仮タイトル 『洛炎戦国記(らくえんせんごくき)』
・コンセプト …… 戦国時代の歴史を、荒廃した中でもしたたかに生き抜いた京の都に視点を置いてつづる「ありそでなかった戦国ドラマ」
・キャッチコピー …… 「『天下』におどらされた男たち、百年の物語」
・本音 …… 「おまえらエセ時代小説家ども、いいかげんに三好家の偉大さも評価しやがれ!!」
・原作 …… 今谷 明 『戦国三好一族 天下に号令した戦国大名』(1985年 洋泉社)
・舞台となる時代 …… 永正四(1507)年六月 ~ 寛永八(1631)年十二月 (永正の錯乱から大坂夏の陣終結後の江戸時代初期まで)
・主人公 …… 大きく四部構成とし、主人公は四名
第一部「都をめぐる人々」 主人公 …… 細川 高国 ウラ主人公 …… 細川 晴元
第二部「戦国の世」 主人公 …… 三好 長慶 ウラ主人公 …… 松永 久秀
第三部「ああ栄光の室町幕府」 主人公 …… 足利 義昭 ウラ主人公 …… 細川 藤孝(幽斎)
第四部「太平の世」 主人公 …… 三好 政勝 ウラ主人公 …… 内藤(松永)如庵
第1回(第一部初回)『半将軍暗殺』
おもなトピック …… 永正の錯乱、細川澄之(すみゆき)室町幕府第15代管領を名乗る ※永正四(1507)年六~七月
おもな登場人物
香西 元長(こうざい もとなが 30歳)…… 室町幕府管領・細川政元(まさもと)の元養子・細川澄之派の細川家重臣
三好 之長(みよし ゆきなが 50歳) …… 管領・細川政元の現養子・細川澄元(すみもと)の執事。三好長慶の曽祖父に当たる
細川 澄之(19歳) …… 管領・細川政元の元養子。細川政元独裁体制の崩壊をもくろむ香西元長に利用される
細川 政元(42歳) …… 室町幕府第14代管領。異称「半将軍」。室町幕府の復権に燃えるが、度を越した魔法好きが高じて政権の崩壊を招く
第2回『天下人の資格』
おもなトピック …… 管領・細川澄之自害、細川澄元(すみもと)室町幕府第16代管領に就任 ※永正四(1507)年八月
おもな登場人物
細川 澄元(19歳) …… 管領・細川政元の現養子。義父を暗殺した香西元長・細川澄之一派への復讐に燃える
三好 喜雲(きうん) …… 細川澄元の執事・之長。出家して喜雲を名乗る
細川 高国(たかくに 24歳)…… 管領・細川政元の第2養子。義兄・澄元よりも年上だが澄元の重臣として活躍する
細川 澄之 …… 現管領。永正の錯乱に乗じて政権のトップに立つが、実質1ヶ月間の天下で澄元軍に撃破される
第3回『よみがえる征夷大将軍』
おもなトピック …… 前将軍・足利義尹(よしただ)の上洛、室町幕府征夷大将軍復位 ※永正四(1507)年十二月~永正五(1508)年七月
おもな登場人物
足利 義尹(42歳) …… 室町幕府の前将軍。将軍位を剥奪されて亡命していたが、西国大名・大内義興の威を借りて復権をもくろむ
大内 義興(よしおき 31歳)…… 中国地方・北九州を手中におさめる大大名。国際貿易の莫大な利権を背景に天下人の野望に燃える
細川 高国 …… 管領・細川澄元の重臣。幕府内での影響を強めるが、大内家との前面衝突を避けて一時撤退を進言する
細川 澄元 …… 現管領。上洛する足利義尹・大内軍の脅威におびえる
第4回『運命の子』
おもなトピック …… 前将軍・足利義澄(よしずみ)の長男・亀王丸誕生、細川澄元阿波国に入国 ※永正六(1509)年六月
おもな登場人物
足利 義澄(30歳) …… 室町幕府の前将軍。義尹に政権を追われ、誕生した長男・亀王丸(のちの足利義賢~義維)を義尹の養子に差し出して近江国に亡命する
細川 高国 …… 細川澄元の大使として大内家と交渉するが、いちはやく足利義尹に寝返り澄元を排撃。義尹のもとで室町幕府第17代管領に就任する
細川澄元・三好喜雲 …… 足利義尹と大内軍に決戦をいどむが敗北し、三好喜雲の領国である阿波国に入国して虎視眈々と捲土重来をはかる
第5回『都の夢』
おもなトピック …… 前将軍・足利義澄の次男・亀王丸(兄の亀王丸とは別人)誕生、足利義澄死去 ※永正八(1511)年三~八月
おもな登場人物
足利 義澄(32歳)…… 誕生した次男に足利将軍家当主の希望を託しつつ、亡命先の近江国蒲生(がもう)の里で病死する
足利 義尹(46歳)…… 現将軍。管領・細川高国と大内義興の軍勢に擁されて政権を維持するが、前将軍・義澄のはなつ暗殺手に悩まされる
細川 高国(28歳)…… 現管領。足利義尹を擁して政権を維持するが、各地での足利義澄・細川澄元派の根強い抵抗に悩まされる
細川 澄元(23歳)…… 前管領。前将軍・足利義澄を擁して執事・三好喜雲とともに足利義尹政権を追い詰めるが、土壇場での義澄の急死により撤退する
第6回『風雲ふたたび』
おもなトピック …… 将軍・足利義尹「義稙(よしたね)」に改名し政権運営に意欲、細川澄元ひきいる三好軍摂津国に上陸 ※永正十(1513)年三月~永正十六(1519)年十一月
おもな登場人物
足利 義稙(旧名・義尹)…… 畿内地方を制し室町幕府復権に燃えるが、強大化する管領・細川高国の存在をうとましく感じる
細川 高国 …… 足利義稙のパトロンだった大内義興の撤退によって独裁体制の樹立をもくろむが、前管領・細川澄元の再挙兵をまねく
大内 義興 …… 足利義稙をあやつり室町幕府の掌握を目指すが、管領・高国と結託した中国地方の有力大名・尼子経久(あまご つねひさ)の策動により領国への撤退を余儀なくされる
細川 澄元 …… 大内義興の撤退を好機ととらえ、ふたたび執事・三好喜雲とともに挙兵し摂津国に侵攻する
第7回『三好家の失墜』
おもなトピック …… 公家・山科言継の元服、細川澄元の死去 ※永正十七(1520)年正~六月
おもな登場人物
三好 喜雲(63歳) …… 主君の細川澄元とともに政権を奪回するが、細川高国の率いる5万の大軍に等持院合戦で敗れ、三好家の後事を孫の三好元長に託しつつも捕らえられ処刑される
細川 澄元(32歳) …… 三好喜雲の軍勢により政権を奪回するが、細川高国の再上洛に敗れ阿波国に亡命、そのまま病死する
細川 高国(37歳) …… 細川澄元の上洛を避けて一時京を放棄するが、5万の大軍を率いて三好軍を撃破し政権に返り咲く
山科 言継(やましな ときつぐ 14歳)…… 京の公家の跡取りとして元服する。決して地位の高い公卿ではなかったが、その豊富な薬学知識と有職故実、全国を駆け巡る超人的フットワーク、そして時の帝から戦国大名、庶民までという人的ネットワークの幅広さから、戦国の世をのちに伝える貴重な時代の証人となる
第8回『都合のいい将軍』
おもなトピック …… 将軍・足利義稙の和泉国亡命、足利義晴の室町幕府第12代征夷大将軍就任 ※永正十八・大永元(1521)年三~十二月
おもな登場人物
足利 義稙 …… 権力を取り戻した管領・細川高国との対立が決定的なものとなり、和泉国をへて阿波国に亡命し再起を図るが、兵力がととのわないまま沼島に潜伏する
細川 高国 …… 対立する将軍・足利義稙を追放し、前将軍・足利義澄の次男・義晴を擁立して自身の独裁体制を強化する
足利 義晴(11歳) …… 管領・細川高国に擁立されて第12代将軍に就任するが、幼少のため実質的な政務は高国に一任する
足利 義賢(よしかた 13歳)…… 前将軍・足利義澄の長男で次期将軍にもっとも近い存在であるはずだったが、将軍・足利義稙の養子になっていたために義稙とともに京を去って将軍就任のチャンスをのがす
第9回『父と子』
おもなトピック …… 三好元長の嫡男・千熊丸(せんくままる のちの長慶)誕生、管領・細川高国の嫡男・稙国(たねくに)急死 ※大永二(1522)年二月~大永五(1525)年十月
おもな登場人物
細川 高国(出家して道永 40歳)…… 前将軍・足利義稙の死去を受けて管領職を嫡男・稙国に譲り出家するが、稙国の急死のために再び政務を執る
足利 義稙(58歳) …… 権力の奪取をはかり数度にわたって管領・細川高国を攻めるが敗戦が重なり、失意のうちに阿波国撫養(むや)で死没する
三好 元長(22歳) …… 亡き祖父・三好喜雲の遺志を継いで阿波国を治めながら前管領・細川澄元の遺児・六郎(のちの細川晴元)を守るが、前将軍・足利義稙の亡命をうけて京の幕府権力への野心を燃やす
細川 稙国(18歳) …… 父・高国の隠居を受けて室町幕府第18代管領に就任するが、着任後わずか半年で謎の急死をとげる。
第10回『戦雲を継ぐ者』
おもなトピック …… 管領・細川道永による武将・香西元盛の誅殺、細川晴元挙兵 ※大永六(1526)年七~十月
おもな登場人物
細川 尹賢(ただかた 38歳) …… 管領・細川道永の従弟。道永政権内での有力武将・波多野三兄弟の影響力拡大を危惧して策謀をめぐらせるが、それがかえって道永政権崩壊の引き金となってしまう
波多野 稙通(たねみち 31歳)…… 道永政権の軍事面を支える丹波国の有力武将だったが、細川尹賢の陰謀によって末弟・香西元盛が誅殺されてしまったため、次弟の柳本賢治(かたはる)とともに道永政権に反旗を翻す
細川 六郎(13歳) …… 父・細川澄元の死去後当主となり阿波国に潜伏していたが、京の道永政権の内紛をみて執事・三好元長とともに初挙兵する ※細川六郎は父の死後すぐに七歳で元服して「晴元(はるもと)」という本名を持っていたが、対立する京の道永政権の象徴である将軍・足利義晴から形式上拝領した名前であったため、この当時は「六郎」の名を常用している
三好 政長(まさなが 19歳) …… 三好家当主である三好元長の大叔父にあたる分家筋の武将だったが、細川六郎・三好軍の先鋒として阿波国から本州の和泉国に上陸し、道永軍と交戦する
第11回『元長上陸』
おもなトピック …… 波多野稙通の上洛、足利義賢元服(義維改名) ※大永七(1527)年二~七月
おもな登場人物
波多野 稙通 …… 領国の丹波国から京に進撃し、細川六郎の先鋒である三好政長軍と合流して二月の桂川原(かつらがわら)合戦で道永軍を撃破したのちに京を実効支配する
細川 道永 …… 北からの波多野軍と西からの三好軍の侵攻に耐え切れず、桂川原合戦の大敗後は将軍・足利義晴を奉じて東の近江国坂本に亡命する
三好 元長(27歳)…… 桂川原合戦大勝の報を受け、細川六郎と足利義賢を擁して和泉国堺に上陸し、将軍不在の京にかわる新政権「堺幕府」の樹立を目指す
足利 義賢(19歳)…… 和泉国堺にいながらにして京の朝廷から「次期将軍」の確約を受け、七月に元服して「義維(よしつな)」に改名する
第12回『都の混乱』
おもなトピック …… 三好元長と細川道永の京争奪戦 ※大永七(1527)年九~十二月
おもな登場人物
三好 元長 …… 足利義維・細川六郎政権の樹立のために奔走し、いったんは道永の上洛を許すものの、執拗な猛攻を京の道永政権に繰り返す
細川 道永 …… 将軍・足利義晴を奉じて挙兵し、近江国の六角家と越前国の朝倉家の援軍をうけて上洛を果たすが、堺幕府軍の度重なる侵攻に次第に苦境に立たされる
柳本賢治(かたはる 26歳) …… 波多野稙通の弟。堺幕府軍の有力武将として京を攻撃するが、堺幕府の主導権を握る三好元長に不満を持つようになる
朝倉 教景(のりかげ 51歳)…… 越前国の守護大名・朝倉家の重臣。細川道永の要請を受けて軍を率いて上洛に加勢するが、次第に道永政権を見限り協力に消極的になる ※教景は翌年の京撤退後に第一線を引退し、出家して「宗滴(そうてき)」と名乗る
第13回『元長天下』
おもなトピック …… 三好元長の畿内地方制圧 ※大永八・享禄元(1528)年正~七月
おもな登場人物
三好 元長(28歳)…… 内部分裂を起こした道永政権を京から駆逐してついに畿内地方を制圧し、山城国守護代に就任して堺幕府の中枢をになう
細川 六郎(15歳)…… 堺幕府の形式上の盟主となっていたが実質的な権力を握る三好元長に不信感をいだき、重臣・柳本賢治の讒言(ざんげん)を聞き入れて元長をうとましく感じるようになる
柳本 賢治(27歳)…… 権力の増大した三好元長を堺幕府から追放するべく、主君・細川六郎に陰謀を持ちかける
足利 義晴(18歳)…… 三好元長の圧力によって京を退去した際についに道永を見限り、亡命する道永とたもとを分かって近江国朽木谷(現在の滋賀県高島市)の幕府重臣・朽木稙綱(くつき たねつな 31歳)のもと、興聖寺(こうしょうじ)を御所として潜伏する
《第一部の進行についての補足》
以上のように、おおむね畿内地方の動静についての描写を物語の本筋とするが、その過程で各所にインタールードとして、京の西岡(現在の京都市西京区)の出身者である少年「かがち」(のちの松永久秀 1510年生まれ)と、同じ西岡出身の武士・西村新左衛門尉(しんざえもんのじょう 美濃国守護土岐家の重臣・長井家の家臣)を父にもつ西村左近大夫正利(さこんのだいぶ まさとし のちの斎藤道三 1494年生まれ)との、交流と成長の物語を挿入する。
戦災孤児だった久秀は、商人の小間使いや寺の小姓などの経験を通じて京の世情に通じる知識と栄達の野望を身につけていき、西村左近大夫正利も、単なる地方武士の家柄に甘んじることに不満をおぼえ、美濃国守護の土岐頼武(よりたけ)と頼芸(よりあき)の兄弟抗争に暗躍して影響力を強めていくこととなる。左近大夫正利の父・新左衛門尉はそんな息子の野心の行く末に不安をおぼえながらも死没する。
一体いつまで続くんだ、このメモは!?
雄大なる一大叙事詩(のメモ)、以下次号!!
何年か前にひかえといたメモをうつすだけだから、こりゃあラクチンだわ……って、字数がハンパなく膨大だよ、これ!?
・コンセプト …… 戦国時代の歴史を、荒廃した中でもしたたかに生き抜いた京の都に視点を置いてつづる「ありそでなかった戦国ドラマ」
・キャッチコピー …… 「『天下』におどらされた男たち、百年の物語」
・本音 …… 「おまえらエセ時代小説家ども、いいかげんに三好家の偉大さも評価しやがれ!!」
・原作 …… 今谷 明 『戦国三好一族 天下に号令した戦国大名』(1985年 洋泉社)
・舞台となる時代 …… 永正四(1507)年六月 ~ 寛永八(1631)年十二月 (永正の錯乱から大坂夏の陣終結後の江戸時代初期まで)
・主人公 …… 大きく四部構成とし、主人公は四名
第一部「都をめぐる人々」 主人公 …… 細川 高国 ウラ主人公 …… 細川 晴元
第二部「戦国の世」 主人公 …… 三好 長慶 ウラ主人公 …… 松永 久秀
第三部「ああ栄光の室町幕府」 主人公 …… 足利 義昭 ウラ主人公 …… 細川 藤孝(幽斎)
第四部「太平の世」 主人公 …… 三好 政勝 ウラ主人公 …… 内藤(松永)如庵
第1回(第一部初回)『半将軍暗殺』
おもなトピック …… 永正の錯乱、細川澄之(すみゆき)室町幕府第15代管領を名乗る ※永正四(1507)年六~七月
おもな登場人物
香西 元長(こうざい もとなが 30歳)…… 室町幕府管領・細川政元(まさもと)の元養子・細川澄之派の細川家重臣
三好 之長(みよし ゆきなが 50歳) …… 管領・細川政元の現養子・細川澄元(すみもと)の執事。三好長慶の曽祖父に当たる
細川 澄之(19歳) …… 管領・細川政元の元養子。細川政元独裁体制の崩壊をもくろむ香西元長に利用される
細川 政元(42歳) …… 室町幕府第14代管領。異称「半将軍」。室町幕府の復権に燃えるが、度を越した魔法好きが高じて政権の崩壊を招く
第2回『天下人の資格』
おもなトピック …… 管領・細川澄之自害、細川澄元(すみもと)室町幕府第16代管領に就任 ※永正四(1507)年八月
おもな登場人物
細川 澄元(19歳) …… 管領・細川政元の現養子。義父を暗殺した香西元長・細川澄之一派への復讐に燃える
三好 喜雲(きうん) …… 細川澄元の執事・之長。出家して喜雲を名乗る
細川 高国(たかくに 24歳)…… 管領・細川政元の第2養子。義兄・澄元よりも年上だが澄元の重臣として活躍する
細川 澄之 …… 現管領。永正の錯乱に乗じて政権のトップに立つが、実質1ヶ月間の天下で澄元軍に撃破される
第3回『よみがえる征夷大将軍』
おもなトピック …… 前将軍・足利義尹(よしただ)の上洛、室町幕府征夷大将軍復位 ※永正四(1507)年十二月~永正五(1508)年七月
おもな登場人物
足利 義尹(42歳) …… 室町幕府の前将軍。将軍位を剥奪されて亡命していたが、西国大名・大内義興の威を借りて復権をもくろむ
大内 義興(よしおき 31歳)…… 中国地方・北九州を手中におさめる大大名。国際貿易の莫大な利権を背景に天下人の野望に燃える
細川 高国 …… 管領・細川澄元の重臣。幕府内での影響を強めるが、大内家との前面衝突を避けて一時撤退を進言する
細川 澄元 …… 現管領。上洛する足利義尹・大内軍の脅威におびえる
第4回『運命の子』
おもなトピック …… 前将軍・足利義澄(よしずみ)の長男・亀王丸誕生、細川澄元阿波国に入国 ※永正六(1509)年六月
おもな登場人物
足利 義澄(30歳) …… 室町幕府の前将軍。義尹に政権を追われ、誕生した長男・亀王丸(のちの足利義賢~義維)を義尹の養子に差し出して近江国に亡命する
細川 高国 …… 細川澄元の大使として大内家と交渉するが、いちはやく足利義尹に寝返り澄元を排撃。義尹のもとで室町幕府第17代管領に就任する
細川澄元・三好喜雲 …… 足利義尹と大内軍に決戦をいどむが敗北し、三好喜雲の領国である阿波国に入国して虎視眈々と捲土重来をはかる
第5回『都の夢』
おもなトピック …… 前将軍・足利義澄の次男・亀王丸(兄の亀王丸とは別人)誕生、足利義澄死去 ※永正八(1511)年三~八月
おもな登場人物
足利 義澄(32歳)…… 誕生した次男に足利将軍家当主の希望を託しつつ、亡命先の近江国蒲生(がもう)の里で病死する
足利 義尹(46歳)…… 現将軍。管領・細川高国と大内義興の軍勢に擁されて政権を維持するが、前将軍・義澄のはなつ暗殺手に悩まされる
細川 高国(28歳)…… 現管領。足利義尹を擁して政権を維持するが、各地での足利義澄・細川澄元派の根強い抵抗に悩まされる
細川 澄元(23歳)…… 前管領。前将軍・足利義澄を擁して執事・三好喜雲とともに足利義尹政権を追い詰めるが、土壇場での義澄の急死により撤退する
第6回『風雲ふたたび』
おもなトピック …… 将軍・足利義尹「義稙(よしたね)」に改名し政権運営に意欲、細川澄元ひきいる三好軍摂津国に上陸 ※永正十(1513)年三月~永正十六(1519)年十一月
おもな登場人物
足利 義稙(旧名・義尹)…… 畿内地方を制し室町幕府復権に燃えるが、強大化する管領・細川高国の存在をうとましく感じる
細川 高国 …… 足利義稙のパトロンだった大内義興の撤退によって独裁体制の樹立をもくろむが、前管領・細川澄元の再挙兵をまねく
大内 義興 …… 足利義稙をあやつり室町幕府の掌握を目指すが、管領・高国と結託した中国地方の有力大名・尼子経久(あまご つねひさ)の策動により領国への撤退を余儀なくされる
細川 澄元 …… 大内義興の撤退を好機ととらえ、ふたたび執事・三好喜雲とともに挙兵し摂津国に侵攻する
第7回『三好家の失墜』
おもなトピック …… 公家・山科言継の元服、細川澄元の死去 ※永正十七(1520)年正~六月
おもな登場人物
三好 喜雲(63歳) …… 主君の細川澄元とともに政権を奪回するが、細川高国の率いる5万の大軍に等持院合戦で敗れ、三好家の後事を孫の三好元長に託しつつも捕らえられ処刑される
細川 澄元(32歳) …… 三好喜雲の軍勢により政権を奪回するが、細川高国の再上洛に敗れ阿波国に亡命、そのまま病死する
細川 高国(37歳) …… 細川澄元の上洛を避けて一時京を放棄するが、5万の大軍を率いて三好軍を撃破し政権に返り咲く
山科 言継(やましな ときつぐ 14歳)…… 京の公家の跡取りとして元服する。決して地位の高い公卿ではなかったが、その豊富な薬学知識と有職故実、全国を駆け巡る超人的フットワーク、そして時の帝から戦国大名、庶民までという人的ネットワークの幅広さから、戦国の世をのちに伝える貴重な時代の証人となる
第8回『都合のいい将軍』
おもなトピック …… 将軍・足利義稙の和泉国亡命、足利義晴の室町幕府第12代征夷大将軍就任 ※永正十八・大永元(1521)年三~十二月
おもな登場人物
足利 義稙 …… 権力を取り戻した管領・細川高国との対立が決定的なものとなり、和泉国をへて阿波国に亡命し再起を図るが、兵力がととのわないまま沼島に潜伏する
細川 高国 …… 対立する将軍・足利義稙を追放し、前将軍・足利義澄の次男・義晴を擁立して自身の独裁体制を強化する
足利 義晴(11歳) …… 管領・細川高国に擁立されて第12代将軍に就任するが、幼少のため実質的な政務は高国に一任する
足利 義賢(よしかた 13歳)…… 前将軍・足利義澄の長男で次期将軍にもっとも近い存在であるはずだったが、将軍・足利義稙の養子になっていたために義稙とともに京を去って将軍就任のチャンスをのがす
第9回『父と子』
おもなトピック …… 三好元長の嫡男・千熊丸(せんくままる のちの長慶)誕生、管領・細川高国の嫡男・稙国(たねくに)急死 ※大永二(1522)年二月~大永五(1525)年十月
おもな登場人物
細川 高国(出家して道永 40歳)…… 前将軍・足利義稙の死去を受けて管領職を嫡男・稙国に譲り出家するが、稙国の急死のために再び政務を執る
足利 義稙(58歳) …… 権力の奪取をはかり数度にわたって管領・細川高国を攻めるが敗戦が重なり、失意のうちに阿波国撫養(むや)で死没する
三好 元長(22歳) …… 亡き祖父・三好喜雲の遺志を継いで阿波国を治めながら前管領・細川澄元の遺児・六郎(のちの細川晴元)を守るが、前将軍・足利義稙の亡命をうけて京の幕府権力への野心を燃やす
細川 稙国(18歳) …… 父・高国の隠居を受けて室町幕府第18代管領に就任するが、着任後わずか半年で謎の急死をとげる。
第10回『戦雲を継ぐ者』
おもなトピック …… 管領・細川道永による武将・香西元盛の誅殺、細川晴元挙兵 ※大永六(1526)年七~十月
おもな登場人物
細川 尹賢(ただかた 38歳) …… 管領・細川道永の従弟。道永政権内での有力武将・波多野三兄弟の影響力拡大を危惧して策謀をめぐらせるが、それがかえって道永政権崩壊の引き金となってしまう
波多野 稙通(たねみち 31歳)…… 道永政権の軍事面を支える丹波国の有力武将だったが、細川尹賢の陰謀によって末弟・香西元盛が誅殺されてしまったため、次弟の柳本賢治(かたはる)とともに道永政権に反旗を翻す
細川 六郎(13歳) …… 父・細川澄元の死去後当主となり阿波国に潜伏していたが、京の道永政権の内紛をみて執事・三好元長とともに初挙兵する ※細川六郎は父の死後すぐに七歳で元服して「晴元(はるもと)」という本名を持っていたが、対立する京の道永政権の象徴である将軍・足利義晴から形式上拝領した名前であったため、この当時は「六郎」の名を常用している
三好 政長(まさなが 19歳) …… 三好家当主である三好元長の大叔父にあたる分家筋の武将だったが、細川六郎・三好軍の先鋒として阿波国から本州の和泉国に上陸し、道永軍と交戦する
第11回『元長上陸』
おもなトピック …… 波多野稙通の上洛、足利義賢元服(義維改名) ※大永七(1527)年二~七月
おもな登場人物
波多野 稙通 …… 領国の丹波国から京に進撃し、細川六郎の先鋒である三好政長軍と合流して二月の桂川原(かつらがわら)合戦で道永軍を撃破したのちに京を実効支配する
細川 道永 …… 北からの波多野軍と西からの三好軍の侵攻に耐え切れず、桂川原合戦の大敗後は将軍・足利義晴を奉じて東の近江国坂本に亡命する
三好 元長(27歳)…… 桂川原合戦大勝の報を受け、細川六郎と足利義賢を擁して和泉国堺に上陸し、将軍不在の京にかわる新政権「堺幕府」の樹立を目指す
足利 義賢(19歳)…… 和泉国堺にいながらにして京の朝廷から「次期将軍」の確約を受け、七月に元服して「義維(よしつな)」に改名する
第12回『都の混乱』
おもなトピック …… 三好元長と細川道永の京争奪戦 ※大永七(1527)年九~十二月
おもな登場人物
三好 元長 …… 足利義維・細川六郎政権の樹立のために奔走し、いったんは道永の上洛を許すものの、執拗な猛攻を京の道永政権に繰り返す
細川 道永 …… 将軍・足利義晴を奉じて挙兵し、近江国の六角家と越前国の朝倉家の援軍をうけて上洛を果たすが、堺幕府軍の度重なる侵攻に次第に苦境に立たされる
柳本賢治(かたはる 26歳) …… 波多野稙通の弟。堺幕府軍の有力武将として京を攻撃するが、堺幕府の主導権を握る三好元長に不満を持つようになる
朝倉 教景(のりかげ 51歳)…… 越前国の守護大名・朝倉家の重臣。細川道永の要請を受けて軍を率いて上洛に加勢するが、次第に道永政権を見限り協力に消極的になる ※教景は翌年の京撤退後に第一線を引退し、出家して「宗滴(そうてき)」と名乗る
第13回『元長天下』
おもなトピック …… 三好元長の畿内地方制圧 ※大永八・享禄元(1528)年正~七月
おもな登場人物
三好 元長(28歳)…… 内部分裂を起こした道永政権を京から駆逐してついに畿内地方を制圧し、山城国守護代に就任して堺幕府の中枢をになう
細川 六郎(15歳)…… 堺幕府の形式上の盟主となっていたが実質的な権力を握る三好元長に不信感をいだき、重臣・柳本賢治の讒言(ざんげん)を聞き入れて元長をうとましく感じるようになる
柳本 賢治(27歳)…… 権力の増大した三好元長を堺幕府から追放するべく、主君・細川六郎に陰謀を持ちかける
足利 義晴(18歳)…… 三好元長の圧力によって京を退去した際についに道永を見限り、亡命する道永とたもとを分かって近江国朽木谷(現在の滋賀県高島市)の幕府重臣・朽木稙綱(くつき たねつな 31歳)のもと、興聖寺(こうしょうじ)を御所として潜伏する
《第一部の進行についての補足》
以上のように、おおむね畿内地方の動静についての描写を物語の本筋とするが、その過程で各所にインタールードとして、京の西岡(現在の京都市西京区)の出身者である少年「かがち」(のちの松永久秀 1510年生まれ)と、同じ西岡出身の武士・西村新左衛門尉(しんざえもんのじょう 美濃国守護土岐家の重臣・長井家の家臣)を父にもつ西村左近大夫正利(さこんのだいぶ まさとし のちの斎藤道三 1494年生まれ)との、交流と成長の物語を挿入する。
戦災孤児だった久秀は、商人の小間使いや寺の小姓などの経験を通じて京の世情に通じる知識と栄達の野望を身につけていき、西村左近大夫正利も、単なる地方武士の家柄に甘んじることに不満をおぼえ、美濃国守護の土岐頼武(よりたけ)と頼芸(よりあき)の兄弟抗争に暗躍して影響力を強めていくこととなる。左近大夫正利の父・新左衛門尉はそんな息子の野心の行く末に不安をおぼえながらも死没する。
一体いつまで続くんだ、このメモは!?
雄大なる一大叙事詩(のメモ)、以下次号!!
何年か前にひかえといたメモをうつすだけだから、こりゃあラクチンだわ……って、字数がハンパなく膨大だよ、これ!?