「よしあしの文字をもしらぬひとはみな まことのこころなりけるを
善悪の字しりがほは おほそらごとのかたちなり」
(正像末和讃)
(意訳)善いとか悪いという文字さえも知らない人は、
嘘・偽りのないまことの心をもった人である。
善悪の字をいかにも知っているかのような顔をしているのは、
虚偽の姿をあらわしているのである。
勉強し知識を得、学べば学ぶほど博識になった気になり、
他人より偉くなったような気分になるものだ。
その心は、知らず知らずのうちに傲慢(ごうまん)になり
何が本当に大切なものなのか見失ってしまう。
おごることなく「まことのこころ」を見失わず、
「愚者になりて往生す・無慚無愧のこの身…」
と御領解させて頂きたいものであります。