ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングやメールカウンセリングなどをやっています

中井久夫『統合失調症の有為転変』2013・みすず書房-その1・ていねいな精神科臨床に学ぶ

2025年01月07日 | 中井久夫さんを読む

 2013年のブログです

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 6月~8月にかけて放送大学大学院臨床心理プログラムの病院実習で精神科病院におじゃましました。

 統合失調症の患者さんと接するなかで,いろいろなことを考え,学ばせていただきました。

 実習中は本を読む余裕がなかったのですが,実習が終わってから中井久夫さんの『精神科医がものを書くとき』(2009),『隣の病い』(2010),『世に棲む患者』(2011,いずれも,ちくま学芸文庫)などを読んで,実習中のじーじの疑問などがすでに中井さんによって丁寧に説明されていることがわかりました。

 実習前に読んでおけばよかったと後悔の毎日です。

 そんな中井さんの『統合失調症の有為転変』を読みました。

 中井さんのご本はいつもそうですが,この本も実践第一の本です。

 絵画療法など,じーじにとってもとても興味深い文章も載っています。

 中でも圧巻なのは中井さんと土居健郎さん,神田橋條治さんの鼎談です。

 何と豪華な顔合わせと思いましたが,読んでみると本当にすばらしい内容でした。

 1990年の文章ですが,今でも全く古くありません。

 雑誌『みすず』に載った文章らしいのですが,それをこれまで全く知らなかった自分が何と迂闊なことかと反省をしました。

 でも,今,読むことができて幸せでした。

 明日からまた少し元気に頑張れそうです。         (2013.11 記)

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 2022年12月の追記です

 この本については、その後、2017年に再度、ブログを、2020年にその追記を書いています(よろしかったら、読んでみてください)。

 同じような感想を繰り返してばかりですが、やはり大家の人たちの失敗を含めた正直さに感銘を受けます。

 少しでも近づけるように、さらに謙虚に学んでいきたいと思います。        (2022.12 記)

 

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敦煌・シルクロード・カナート-じーじのじいじ日記・セレクト

2025年01月07日 | じいじ日記を書く

 2019年1月の日記です

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 井上靖『敦煌』(1965・新潮文庫)を読了。

 西域を舞台とした一大歴史スペクタクル。

 一方で、恋愛小説でもある。

 不器用な恋愛だが…。

 改めて戦争で犠牲になるのは女性や子供など、弱い者である、と思う。

 その次が徴兵をされる一般男子。

 それにしても、権力者やその追従者は、本当に戦争が好きだと思う。

 ほとんど病気の世界だ。

 男の本能は闘いかもしれないが、動物でも、オスは弱いメスと子どもを守るものだ。

 人間の権力者は本能さえ壊れてしまっているかのようだ、と思う。

 松田壽男『シルク・ロード紀行』(2006・岩波現代文庫)も読了。

 東大東洋史学科卒業の学者さんの紀行文。

 シルクロードのオアシスやそこに誕生した国々についてわかりやすい説明をしてくれる。

 中学校で習ったカナート(井戸)が重要な役目を果たしていることを知り、昔の文部省もなかなかやるな、と思う。

 くだらん官僚のいる今の文科省よりはレベルが高かったのかな?

 いっぱい勉強をして疲れたので、ビールで晩酌をして、早めに就寝。        (2019.1 記)

 

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