【メッセージ文について】
新型コロナウイルス感染症の影響で、私たちの日常は大きく変化しました。
「新しい生活様式」という名のもと、試行錯誤の生活が続いています。
このコロナ禍の生活のなか、改めて我が身のすがたを見つめさせていただくことの大切さを感じます。
他人の悪いところはよく目につくが、自分の悪いところは気づかないものである。(『蓮如上人御一代記聞書』現代語版)
と蓮如上人はおっしゃっています。他人のすがたは私からよく見えますので、他人のことを指摘することはそれほど難しいことではありません。
しかし、自己中心的な考え方にとらわれて生きている私が、自分の悪い点を見つめて改善することは非常に難しいことです。
蓮如上人は先のお言葉に続いて、
もし自分で悪いと気づくようであれば、それはよほど悪いからこそ自分でも気がついたのだと思って、心をあらためなければならない。
人が注意をしてくれることに耳を傾け、素直に受け入れなければならない。自分自身の悪いところはなかなかわからないものである。(同上)
とも示されています。
普通の鏡は、表面のすがたしか映しません。
しかし、仏法という真実の鏡は、私の心のままのすがたまで映し出してくださいます。
仏法の鏡を通し、改めて我が身のすがたを見つめながら、仏法を道しるべとして、何に気をつけ、何をさせていただくことができるのか、共に考えさせていただきましょう。
(西本願寺)