気の向くまま足の向くまま

できうるかぎり人のためになることを発信していきたいと思っています。

時空の彼方へ

2019-05-19 23:17:24 | 写真

Creating Dramatic Self Portraits (feat. Fiona Lark)

 

 冒頭の映像だが、これは僕がよく見る、そしてその腕前の確かさをこよなく尊敬するSean Tuckerという写真家、映像作家がつくった映像である。(彼のウェブサイト

この映像で彼が紹介しているのは、Fiona Larkという、たぶんまだアマチュアの写真家だ。
 この女性の写真、本当にいい。

 最近、ぼくは横浜に行きその時に見たハイキー(露出を明るめにとった写真)の写真にひどく惹かれたものだが、彼女のはそれとは正反対のローキーの白黒で、しかも、昔のレトロ風な写真に彼女自身が加工したものである。人によっていろんな感じ方はあるだろうが、僕がどちらに「より」惹かれるかといえば、やはり彼女の写真のほうだ。
よりロマンティックで神秘的、内省的で、そしてなにか「求め続ける」ようなものがあるからである。この形容は風景写真だけでなく、彼女のセルフポートレート写真にもあてはまる。
 とくに彼女のセルフポートレートのセンスは数段向こう側に突き抜けている。こうしてみてみるといいなぁ、と思うだけかもしれないが、ちょっとあれほどのものは撮れない。

 彼女が撮っているところは、イギリスのレイクディストリクト(湖水地方)といわれる風光明媚なところで、僕も一度行ったことがある。
まぁ、日本には多分あれほどの広さで、なおかつあれほどの「近代文明の手あかのほぼついてない、古代からの自然のままの景観が残された」景勝地はないだろうと思う。いま、たまたま「死」について書いたが、もし僕がもうあとわずかしかこの人生の時間が残されていないとなった時は、その時の環境さえ許せばこのレイクディストリクトをいま一度見ておきたいと思うだろう…それほどの、それほどの美しい場所である。

 彼女instagram写真(冒頭の映像では4分3秒と16分34秒あたりから)。

 

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新緑の鎌倉 2019

2019-05-07 03:15:53 | 写真

 

円覚寺

 

 

 

 

 

 鎌倉の新緑を見てきた。
ゴールデンウイーク中とあって混雑は覚悟していたが、案外それほどでもなかった。新しいカメラでの初めての鎌倉撮影だった。
円覚寺の新緑は期待通り。

 

 

 

 

 

 

円覚寺

 

 

 

 

ほとんど朽ちかけた老木からこんな新緑が!

 

 

 

 

長寿寺

 

この日は長寿寺が珍しく開門しており中に入った。
ここは足利邸のあとに尊氏の息子の基氏が寺を建てた。なかに尊氏の墓がある。
この日本史の中でもとびぬけてエキセントリックな男に思いを寄せる。
信長や秀吉のように日本史の中でそのスケールの枠を大きく突き破る人物はいるが、尊氏にはこの二人にあるような酷薄さがない。
少なくとも僕には感じられない。それに加えて、尊氏にはこの二人にはない何とも言えない人間味がある。それでいて戦の才は超一流。
しかし、この長寿寺はそんなエキセントリックな男にゆかりのある寺とは思えないほどの静謐さに包まれている。

 

 

 

 

 

 

長寿寺の庭

 

 

 

 

 

 

英勝寺

 

この日は偶然和服姿の女性がいて、さっそくモデルになっていただいた。とはいっても許可を得たわけではないが。
この寺は前にも紹介したとおり、あの太田道灌の邸宅があったところである。尊氏同様このひとも戦の名人だったが……
やはり最後があまりにも悲劇的だった。
出来すぎる男は最後は主に嫉妬され、疎まれ、畏れられ、遠ざけられるというのは古今東西よくみられる。
黒田官兵衛然り、中国史の韓信然り、彭徳懐然り、呂不韋然り、周恩来、曹操につかえていた頃の司馬懿しかり、
このなかでかろうじて殺害されずに済んだのは官兵衛と周恩来そして司馬懿だけだが(彭徳懐と呂不韋は直接手を下されたわけではないが、事実上殺されたのと同じようなものである)、それも白刃の上を素足で歩くようなきわどい、ほんとうに紙一重で命をつないだという印象である。
しかし今はこの英勝寺にしても、長寿寺にしても、そんな歴史の激流にもまれた人物にゆかりのあるところとは到底思えないほどの平和と静寂に包まれている。
 
ということで新しいカメラを使って始めて鎌倉で撮影した。前回、新しいカメラになっても古いカメラとあまり変わらない、などと書いたが、この写真を見ているとやはり何か違う、という気がする。とくに5枚目の長寿寺の庭の写真に出ている色合いのきめの細やかさ、繊細さは古いカメラでは出せなかったと思う。
とにかく天候に恵まれた本当に良い日よりでした。

 

 

 

 

 

 

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