の~んびり タイランド 2

タイの風景、行事や趣味の陶磁器を写真を中心に気ままに紹介しています。

謹賀新年・2016年

2016年01月02日 | その他
明けましておめでとうございます。
2016年は1956年に次いで戦後2回目の「丙申」の年で、陰陽五行説では「丙申」は「大変革の年」にあたるそうです。
さて、どんな大変革が起きるのやら・・・。

写真は「白褐釉鹿文瓶」に水仙と椿を挿してみました。くもり日に撮影したため、白釉が水色に被ってしまいました。
全高:24.2cm、口径:12.9cm、胴径:14.7cm、底径:10.2cmの新作です。筒形の窯道具に載せ、薪窯で焼成しているため、古色をつけて悪意を持って販売されればそれなりに通用しそうです。


申年にちなんで猿の陶像です。「褐釉考える猿」左手はしゃがみこんだ膝を抱きかかえ、右手で顎を支える思索する猿です。スコータイ時代の集落跡のサラチット出土です。
全高:6.6cm、14世紀から15世紀、パ・ヤーン窯


「青磁猿頭部」サラチットのサトウキビ畑で出土しました。母子像など人物像は病気平癒の「シア・カバーン」という儀礼で頸を折っていますが、猿もそうであったのか、偶然に折れてしまったのか不明ですが、頭部しか出土していません。
高さ:3cm、幅:3.5cm、14世紀から15世紀、パ・ヤーン窯

「鉄絵ハヌマーンの蓋付鉢陶片」です。パ・ヤーン窯跡から出土しました。陶片の曲率から推定すると、直径24cmぐらいの大きな鉢になります。
口端部の釉薬が拭き取られていることから、蓋があったことが分かります。
絵柄の「ハヌマーン」は羅刹王ラーヴァナに誘拐されたシーダー姫を、奪還に向かうラーマ―王子を助ける猿の将軍です。6世紀に、発祥のインドからジャワを通じてクメールに伝わったとラーマーヤナの1節です。クメールでは神殿の装飾にラーマーヤナの挿話が好んで用いられました。アンコール・ワットの回廊には50mにも及ぶラーマ王子率いる猿軍と羅刹軍のランカー島の戦闘場面があります。タイへはスコータイ王国建国以前のクメール統治下に伝わったと言われています。
陶片の絵柄は、ハヌマーンが自分の毛を抜き、息を吹きかけて分身を生み出す場面のようです。
ハヌマーンは中国に伝わり孫悟空になりました。また、日本に伝わったラーマーヤナは、鬼ヶ島の鬼退治をした、猿、犬、キジをお供にした桃太郎の原型ではないかとも考えられています。
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「小幡人形(おばたでこ)」のおサル、桃太郎さんのお供です。
小幡でこは、滋賀県五個荘・小幡で作られる土人形=「でこ」です。
小幡人形のホームページによりますと、およそ300年の歴史があり、当地で京通いの飛脚を営んでいた安兵衛は、度重なる道中の追い剥ぎや恐喝で荷を盗まれ、その弁償が大きな負担となり、転業を考えるようになりました。京で人気のあった伏見人形の技術を習得し、人形師として中山道沿いの小幡で「でこ」作りを始めました。
土産物や玩具として人気があり、明治初期までは4,5軒の同業者がありましたが、現在は9代目が伝統をまもって小幡でこを作っておられます。
年賀切手の意匠に過去2回採用されています。
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今年9月に「―タイを中心とした― 東南アジアの陶磁器展」を開催します。
案内ポスターを考案しました。写真は右上から左へ順番に
1.白釉緑彩草文皿(ミャンマー)15世紀 東南アジアの湿地に大繁殖するバック・ブーンの意匠です。直径31cmです。
2.青花花文皿(ベトナム)15世紀 ベトナム、ホイアン沖の海上がりです。
3.青磁縞文輪花皿(ワン・ヌア)15~16世紀 オムコイ出土です。
4.鉄絵魚草文鉢(スコータイ)15世紀 直径25.5cm、高さ7cmの鉢です。
羊歯状の葉は、「バイ・ワイ」という山に自生する植物、その間の模様は「クア・ワン」と呼ばれています。
5.青磁刻花花文輪花皿(サンカローク)14~15世紀
6.青磁刻花蓮華文油壷(サンカローク)15世紀 胴径6.7cm、高台径3.2cm、高さ5.2cmです。サラチットのサトウキビ畑から出土しました。
7.鉄絵飛鳥文皿(カロン)15世紀 ターク、ポップラー出土です。
8.鉄絵双魚文皿(サンカンペーン)墳墓遺跡出土品で鉄剣が重なっていたため口辺に鉄錆が固着しています。
9.褐釉刻花唐草文皿(パヤオ)14世紀
10.青磁刻花菊花文油壷(サンカローク)15世紀
11.青磁皿(パーン)15~16世紀 メーソット出土です。
12.青磁刻花文小皿(サンカローク)15世紀 直径8.8cmです。
13.青磁皿(コ・ノーイ窯・モン陶)13世紀 直径27.3cmです。
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会場の「カフェ&ギャラリー ハクモクレン」です。
近江商人の留守宅が残る五個荘川並の集落の狭い路地を進み、観音寺山の麓近くに、築200年の古民家を改築した「ハクモクレン」があります。玄関を入った三間続きの部屋が陶磁器や木彫などの工芸品、絵画などを展示するギャラリー、さらに横に連なる三部屋をカフェ、そして玄関を入った土間の続きの水屋で古伊万里などの骨董品が販売されています。





ハクモクレンの軒下に住み着いた野良猫、「ミーちゃん」です。

玄関を入った土間です。

陶器展が催されているギャラリーです。



古道具展のギャラリーです。

カフェです。奥の蔵の2階も展示室になっています。



お竈さんを残したまま、古伊万里等の日用遣いができる骨董品が並んでいます。


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古伊万里以外にもタイの陶器が並んでいました。
サンカンペーンの鉄絵草文皿です。14世紀から16世紀に作られた無傷の美品です。

サンカンペーンのやや小ぶりな鉄絵双魚文皿です。

サンカンペーンの青磁縞文皿です。よく焼成されたきれいな青磁です。

スコータイの大型の鉄絵魚文鉢です。


サンカロークの鉄絵碗です。金継ぎをして抹茶碗として使い込まれたのでしょうか、前の所有者が長く愛玩され様子が分かる品です。


カロンの大きく歪んだ白磁碗です。やはり、金継ぎをして抹茶碗として使われていました。

ブリラムの黒釉人面瓶です。12世紀から13世紀のクメール版図のブリラムで焼かれた小型の瓶です。

土味はカロンですが、いまいち良く分からない褐釉双耳水注です。東南アジアの産であることは間違いありません。
ここまでの品は、同じ所有者から出された陶器ですが、いずれもコンディションの良い品で、かなり早い時期に日本へ持ち帰って大事にされていたもののようです。

高麗青磁です。小さな高台からほぼ直線で口縁に伸びる側面、見込みに菊花を陽刻し周りには不鮮明な葉模様が押されたややくすんだ青磁碗です。

庭でもコーヒーがいただけます。


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