懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

木村拓也「華麗なる一族」

2007-01-09 11:40:26 | Weblog
新作についてのインタビューでなかなか良いことを言っていた。

「役作りについてどうか」質問されて、
「”役作り”と言ってしまうと、作り事っぽくなってしまうと思うから」「まず、”その場に居る”ことからはじめたい」
というような発言だった。

そう、いい役者はみんなそう思ってるんだよね。

ブログタイトル「懐かしのバレエ」から話題が離れてしまったが、
昨年、「近年ロイヤルバレエのファンになった」バレエファンの方とお話していて、「演技」についての話でちょっと考えてしまったことを、このキムタク発言で思い出した。

どうも、一部のバレエのファンの人、或いは批評の書き手たちが「演技」といってるものは、私にとっては大した演技じゃないような気がしている。
予定調和の段取りの芝居、考えた決め事をなぞるようなものを本当の「演技」して高い評価はしがたい。あるいは、自分自身をみつめることなくして本当の演技もないと思っている。役と自己の間を埋めていく作業も本当の演技をするプロセスになるはず。

表現の受けてにも送り手にも地続きでない絵空事なら、そういう「作り事」を上手に演じたか、下手に演じたかを査定するような目で見てる観客の見方が一部にあると感じているけれど、そういうものは、私にはどうでもいいもののように思える。

「今」の自分を触発してくれる演技と、出会っていきたい、と思いながら客席に居る。アレッサンドラ・フェリは特に好きでも嫌いでもないプリマだが、このブログで以前書いたフェリのベラ役へのアプローチなどは、そのような意味で興味深かった。たとえば何か考えさせてくれたり、感じさせてくれる演技が好きだ。

木村拓也に話を戻すと、昔はいい役者さんだったけれど、「俳優」とは難しいもので、いい状態をキープするのは難しいときもあるらしい。
「抱かれたい男NO.1」扱いでずっときて、やはり「トップアイドル」がいい役者であり続けるのはきっととても困難なのだろうと思う。
ここらでまた「役者・キムタク」が見られたらいいんだけど。作品は経済モノとしては内容が古い。

ジャニーズは良い役者さんが多いけど、一方で長瀬智也なんかは、木村拓也と違い、「いい役者であり続けてる」タレントだと思う。「トップアイドル」でいるか、「役者」でいるか。二者択一になってる気がする。
コメント (1)
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里中満智子「天上の虹」

2007-01-09 11:09:53 | Weblog
日本史少女漫画の傑作。19巻まで出て、しかしっっ、
なかなか次が出ない!!!
さらら女王を描いた「天上の虹」これだけでなく、この近辺の時代を描いた関連時代漫画が全て面白い。
「長屋王残照記」、そして孝謙天皇モノの佳品「女帝の手記」。

共通するのは政治、政治家についての考え方。これが面白い。
一筋縄ではいかない藤原不比等もそうだか、考えてみると、脇役でも「女帝の手記」のヒロインの母「光明皇后」など、なかなかのくわせものぶりで、ああいう、政治家な女性たちを見ていると、映画「大奥」なんてどうでもよくなってくるかもしれない。

政治家な女性像を描いた少女マンガでは、もう一作、池田理代子「女帝エカテリーナ」がある。愛人を多く作りながら政治家としては溺れず自己のスタンスを守り続けるさまは、これも興味深い。
が、この池田理代子作品で政治ドラマとして面白いのは「ナポレオン」の方。この人は「男性を描く」作家というか、本質的には男性に興味の強い女性なのだと思う。他の少女マンガ作家に比べて。

「大奥」は政治の面白さにはまる女性、という視点が欠落しており、純愛モノとしてはいま3で、そこが痛いとこかも。

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