ああ、最後まで見られて良かった。
いつも思うのは、見のがし、録画ミスの類で、話が全部見られないことは避けたい、ということ。でも時々やる。
こんなに弛緩せずに毎回質を落とさずドラマが作れてるのは、最近の連ドラでは記憶にない。
良く出来ていた。つい、泣きました。(泣くなよって・・)
娯楽としても、戦後経済を振り返るドラマとしても、良く出来ていた。
それにしても、ここでも「音楽が支配する」というキーを再確認せずにはいられなかった。
毎回鳴り渡るあの暗く大仰な音楽が、作品の印象に強い影響を与えていたことを毎度意識する作りだった。
最後のオチもなかなかよかったが、大介の尽力が結局は権力闘争の一通過点に過ぎないことを匂わせて・・つい、スターリンの映画(昔、地方局でやっていた)と比べてしまった。スターリンは勝ち組、大介は明日の負け組みか。
勝ち続けたスターリンの孤独な生き方にも想像を絶するものがある。
人を切り続けた男。映画「イワン雷帝」はスターリンの比喩だそうだが、ローカル局でなぜか流れたスターリン映画にも、権力闘争に勝ち続ける人間(つまり大介より上手)の、厳しい人生が良く出ていた。といっても舞踊シーンが目当てで見てただけなんだけど。
同情されるほどの立場の人でもないのだが、大介がちょっと気の毒なような。
鉄平のほうは、死んで大逆転劇を果たしたような結果論ではある。
女の争いのオチもなかなか。
大介は正妻とよりが戻り、あぶれた派手な愛人さんは野心家の美馬と今度はくっつくのか。野心家の女も大変だ。大介は結局奥さんのことが好きみたいな気がしたのだけど。
鉄平のほうは、親に愛されない子に共通の心の世界が見られて、最後は自殺も止む無しだが、人徳か運の強さか、その志は死によって状況逆転で、誰かに受け継がれそうで、妙に救いのある結果になってる。普通は自殺によって状況が好転ってあまりないけど。
次男が困難を越えて人間的に大きくなるような気がした。
キムタクの咳払いは治らなかったですね。
いやいや、よくできたドラマざんした。私らに意識されないスタッフの勝利でしょう。セットとか専門的なことはわからん。