資料おまけ
100円ガシャポン「でぃふぉるめきゃらこれ」シリーズ(1988~89年)
・当時、バンダイの SDシリーズのデザインをほぼ一手に引き受けていた横井孝二ではなく、佐藤元が描いた SDガンダムのキャラクターが塩ビ人形として立体化された非常に珍しいシリーズ(全2回)
・SDガンダムの主体だったメカ(モビルスーツ、モビルアーマーなど)ではなく、本編シリーズに登場した人物たちが SD化されている
・佐藤元のマンガのガシャポン化というよりは、同時期に製作されていたアニメ『機動戦士 SDガンダム』のガシャポン化
第1弾の黄金ラインナップ
アムロ=レイ、カミーユ=ビダン(もちろん目には星がまたたいている)、ジュドー=アーシタ、シャア=アズナブル、セイラ=マス、フラウ=ボウ、ファ=ユイリィ、ハマーン=カーン、フォウ=ムラサメ、ミネバ=ザビ、エルピー=プル(服は着ている)、リィナ=アーシタ
第2弾のいぶし銀ラインナップ
ブライト=ノア、ミライ=ヤシマ、ララァ=スン、デギン=ザビ、マチルダ=アジャン、ウッディ=マルデン(ほんとよ!)、シャア=アズナブル(クワトロ=バジーナ版)、ファ=ユイリィ(学生服)、パプテマス=シロッコ、エマリー=オンス、ベルトーチカ=イルマ、キャラ=スーン
びえええ~い、なんかカゼひいちまったよぉ~。どうもこんにちは、そうだいでございますぅ。
まあ、そんなにしんどいわけでもないので最近大流行の「インの字」ではないと思うのですが....とにかく頭がガンガンでノドがいてぇ!
また、ぐずぐず雨が降る天気もはじまっちゃったしねぇ。寒くてしょうがねぇよ~。もはやバレンタインどころではありませぬ!
じぇんじぇん関係ない話から始まるのですが、みなさんは「残留思念」というものを信じておられるであろうか....
私もそんなに詳しいわけではないんですけど、ある人がある場所で強く念じた意思が、その人本人が去ったあともその場所にとどまり続けて、そこにやってきた別の人の思念に影響を与えてしまう現象のことを言うのだとか。
こんなトンデモ理論なので科学的な立証は難しいらしいのですが、たとえば「あぁ~、コーラ飲みてぇ。」と考えている人が公園のベンチに座ってしばらく休んでから去ったあと、次にそのベンチに座った人までもが「う~ん、なんとなく飲み物がのみたいな。コーラとか。」という気になってしまうことなのだそうです。そしてさらに怪しいことに、そういった残留思念の中でも、特にこの世に強い未練を残して死んでいった人のものが、その最期の現場にとどまってしまったものこそが「幽霊」なのではないかと言われているのです....う~んデンジャラス。
幽霊の話じゃないんですけど、この前「あぁ~、残留思念ってあるのかもな。」と感じちゃう出来事を体験しましてね。
心底ど~でもいい話なんですが、牛めしで有名な松屋に行って私、「デミたまハンバーグ定食」を頼んだんですよ。
そっしたらさぁ! 私のあとに来たお客さんが3人連続で「デミたまハンバーグ定食」だったんですよ....
....ど~でもいいぃ~....
確かにどうでもいい。どうでもいいんですけど、私を含めた4人のお客さんが、ハンバーグの前に出された生サラダをもしゃもしゃと食べて、店員さんが「なんだ、この連チャン?」と思いながらジュ~ジュ~ハンバーグを焼いている店内の空気は非常にビミョ~なものがありました。そして、最初にできたハンバーグが運ばれてきた時に3人のお客さんが3人とも「あれ? オレじゃねぇの?」という視線でハンバーグを見送り、私のほうを見て「あ、あいつもデミたまなんだ....」と思っているかもしれない雰囲気のヘンな居心地の悪さね!
カレーとかだったら、においが店内に広がって注文が連続することもよくありそうな話なんですが、ハンバーグはねぇ....私の後の3人が注文した時にはハンバーグも焼けてない状態だったし。
しかも、牛めしや牛焼肉の松屋でデミたまが連続というのも不思議....ですよね。あなたのご近所の松屋では、デミたまハンバーグ定食はそんなに人気メニュー?
そしてついに考えは至ってしまいました。私が注文するために券売機の前に立った時の「デミたま食べたいな~!」という想いが残留思念となって凝り固まってしまったのではないかと。自ら体験してしまったとなっては、もはや残留思念の存在に疑念を抱く余地はありません。やっぱあるんだなぁ!
っていうか私、どんだけデミたまハンバーグが食べたかったんだよ....ひとさまにも影響を与えてしまったのかもしれないおのれのガッツキ感に少々ヘコんでしまいました。飢えたハイエナかお前は!!
さぁ、ざれごとはここまでにしておきまして、いよいよ「ミネバ=ザビ 謎の潜伏期間」についての報告です。
宇宙世紀0079。生後間もないザビ家の姫君ミネバ=ラオ=ザビは、一年戦争の敗戦によってザビ家が統治していたジオン公国が崩壊してしまったために物心もつかないうちから大宇宙を流浪する生活を余儀なくされてしまい(『機動戦士ガンダム』)、その後の宇宙世紀0087、亡命先の小惑星アクシズの美しき盟主だったハマーン=カーンが7~8歳のミネバ=ザビの摂政を名乗って新国家「ネオ・ジオン(第1次)」を樹立させることとなりました(『機動戦士 Zガンダム』)。
ところがハマーン様のネオ・ジオンは、無理な版図拡大方針がたたったことと、敵の地球連邦軍側にアホみたいに強い究極のモビルスーツ「ZZ ガンダム」があったことなどが災いして発足わずか1年後の宇宙世紀0088 に崩壊。そんな中で「ミネバ=ザビもいつの間にか替え玉にすりかわっていた。」という唖然とする事実も明らかとなってしまい、それ以降、宇宙世紀0096 を舞台とした小説『機動戦士ガンダム UC』に「謎の少女(でも比較的早く正体はバレる)オードリー=バーン」として再登板するまで、ミネバ様の行方は「ガンダム・サーガ」の正史では不明のままということになっているのです。
「正史では」という言い方をしましたが、ガンダム・サーガの世界観をもとにした外伝的な作品の中で「語られなかったミネバ様のその後」といったものが描かれたということは、マンガ作品で2つほどありました。
『機動戦士 VS 伝説巨神 逆襲のギガンティス』(作・長谷川 裕一 1990年)
『機動戦士ガンダム ムーンクライシス』(作・松浦 まさふみ 1993~94年)
『VS 伝説巨神』は、その名の通りに『ファーストガンダム』の主人公アムロや『ZZ 』の主人公ジュドーたちが搭乗するガンダムと「伝説巨神イデオン」が対決するというもんのすごい作品なのですが、失われたミネバという存在が非常にまじめに物語の根幹にかかわってくる渾身の一作となっていましたね。設定は「宇宙世紀0091 」のこととなっており、作者さんなりの『ZZ 』完結編という意味合いでも溜飲の下がるものとなっています。まぁとにかく、『ZZ 』におけるミネバ様の扱いはそれほどに不満の残るものだったということなんですな。「ニセモノでした。」ってあーた!
いっぽうで『ムーンクライシス』は「宇宙世紀0099 」のこととなっており、『UC 』よりもさらに成長した19歳のミネバ様が(やっぱり仮名を使って)登場する作品となっています。これも『UC 』と同じ「宇宙世紀0100 に予定されているジオン残存勢力の完全解体」を物語の軸においたものになっていましたね。
あともうひとつ忘れてならないのは、2005年に製作された CGアニメによる各話10分ほどの短編OVA シリーズ『ガンダム・イヴォルヴ』の『第10話 ZZガンダム』ですね。
ここでは正体こそはっきりとは明示されないのですが、『ZZ 』の世界であの名キャラクター「エルピー=プル」のクローン「プルツー」が専用機としていた名機「キュベレイ・マーク2」に搭乗した謎の亡命者「M」が登場します。お話の時間設定はおそらく『ZZ 』のすぐ後でしょう。
強化人間のプル・シリーズといい「M」といい、『UC 』の世界観をほうふつとさせる配置が小憎らしいですねぇ。ただ、あのキュベレイ・マーク2をまがりなりにもちゃんと操縦してファンネル兵器をしっかり動かしていたということは、搭乗していた人物はニュータイプかそれに準ずる強化人間だったということになるのですが....
それはともあれ、そういったあれこれを差し置いてでも私が言いたいのが、『ZZ 』~『UC 』のミネバ様におけるミッシング・リンクを埋める作品としてマンガ『爆笑戦士! SDガンダム』の存在を忘れるわけには絶対にいかない!! ということなのです。
なぬ? そんなのただのパロディマンガなんだろって? 正史たるガンダム・サーガに並べるそうだいの神経がわからないって?
いやいや、ちょっと聴いてくださいよ奥さん。この2頭身、3頭身の SDキャラばっかりしか出てこないギャグマンガには、連載当初小学生だったころから私がいだいていた非常に気になる「謎」があったのです。それはズバリ、
他のキャラクターはみんな SD化にしたがって子どもっぽくなっているのに、唯一みねばだけが逆に成長している!!
ここだったんですよ....不思議でしょ!?
画像を出せないのが申し訳ないのですが、『ファースト』ではまだ赤子だったからそれはおいておくとしまして、『Z 』と『ZZ 』でのミネバ様(と、そのそっくりさん)は丸顔の美少女で、『UC 』で16歳に成長したミネバ様も、髪の毛の色は多少栗色からブロンドに近くなっているのですが、顔の輪郭はまんまるのままです。
ところが。『爆笑戦士!』のみねばはそういったシリーズ本編よりも顔つきが明らかに年上な「おもなが」になっており背も伸びていて、物語の中の設定でも「12歳の誕生日をむかえた。」という言及があったりするのです。この年齢のミネバ様が登場している正史の物語はありませんね。
まわりのはまーんとかかみーゆといった面々はおとなしくかわいらしいキャラになっているのに、みねば様が1人だけ「ディフォルメ」の範疇を明らかに越えた「成長」をしているっていうのは、一体どうしたことなんであろうか。
ここにはもう、作者の佐藤元先生独自の解釈による「『ZZ 』以後のミネバはこうなっているのだ!」という、単なるパロディにとどまらないオリジナル展開があったとしか考えられません。
確かにそれを裏付けるかのように、『爆笑戦士!』でのみねばは、シリーズ本編でのミネバ=ザビの「自分のない操り人形」といったイメージを払拭させるかのようなオリジナリティにあふれた大活躍を見せつけてくれていました。
「ついに、みなさん待望の『爆笑戦士! SDガンダム』が、単行本になったよん! あたしたち SDガンダムキャラが、オールスター総出演で大活躍! みんな、おうえんよろしくね~!! みねば♡ 」(コミックス第1巻のカバー折り返しコメントより)
「おい、はまーん! わらわは....アイドルになりたいぞよ!」
「32番、みねば。『北海盆唄』を唄います。」
「2年B組、みねばざび。またの名をスケパン刑事。」
はまーん「(CMコンテスト会場に到着して)うむ、ここか。」
みねば「え? わーい。わたし飲む飲む。」
はまーん「それはココアでしょ。」
みねば「あー、鼻がでかくて頭にチョコがつまっているやつ。」
はまーん「それはコアラ!」
はまーん「安心してください。今回こそネオ・ジオンは勝ちます!」
みねば「えっ、なんで?」
はまーん「それは、ネオ・ジオンには....」
2人そろって自分を指さして「かーいい女の子が2人もいるからどえーす♡ 」
「人間すなおがいちばんですね。」
みねば「『逆襲のシャア』は前売り券買ったけどいけなかったしなーっ。」
ぷる「あーあ、もったいねー。」
....とまぁ、こういった調子で、最初ははまーんとぜっくんの抗争の原因となるわがままを言い出すトラブルメイカーとしての役割が多かったのですが、回を追うごとにぜっくんの卑劣漢ぶりやかみーゆのぷっつんぶり、ぷるの体を張りまくった全裸ぶりが激化するにしたがって、ボケキャラばっかりでツッコミキャラが致命的に欠乏している『爆笑戦士!』の世界でも、みねばは比較的まともに話を進めてくれる貴重なリーダー的存在になっていったのです。『爆笑戦士!』のみねばは、『UC 』に約20年もさきがけてリーダーシップ満点の娘ッコになっていたのだ!
とにかく公式、非公式とりまぜて見渡してみても、ミネバ様がこれほどまでに主体性をもってはつらつと八面六臂の大活躍を見せている作品は他には見当たりません。『UC 』によって「ミネバ=ザビ」という人物に興味を持ったという方がふたたび多く生まれたとしたのならば、そんな今だからこそ、佐藤元オリジナルのみねば様がおがめる『爆笑戦士! SDガンダム』はあらためて評価されるべき時期にあると思うんですよ、あたしゃ!!
実は今回のマイブームにあわせて、生まれて初めて「アマゾン・ショッピング」なるものに挑戦してみまして、なんと23年ぶりに『爆笑戦士!』のコミックスを買いなおして佐藤元ワールドにひたりました。
ギンギンにカッコいいライヴ衣装に身つつみ、そのシーンだけ特別のリアル等身大ルックになり、ギターをかきならしサングラスを光らせながら演歌の名曲『おやじの海』を絶唱するみねば様!!
「海はよ 海はよ でっかい 海はよ
おれを育てた おやじの 海だ」
すばらしい....数ある演歌の中でも、あえて『おやじの海』をみねば様に歌わせた佐藤元先生のセンスが光りますね。
彼女の成長を見届けることなく宇宙に散っていった父君ドズル閣下が聴いたら、草葉の陰で大号泣するのではないでしょうか。
ただし! 残念ながらこういったみねば様の大活躍が楽しめる『爆笑戦士! SDガンダム』コミックス全8巻は、2012年2月現在ではすべて絶版となってしまっており、入手手段としては中古の古本を捜し求めるしかないという状況であることが実に惜しいです!
あと、前回の資料編では佐藤元ワールドがアニメ化された『機動戦士 SDガンダム』前期作品のことにも触れたのですが、確かにアニメーターとしての経験も豊富な佐藤元先生が全面的にアニメ製作に参加している珠玉のエピソードばかりではあるものの、これらはマンガ『爆笑戦士!』のスレートなアニメ化ということではまったくないため、『爆笑戦士!』の持ち味でもあった圧倒的な「ぬるさ」と「ぐだぐだ感」はさほど受け継がれておらず、我らがみねば様もまったくもって完全なる脇役にあまんじています。まぁそれでも、池田秀一さんや永井一郎さん、そして「はまーん」こと榊原良子さんといった超超豪華声優陣のカオス競演が楽しめるアニメはアニメで最高におもしろいんですけど!! ぽっぴ~ん。
また、こっちの『機動戦士 SDガンダム』のほうも、約5年前に初回限定生産のDVD-BOX が発売されたっきりなんでねぇ。中古でさがせないこともないんでしょうけど、佐藤元先生のかかわっていない後期作品もまとめて買わなきゃいけないっていうのがナンですよねぇ。もっとバラ売りにして再発売してほしいんですけど....やってくれませんかねぇ!?
こういった感じなので、実は現在の時点ではけっこう不遇な状況にある佐藤元先生の SDガンダムワールドなんですけど、もともと小学生向けのマンガ雑誌は、タイトルもはやりすたりもめまぐるしいため掲載された全話が単行本の形になるということはほとんどないらしく、『爆笑戦士!』もやっぱり本当の最終回までコミックス化されることはなかったらしいんですね。
でも、佐藤元先生はいまや、アニメ界でも引く手あまたのデザイナーになっているわけなんでねぇ! そんな先生の若き日の「やりすぎ感」全開の『爆笑戦士!』はぜったいに復活していただきたい!! 『UC 』のミネバ様ブームになんとか乗っかれないものだろうか? はまーん、なんとかして!!
いや~、でも....読み返してみて再認識。
連載当時、『爆笑戦士!』で爆笑できる小学生はあんまりいなかったと思うよ、たぶん....
元ネタのまったくわからないパロディが多かったからなぁ....だって、読んでいる小学生は冗談抜きで『ファースト』~『ZZ 』さえも観ていない子が多かったんですからね。そこで『エルガイム』ネタ出されてもねぇ。
しかも、当時の私はバリバリ地方ド田舎の子どもだったものでねぇ。関東ローカル CMネタみたいなことやられても....
あの、みねば様が執拗に連呼していた「ウィンディでなきゃやだーっ!!」って、なんの CMでしたっけ? 車だったかな?
それに、だいたいのストーリーラインはあっても、作品は完全に「ダジャレネタ連発」でしか成り立っていませんからね。それをやるキャラが「 SDガンダム」である必要がまったくないのよ! 気持ちいいくらいに!!
でも、そこをおぎなってあまりあるのが佐藤元えがくところの SDキャラのたまんない魅力であるわけなのです。みんな実に1980年代らしいフワフワ感が満載のタッチなのですが、不思議と絵が古臭くならないんですよねぇ。
『ふたりはプリキュア』などの絵を見てもおわかりの通り、佐藤元先生ご自身のタッチはさらに進化して今はだいぶ変わってきているんですが、『爆笑戦士!』の時期のデザインはデザインでちゃんと成立しているんですよ。
今の佐藤元先生のタッチで全裸のぷるを描いていただくことは....まぁムリですね。日本もずいぶんとしっかりした国になりました。
なんの脈絡もなく「ぷるぷるぷる~っ」とおのれの名前を連呼しながら全裸で疾走する幼女が出てくるマンガって....マリーダ=クルスさんのお姉さまはこんなキツい仕事をやっておられていたのですね。ただ風呂好きだっただけなのに....
そんなこんなで、現在大好評アニメ化中の『機動戦士ガンダム UC』の「あったかもしれない過去」として楽しむことができ....るような気がしなくもないかもしれない『爆笑戦士! SDガンダム』の世界。
ど~か!! 21世紀の逼塞した現代日本だからこそ復活希望でございます~!!
ジーク、みねば! みねばざび陛下、ばんじゃ~い!!
100円ガシャポン「でぃふぉるめきゃらこれ」シリーズ(1988~89年)
・当時、バンダイの SDシリーズのデザインをほぼ一手に引き受けていた横井孝二ではなく、佐藤元が描いた SDガンダムのキャラクターが塩ビ人形として立体化された非常に珍しいシリーズ(全2回)
・SDガンダムの主体だったメカ(モビルスーツ、モビルアーマーなど)ではなく、本編シリーズに登場した人物たちが SD化されている
・佐藤元のマンガのガシャポン化というよりは、同時期に製作されていたアニメ『機動戦士 SDガンダム』のガシャポン化
第1弾の黄金ラインナップ
アムロ=レイ、カミーユ=ビダン(もちろん目には星がまたたいている)、ジュドー=アーシタ、シャア=アズナブル、セイラ=マス、フラウ=ボウ、ファ=ユイリィ、ハマーン=カーン、フォウ=ムラサメ、ミネバ=ザビ、エルピー=プル(服は着ている)、リィナ=アーシタ
第2弾のいぶし銀ラインナップ
ブライト=ノア、ミライ=ヤシマ、ララァ=スン、デギン=ザビ、マチルダ=アジャン、ウッディ=マルデン(ほんとよ!)、シャア=アズナブル(クワトロ=バジーナ版)、ファ=ユイリィ(学生服)、パプテマス=シロッコ、エマリー=オンス、ベルトーチカ=イルマ、キャラ=スーン
びえええ~い、なんかカゼひいちまったよぉ~。どうもこんにちは、そうだいでございますぅ。
まあ、そんなにしんどいわけでもないので最近大流行の「インの字」ではないと思うのですが....とにかく頭がガンガンでノドがいてぇ!
また、ぐずぐず雨が降る天気もはじまっちゃったしねぇ。寒くてしょうがねぇよ~。もはやバレンタインどころではありませぬ!
じぇんじぇん関係ない話から始まるのですが、みなさんは「残留思念」というものを信じておられるであろうか....
私もそんなに詳しいわけではないんですけど、ある人がある場所で強く念じた意思が、その人本人が去ったあともその場所にとどまり続けて、そこにやってきた別の人の思念に影響を与えてしまう現象のことを言うのだとか。
こんなトンデモ理論なので科学的な立証は難しいらしいのですが、たとえば「あぁ~、コーラ飲みてぇ。」と考えている人が公園のベンチに座ってしばらく休んでから去ったあと、次にそのベンチに座った人までもが「う~ん、なんとなく飲み物がのみたいな。コーラとか。」という気になってしまうことなのだそうです。そしてさらに怪しいことに、そういった残留思念の中でも、特にこの世に強い未練を残して死んでいった人のものが、その最期の現場にとどまってしまったものこそが「幽霊」なのではないかと言われているのです....う~んデンジャラス。
幽霊の話じゃないんですけど、この前「あぁ~、残留思念ってあるのかもな。」と感じちゃう出来事を体験しましてね。
心底ど~でもいい話なんですが、牛めしで有名な松屋に行って私、「デミたまハンバーグ定食」を頼んだんですよ。
そっしたらさぁ! 私のあとに来たお客さんが3人連続で「デミたまハンバーグ定食」だったんですよ....
....ど~でもいいぃ~....
確かにどうでもいい。どうでもいいんですけど、私を含めた4人のお客さんが、ハンバーグの前に出された生サラダをもしゃもしゃと食べて、店員さんが「なんだ、この連チャン?」と思いながらジュ~ジュ~ハンバーグを焼いている店内の空気は非常にビミョ~なものがありました。そして、最初にできたハンバーグが運ばれてきた時に3人のお客さんが3人とも「あれ? オレじゃねぇの?」という視線でハンバーグを見送り、私のほうを見て「あ、あいつもデミたまなんだ....」と思っているかもしれない雰囲気のヘンな居心地の悪さね!
カレーとかだったら、においが店内に広がって注文が連続することもよくありそうな話なんですが、ハンバーグはねぇ....私の後の3人が注文した時にはハンバーグも焼けてない状態だったし。
しかも、牛めしや牛焼肉の松屋でデミたまが連続というのも不思議....ですよね。あなたのご近所の松屋では、デミたまハンバーグ定食はそんなに人気メニュー?
そしてついに考えは至ってしまいました。私が注文するために券売機の前に立った時の「デミたま食べたいな~!」という想いが残留思念となって凝り固まってしまったのではないかと。自ら体験してしまったとなっては、もはや残留思念の存在に疑念を抱く余地はありません。やっぱあるんだなぁ!
っていうか私、どんだけデミたまハンバーグが食べたかったんだよ....ひとさまにも影響を与えてしまったのかもしれないおのれのガッツキ感に少々ヘコんでしまいました。飢えたハイエナかお前は!!
さぁ、ざれごとはここまでにしておきまして、いよいよ「ミネバ=ザビ 謎の潜伏期間」についての報告です。
宇宙世紀0079。生後間もないザビ家の姫君ミネバ=ラオ=ザビは、一年戦争の敗戦によってザビ家が統治していたジオン公国が崩壊してしまったために物心もつかないうちから大宇宙を流浪する生活を余儀なくされてしまい(『機動戦士ガンダム』)、その後の宇宙世紀0087、亡命先の小惑星アクシズの美しき盟主だったハマーン=カーンが7~8歳のミネバ=ザビの摂政を名乗って新国家「ネオ・ジオン(第1次)」を樹立させることとなりました(『機動戦士 Zガンダム』)。
ところがハマーン様のネオ・ジオンは、無理な版図拡大方針がたたったことと、敵の地球連邦軍側にアホみたいに強い究極のモビルスーツ「ZZ ガンダム」があったことなどが災いして発足わずか1年後の宇宙世紀0088 に崩壊。そんな中で「ミネバ=ザビもいつの間にか替え玉にすりかわっていた。」という唖然とする事実も明らかとなってしまい、それ以降、宇宙世紀0096 を舞台とした小説『機動戦士ガンダム UC』に「謎の少女(でも比較的早く正体はバレる)オードリー=バーン」として再登板するまで、ミネバ様の行方は「ガンダム・サーガ」の正史では不明のままということになっているのです。
「正史では」という言い方をしましたが、ガンダム・サーガの世界観をもとにした外伝的な作品の中で「語られなかったミネバ様のその後」といったものが描かれたということは、マンガ作品で2つほどありました。
『機動戦士 VS 伝説巨神 逆襲のギガンティス』(作・長谷川 裕一 1990年)
『機動戦士ガンダム ムーンクライシス』(作・松浦 まさふみ 1993~94年)
『VS 伝説巨神』は、その名の通りに『ファーストガンダム』の主人公アムロや『ZZ 』の主人公ジュドーたちが搭乗するガンダムと「伝説巨神イデオン」が対決するというもんのすごい作品なのですが、失われたミネバという存在が非常にまじめに物語の根幹にかかわってくる渾身の一作となっていましたね。設定は「宇宙世紀0091 」のこととなっており、作者さんなりの『ZZ 』完結編という意味合いでも溜飲の下がるものとなっています。まぁとにかく、『ZZ 』におけるミネバ様の扱いはそれほどに不満の残るものだったということなんですな。「ニセモノでした。」ってあーた!
いっぽうで『ムーンクライシス』は「宇宙世紀0099 」のこととなっており、『UC 』よりもさらに成長した19歳のミネバ様が(やっぱり仮名を使って)登場する作品となっています。これも『UC 』と同じ「宇宙世紀0100 に予定されているジオン残存勢力の完全解体」を物語の軸においたものになっていましたね。
あともうひとつ忘れてならないのは、2005年に製作された CGアニメによる各話10分ほどの短編OVA シリーズ『ガンダム・イヴォルヴ』の『第10話 ZZガンダム』ですね。
ここでは正体こそはっきりとは明示されないのですが、『ZZ 』の世界であの名キャラクター「エルピー=プル」のクローン「プルツー」が専用機としていた名機「キュベレイ・マーク2」に搭乗した謎の亡命者「M」が登場します。お話の時間設定はおそらく『ZZ 』のすぐ後でしょう。
強化人間のプル・シリーズといい「M」といい、『UC 』の世界観をほうふつとさせる配置が小憎らしいですねぇ。ただ、あのキュベレイ・マーク2をまがりなりにもちゃんと操縦してファンネル兵器をしっかり動かしていたということは、搭乗していた人物はニュータイプかそれに準ずる強化人間だったということになるのですが....
それはともあれ、そういったあれこれを差し置いてでも私が言いたいのが、『ZZ 』~『UC 』のミネバ様におけるミッシング・リンクを埋める作品としてマンガ『爆笑戦士! SDガンダム』の存在を忘れるわけには絶対にいかない!! ということなのです。
なぬ? そんなのただのパロディマンガなんだろって? 正史たるガンダム・サーガに並べるそうだいの神経がわからないって?
いやいや、ちょっと聴いてくださいよ奥さん。この2頭身、3頭身の SDキャラばっかりしか出てこないギャグマンガには、連載当初小学生だったころから私がいだいていた非常に気になる「謎」があったのです。それはズバリ、
他のキャラクターはみんな SD化にしたがって子どもっぽくなっているのに、唯一みねばだけが逆に成長している!!
ここだったんですよ....不思議でしょ!?
画像を出せないのが申し訳ないのですが、『ファースト』ではまだ赤子だったからそれはおいておくとしまして、『Z 』と『ZZ 』でのミネバ様(と、そのそっくりさん)は丸顔の美少女で、『UC 』で16歳に成長したミネバ様も、髪の毛の色は多少栗色からブロンドに近くなっているのですが、顔の輪郭はまんまるのままです。
ところが。『爆笑戦士!』のみねばはそういったシリーズ本編よりも顔つきが明らかに年上な「おもなが」になっており背も伸びていて、物語の中の設定でも「12歳の誕生日をむかえた。」という言及があったりするのです。この年齢のミネバ様が登場している正史の物語はありませんね。
まわりのはまーんとかかみーゆといった面々はおとなしくかわいらしいキャラになっているのに、みねば様が1人だけ「ディフォルメ」の範疇を明らかに越えた「成長」をしているっていうのは、一体どうしたことなんであろうか。
ここにはもう、作者の佐藤元先生独自の解釈による「『ZZ 』以後のミネバはこうなっているのだ!」という、単なるパロディにとどまらないオリジナル展開があったとしか考えられません。
確かにそれを裏付けるかのように、『爆笑戦士!』でのみねばは、シリーズ本編でのミネバ=ザビの「自分のない操り人形」といったイメージを払拭させるかのようなオリジナリティにあふれた大活躍を見せつけてくれていました。
「ついに、みなさん待望の『爆笑戦士! SDガンダム』が、単行本になったよん! あたしたち SDガンダムキャラが、オールスター総出演で大活躍! みんな、おうえんよろしくね~!! みねば♡ 」(コミックス第1巻のカバー折り返しコメントより)
「おい、はまーん! わらわは....アイドルになりたいぞよ!」
「32番、みねば。『北海盆唄』を唄います。」
「2年B組、みねばざび。またの名をスケパン刑事。」
はまーん「(CMコンテスト会場に到着して)うむ、ここか。」
みねば「え? わーい。わたし飲む飲む。」
はまーん「それはココアでしょ。」
みねば「あー、鼻がでかくて頭にチョコがつまっているやつ。」
はまーん「それはコアラ!」
はまーん「安心してください。今回こそネオ・ジオンは勝ちます!」
みねば「えっ、なんで?」
はまーん「それは、ネオ・ジオンには....」
2人そろって自分を指さして「かーいい女の子が2人もいるからどえーす♡ 」
「人間すなおがいちばんですね。」
みねば「『逆襲のシャア』は前売り券買ったけどいけなかったしなーっ。」
ぷる「あーあ、もったいねー。」
....とまぁ、こういった調子で、最初ははまーんとぜっくんの抗争の原因となるわがままを言い出すトラブルメイカーとしての役割が多かったのですが、回を追うごとにぜっくんの卑劣漢ぶりやかみーゆのぷっつんぶり、ぷるの体を張りまくった全裸ぶりが激化するにしたがって、ボケキャラばっかりでツッコミキャラが致命的に欠乏している『爆笑戦士!』の世界でも、みねばは比較的まともに話を進めてくれる貴重なリーダー的存在になっていったのです。『爆笑戦士!』のみねばは、『UC 』に約20年もさきがけてリーダーシップ満点の娘ッコになっていたのだ!
とにかく公式、非公式とりまぜて見渡してみても、ミネバ様がこれほどまでに主体性をもってはつらつと八面六臂の大活躍を見せている作品は他には見当たりません。『UC 』によって「ミネバ=ザビ」という人物に興味を持ったという方がふたたび多く生まれたとしたのならば、そんな今だからこそ、佐藤元オリジナルのみねば様がおがめる『爆笑戦士! SDガンダム』はあらためて評価されるべき時期にあると思うんですよ、あたしゃ!!
実は今回のマイブームにあわせて、生まれて初めて「アマゾン・ショッピング」なるものに挑戦してみまして、なんと23年ぶりに『爆笑戦士!』のコミックスを買いなおして佐藤元ワールドにひたりました。
ギンギンにカッコいいライヴ衣装に身つつみ、そのシーンだけ特別のリアル等身大ルックになり、ギターをかきならしサングラスを光らせながら演歌の名曲『おやじの海』を絶唱するみねば様!!
「海はよ 海はよ でっかい 海はよ
おれを育てた おやじの 海だ」
すばらしい....数ある演歌の中でも、あえて『おやじの海』をみねば様に歌わせた佐藤元先生のセンスが光りますね。
彼女の成長を見届けることなく宇宙に散っていった父君ドズル閣下が聴いたら、草葉の陰で大号泣するのではないでしょうか。
ただし! 残念ながらこういったみねば様の大活躍が楽しめる『爆笑戦士! SDガンダム』コミックス全8巻は、2012年2月現在ではすべて絶版となってしまっており、入手手段としては中古の古本を捜し求めるしかないという状況であることが実に惜しいです!
あと、前回の資料編では佐藤元ワールドがアニメ化された『機動戦士 SDガンダム』前期作品のことにも触れたのですが、確かにアニメーターとしての経験も豊富な佐藤元先生が全面的にアニメ製作に参加している珠玉のエピソードばかりではあるものの、これらはマンガ『爆笑戦士!』のスレートなアニメ化ということではまったくないため、『爆笑戦士!』の持ち味でもあった圧倒的な「ぬるさ」と「ぐだぐだ感」はさほど受け継がれておらず、我らがみねば様もまったくもって完全なる脇役にあまんじています。まぁそれでも、池田秀一さんや永井一郎さん、そして「はまーん」こと榊原良子さんといった超超豪華声優陣のカオス競演が楽しめるアニメはアニメで最高におもしろいんですけど!! ぽっぴ~ん。
また、こっちの『機動戦士 SDガンダム』のほうも、約5年前に初回限定生産のDVD-BOX が発売されたっきりなんでねぇ。中古でさがせないこともないんでしょうけど、佐藤元先生のかかわっていない後期作品もまとめて買わなきゃいけないっていうのがナンですよねぇ。もっとバラ売りにして再発売してほしいんですけど....やってくれませんかねぇ!?
こういった感じなので、実は現在の時点ではけっこう不遇な状況にある佐藤元先生の SDガンダムワールドなんですけど、もともと小学生向けのマンガ雑誌は、タイトルもはやりすたりもめまぐるしいため掲載された全話が単行本の形になるということはほとんどないらしく、『爆笑戦士!』もやっぱり本当の最終回までコミックス化されることはなかったらしいんですね。
でも、佐藤元先生はいまや、アニメ界でも引く手あまたのデザイナーになっているわけなんでねぇ! そんな先生の若き日の「やりすぎ感」全開の『爆笑戦士!』はぜったいに復活していただきたい!! 『UC 』のミネバ様ブームになんとか乗っかれないものだろうか? はまーん、なんとかして!!
いや~、でも....読み返してみて再認識。
連載当時、『爆笑戦士!』で爆笑できる小学生はあんまりいなかったと思うよ、たぶん....
元ネタのまったくわからないパロディが多かったからなぁ....だって、読んでいる小学生は冗談抜きで『ファースト』~『ZZ 』さえも観ていない子が多かったんですからね。そこで『エルガイム』ネタ出されてもねぇ。
しかも、当時の私はバリバリ地方ド田舎の子どもだったものでねぇ。関東ローカル CMネタみたいなことやられても....
あの、みねば様が執拗に連呼していた「ウィンディでなきゃやだーっ!!」って、なんの CMでしたっけ? 車だったかな?
それに、だいたいのストーリーラインはあっても、作品は完全に「ダジャレネタ連発」でしか成り立っていませんからね。それをやるキャラが「 SDガンダム」である必要がまったくないのよ! 気持ちいいくらいに!!
でも、そこをおぎなってあまりあるのが佐藤元えがくところの SDキャラのたまんない魅力であるわけなのです。みんな実に1980年代らしいフワフワ感が満載のタッチなのですが、不思議と絵が古臭くならないんですよねぇ。
『ふたりはプリキュア』などの絵を見てもおわかりの通り、佐藤元先生ご自身のタッチはさらに進化して今はだいぶ変わってきているんですが、『爆笑戦士!』の時期のデザインはデザインでちゃんと成立しているんですよ。
今の佐藤元先生のタッチで全裸のぷるを描いていただくことは....まぁムリですね。日本もずいぶんとしっかりした国になりました。
なんの脈絡もなく「ぷるぷるぷる~っ」とおのれの名前を連呼しながら全裸で疾走する幼女が出てくるマンガって....マリーダ=クルスさんのお姉さまはこんなキツい仕事をやっておられていたのですね。ただ風呂好きだっただけなのに....
そんなこんなで、現在大好評アニメ化中の『機動戦士ガンダム UC』の「あったかもしれない過去」として楽しむことができ....るような気がしなくもないかもしれない『爆笑戦士! SDガンダム』の世界。
ど~か!! 21世紀の逼塞した現代日本だからこそ復活希望でございます~!!
ジーク、みねば! みねばざび陛下、ばんじゃ~い!!