。
スクリーンでこれも射撃の様子を見せてくれるのですが、高く打ち上げたミサイルは、
飛来している航空機を、上部背面からまるで豆腐のように楽々と打ち抜きます。

というかあの映像でぶち抜かれる飛行機は、どうやって操縦されていたのか。



演習に先立ち、もう何度も見ているような気がするこのような
島嶼防衛における我が国自衛隊の統合及び機動についての説明があります。

シナリオはもちろん、畑岡地区が我が国固有の島であり、そこに敵部隊が
海上から侵攻してくるということを想定しております。

前もって配備されていた装備は、それを迎え討ち撃破するということですね。

その後、侵攻し島嶼部を占領した敵軍を、本土から出撃した我が軍が、
空中、海上から輸送手段を駆使して機動展開をし、最後にその部隊が
敵を攻撃してこれを撃滅、めでたしめでたしという筋書きです。

状況開始に際しては、なんという名前か知りませんが(進軍ラッパ?)

「ドッドドドッド ミッミミミッミ ドッドドソッソソドミドソドー」(固定ド)

というラッパが吹き鳴らされます。
これたしか、下総基地でお昼が終わった時に鳴ってたな(笑)

下総基地といえば、状況は海自P-3C部隊の情報収集から始まります。
でね。
たしか去年はいきなりここでP-3Cから情報を得たF-2が飛来した記憶があるんですが、
本日は雨が降っていたためF-2は飛来しなかったのです。



モニターの映像でお茶を濁されました。



96式多目的誘導弾が海岸に接近する敵舟艇を撃破します。
この後中距離式多目的弾が、奥の赤い凸を撃ちぬきました。

さて、それにもかかわらず(そりゃそうだろう)生き残った敵勢力が我が国に上陸をしてきました。
そこで、我が軍斥候による偵察活動が行われます。



そこで本来次に出てくるのが忍者。じゃなくてOH1ニンジャです。
国産の偵察ヘリとしてはぴったりのこのネーミング。

ただし、この時にはやはり雨のせいかOH-1の出演もありませんでした。

これは、終わってから装備展示のためにやっとこ出てきたOH-1のお姿。
他の日の演習では張り切って倒立とかしていたそうなのに、見られなくて残念です。

それに、多目的ヘリから降りてくるオート(バイク)隊もなかったし、
何と言ってもCHー47からのリペリング降下も無しだよまったく。

というか、私の行った日ってつくづくついてない日だったのね。 



この歩兵車もね・・・本来CHで運ばれて、そこから降りてくるはずだったのに

このとき、モニターではオスプレイを導入予定であること、そして
航続距離がCHの2倍で静謐性もあり、島嶼部の配置も期待されていると放送しました。

なるほど、兵站への物質輸送という点において、Cの国にはこのような装備はないはずで、
そりゃこんなもの日本に導入されれば困るのは必至だから、共産社民を中心とした
反日日本人たちに指令してオスプレイに限定して反対運動させるでしょうねえ。(説明っぽいな)



あとモニター映像で驚いた、LCAC(えるきゃっく)による戦車の運搬。
観艦式でこれ見ましたけど、うるさかったですよー(笑)



で、なぜか後段演習に対人狙撃が行われたのですが、
これっていつもそうなんですか?



やっぱりこういうので実際に撃つ人は常日頃から成績のいい、
「ゴルゴ」とかいうあだ名のついている隊員に違いない。



遠くからなのに、銃弾が赤く発光しているのでこんなによく見えます。



ただの銃かと思ったら、当たった後人が燃えてます。



大大大大アップしてみた対人狙撃銃のターゲット。
ほとんど穴だらけで、向こうがほとんど透けて見えてるんですけど・・・。



なぜか向こうに向かって撤退~。



先導班が87式偵察警戒車で侵入してきました。
敵の警戒線を突破するため、急襲射撃を行います。



87式は全部で4台、同時に発砲しました。
これをもって敵の警戒線は突破されたという設定。




警戒線を突破して侵入してきた(という設定の)87式。
偵察によって、敵は2段山と3段山に潜伏中と判断されました。


まず、敵の戦力をあらかじめ低下させるための攻撃。
海自が海上から艦砲射撃を行うこともあります。





そこで、攻撃を射撃支援するために74式戦車部隊投入。
味方の攻撃を「射撃支援」が目標です。




そして92式地雷原処理車が処理ブロックを発射。





こんな風に飛んで行って・・・、




地雷を処理。
本日は演習用に4分の1の規模のブロックを使用しているそうですが、それでこれ。
周りにいた人(女性)が

「そんなこと言わずに全部使ってやってくれたらいいのに」

と文句を言っていました。



そうやってみんなで発煙弾を撃ったり、前進射撃をして、いわば
「お膳立てが整った」ので、いよいよ10式戦車が攻撃を開始します。



まるで軽やかにステップを踏むように、バックでスラロームしながら砲を撃つその姿は
優美ですらあります。
こんなことを言ったらなんですが、戦車というのは、特にこの10式の動きは
美しいものだなあと妙な感動にふけってしまいました。



続いて装甲戦闘車科小隊も戦闘に加わりました。



ドウンドウンドウン!の装甲戦闘車ですね。



この攻撃によって、前進を阻む敵は制圧されたそうです。
装甲戦闘車科小隊が陣地変換の間、10戦車小隊らが援護を行います。




そこに敵のヘリコプターがやってきたので撃ち落とす非情の87式高射機関砲。



もうこの辺になると皆が入れ替わり立ち替わり砲撃しまくっています。
もちろん実射しませんが、MLRSなんかも撃ってしまうという設定。
まあ、実戦なら向こうからも当然撃ってくるわけですが(笑)、演習なので

「もうやめて!敵のライフは0よ!」

というまでこちらからだけ一方的に攻撃できるわけですね。
一度、敵のものすごい反撃に遭い部隊がほぼ壊滅状態から巻き返して勝利、
みたいなシナリオでやってくれないかなあ。


ここで中隊長は、これまでの戦況から「突撃可能」と判断し、
一気に畳み掛けて勝敗を決する攻撃に出ることを決意しました。







この頃には会場左手上空にヘリ部隊がホバリングして様子を伺っております。
本日初めて見るような気がするCH-47も・・。



もちろんアパッチもねっ。
突撃部隊の突撃成功の報を受け、ヘリ部隊と一体となって、残存する敵を殲滅するのです。
これを「戦果拡張」といいます。



そこにくさんのナイアガラが・・・。



たまやー。

やはりムービーのキャプチャは画質がいまいちです。



ヘリ部隊は何をしたのだろう・・・・。
と去年も思ったけど、これ、みんなでただ通過しているだけなのでわ。




さすがクライマックスだけあってスモークが派手。



というわけで、本日もつつがなく後段演習は終了しました。
終了してからは展示装備の準備が始まります。


続く。