ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が新潟市で公園カウンセリングなどを相談、研究しています

中井久夫『世に棲む患者』2011・ちくま学芸文庫-ていねいな精神科治療に学ぶ

2025年01月11日 | 精神科臨床に学ぶ

 たぶん2014年ころのブログです

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 精神科医の中井久夫さんの『世に棲む患者』(2011・ちくま学芸文庫)を再読しました。

 中井さんはじーじがもっとも尊敬と信頼をする精神科医のお一人。

 一度だけ研究会で講演をお聞きしたことがありますが、流行のパワーポイントを使わずに、黒板に板書をしてお話をされたのが、新鮮な記憶として残っています。

 本書を読むのは、単行本だった『病者と社会-中井久夫著作集第5巻』(1991・岩崎学術出版社)の時も含めると4~5回目だと思うのですが、今回も勉強になりました。

 中井さんは統合失調症の治療で有名で、また、風景構成法などでは世界的に高名な精神科医ですが、その文章はまったく偉ぶったところがなく、やさしい語り口で、しかし、その内容は深く、広く、目配りの行き届いた文章です。

 中井さんの精神科治療もおそらくは同じようにやさしくて、配慮の行き届いた治療なのだろうと想像させられます。

 今回は、統合失調症だけでなく、境界例や強迫症などにも言及をされていて、とても勉強になりました。

 特に、あらためて驚いたのは、二人の家裁調査官の先輩の研究に言及されているところ。

 一人は(名前は明記されていませんが、内容から想像をすると)以前にもご紹介をしたことのある山野保さん。

(おそらくは)山野さんの『「未練」の心理-男女の別れと日本的心性』(1987・創元社)などを中心に未練や境界性人格障害について触れています。

 そういえば、じーじが裁判所に入った時に、配属された家事事件の部屋で、山野さんを中心としたメンバーが未練や嫉妬について勉強をされていて、よくそんな話題が部屋の中で話されていたことを思い出します。

 もうお一人は佐竹洋人さん。

 佐竹さんとも一緒に仕事をさせていただいたことがありますが、佐竹さんと中井さんは佐竹・中井共編『意地の心理』(1987・創元社)というとてもいい本を出されていて、この本を読むと、未練と意地の関係について考えさせられるところが多いです。

 しかし、当時、まだまだ若造にすぎなかったじーじは、まだあまりこれらの研究のすごさが実感できない新米で、ずいぶんもったいないことをしたなと反省をしています。

 その後、仕事の中で、うらみの重要性や困難さなどを経験して、いかにこのような研究が重要であったかを、今頃になって実感しています。

 今からでも、もっともっと勉強をしていかなければなりません。           (2014?記)

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 2021年12月の追記です

 中井さんらが指摘をされた、甘え、うらみ、未練、意地、などの言葉は、その後、土居健郎さんの本などをさらに読みこむことで、じーじの臨床でも大切な言葉になっています。

 奥が深い世界なので、さらに勉強をしていこうと思います。          (2021.12 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通う。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事する。

 1995年頃、調査官でも落ちこぼれ、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間際に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区

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住民投票・沖縄・新潟-じーじのじいじ日記・セレクト

2025年01月11日 | じいじ日記を書く

 2019年1月の日記です

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 沖縄の辺野古をめぐって、住民投票が行われることになった。

 一時は実施に反対する市が出て、全県的な実施が危ぶまれたが、県議会の話し合いで、三択で実施ということになった。

 多数決だけでなく、話し合いで妥協点を見出した沖縄の人たちはそれだけでもすごい!と思った。

 今は世界的にも、多数決と力による決定が多い中で、画期的なことだと思う。

 昔から、薩摩藩や明治政府の力による支配、戦争中の日本軍による横暴、戦後のアメリカ軍による横暴と自民党政府によるアメとムチの政策などで、傷つけられてきた沖縄の人たちの、決して負けない力が編み出した知恵だと思う。

 住民投票といえば、今日の新潟のテレビでも特集をしていたが、新潟でも23年前に全国初の住民投票が行われた。

 東北電力巻原発についての巻町の住民投票。

 巻町の住民は反対多数の意思表示をし、東北電力は計画を撤回した。

 新潟市からそれほど離れていない、今は新潟市西蒲区巻。

 そこで、巻の人たちが頑張り、新潟市民も守られたと思う。

 沖縄のみなさんも、難しい選択だとは思うが、今の利益より、未来の、そして、子どもたちの幸せと安全を選択してほしいな、と思う。      (2019.1 記)

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 2024年1月の追記です

 この時の沖縄の住民投票で辺野古移設反対が多数意見だったが、政府はまったく考慮をせずに、工事を強行した。

 ひどい国だ。民主主義のかけらもない。

 その後、辺野古の軟弱地盤が発覚しても、政府は米軍に配慮してか(?)、今度は地盤工事を強行している。

 それでも12年かかるという。

 米軍からも、辺野古だけでは不十分という声も出ていて、政府はどうするのだろう。

 強行した手前、米軍があきらめるのを待っているのかもしれない(?)。

 いずれにしても、こんなひどいことをする政府には(他にも問題が多発していることだし)、この辺で交代してもらわなければならないだろう。       (2024.1 記)

 

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