映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』(2012年4月公開 89分 東映)
映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』は、特撮 TVドラマシリーズ『仮面ライダー』シリーズと『スーパー戦隊シリーズ』の劇場版作品。
キャッチコピーは「全ライダー VS 全戦隊 ついに大激突!」、「ヒーロー新世紀 史上最大のヒーローバトル!」。
仮面ライダーシリーズ・スーパー戦隊シリーズのクロスオーバー作品『スーパーヒーロー大戦シリーズ』の第1弾。
本作最大の特徴として、昭和から平成までの仮面ライダーたち50名(平成サブライダーの一部は出演せず)とスーパー戦隊戦士たち173名、そして双方の代表的な敵怪人97人名と戦闘員165人名が一堂に会して戦うという、文字通りの「大戦」を実現したところにある。その総勢は485名に及び、これに伴い参加したスーツアクターの人数も、2011年に公開された映画『ゴーカイジャー・ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』の2倍以上となっている。
本作はシリーズ記念作品・クロスオーバー作品であり、「過去の歴代戦士に二段変身する」という共通点を持つ、平成仮面ライダー10周年記念作品の『仮面ライダーディケイド』と、スーパー戦隊35作記念作品の『海賊戦隊ゴーカイジャー』を中心に、上映当時の最新作である『仮面ライダーフォーゼ』と『特命戦隊ゴーバスターズ』、『ゴーカイジャー』と同時期の作品で、すでに『フォーゼ』と数度共演していた『仮面ライダーオーズ』や、春の映画に定期的に登場する『仮面ライダー電王』の登場キャラクターが活躍し、仮面ライダー・スーパー戦隊両作品ならではのクロスオーバー要素が展開される。仮面ライダーとスーパー戦隊のクロスオーバー作品ではあるものの、制作スタッフは仮面ライダー関係が中心である。
敵側では、『仮面ライダーディケイド』に登場した「大ショッカー」に加え、歴代スーパー戦隊の敵が結託した「大ザンギャック」が登場。『仮面ライダー V3』のドクトルG、『超電子バイオマン』のシルバを中心に、両シリーズで登場した怪人たちも多数再登場している。
全国292スクリーンで公開され、2012年4月21・22日の初日2日間で興行収入約4億1千万円・動員約35万6千人を記録し、映画観客動員ランキングで初登場第1位を獲得した。最終興行収入は15億6千万円を記録し、2013年の時点で仮面ライダー劇場版シリーズ・スーパー戦隊劇場版シリーズを通して最終興行収入第3位を記録した。
あらすじ
地球の平和、そして人々の自由と笑顔を守るために日夜戦い続けるスーパーヒーロー、それが仮面ライダーとスーパー戦隊である。
西暦2012年4月、そんな彼らに突如として大事件が襲いかかる。門矢士(仮面ライダーディケイド)が歴代ライダーの悪の組織を束ねた「大ショッカー」の大首領として全てのスーパー戦隊たちを倒し始め、また時を同じくしてキャプテン・マーベラス(ゴーカイレッド)もまた、歴代戦隊の悪の組織が結集した「大ザンギャック」の大帝王を名乗り、全てのライダーたちに攻撃を仕掛けたのだ。
この事件は、新たなスーパーヒーロー・如月弦太朗(仮面ライダーフォーゼ)が属する仮面ライダー部、桜田ヒロム(レッドバスター)を始めとする特命戦隊ゴーバスターズにまで波及。辛くも難を逃れたジョー・ギブケン(ゴーカイブルー)とドン・ドッゴイヤー(ゴーカイグリーン)、海東大樹(仮面ライダーディエンド)と泉比奈はデンライナーと合流し、この事件の謎を解くべく過去へと向かう。
双方の大組織の幹部が口にする「ビッグマシン計画」とは。果たして2大ヒーローは地球を救うことができるのか。
主な登場キャラクター・用語
門矢 士 / 仮面ライダーディケイド …… 井上 正大(23歳)
本シリーズの主人公。仮面ライダーディケイドに変身する青年。20歳。一人称は「俺」。写真家を自称し、ピンク色の二眼レフのトイカメラを常に身につけている。クールかつ自信家で、誰に対しても尊大な態度で接し、傲岸不遜な態度を取ることが多い。
物語の序盤で、自分が全ての仮面ライダーを破壊する存在であること、そして世界の消滅を防ぐために旅をしなければならないことを告げられる。旅する世界のどこかで自分の本来いた世界が見つかるかもしれないと考え、旅を続ける。
本作では、歴代ライダーやスーパー戦隊が戦っていた歴代の悪の組織が何らかの行動をとることを知り、その調査のために再び大ショッカー大首領として君臨する。
海東 大樹 / 仮面ライダーディエンド …… 戸谷 公人(21歳)
仮面ライダーディエンドに変身する青年。一人称は「僕」。本来は他に仮面ライダーのいなかった「仮面ライダーディエンドの世界」の出身。様々な世界を単独で往来し、「僕の旅の行き先は、僕が決める。」という信念のもとに、価値のある「お宝」と判断した物を収集している、孤高のトレジャーハンターである。
ディエンドライバーを入手して士たちよりも先に異世界を渡り歩いていた様子で、異世界の事象にも詳しい。本人は、士とは古い知り合いだと語る。鳴滝とも面識がある。口の悪さは天下一品で、他人から誤解を招きやすい。
本作では、歴代スーパー戦隊を潰そうとする士と、歴代ライダーを倒そうとするキャプテン・マーベラスの目的を探るべく、泉比奈やジョー・ギブケン(ゴーカイブルー)たちと行動を共にする。
終盤で、作戦のためとはいえ友情を踏みにじり、ジョーと自分の心を傷つけた士とマーベラスに憤慨し、2人が阻止しようとしたビッグマシンの完成を果たしてしまう。最終的にビッグマシンは破壊され、重症を負いながらもなんとか生還し、士からディケイドのカードを盗んで姿を消した。
敵組織
本作では、歴代の仮面ライダーとスーパー戦隊が戦った敵組織が、それぞれ手を組んで大組織を結成しているという設定となっている。
当初は両組織が互いにライダーと戦隊の全滅を目的に共闘していたが、実際は両組織がそれぞれの潰し合いを狙い、門矢士とキャプテン・マーベラスを組織の頂点として君臨させることで、それぞれの要塞を合体させる「ビッグマシン計画」の完成を目論んでいた。
もっとも、士とマーベラスにはその目論見は最初から見抜かれており、2人が組織の頂点の座に就いたのも、両組織の企てを暴くための演技に過ぎなかった。両組織が本性を表した後は「ショッカー・ザンギャック連合」としてライダーと戦隊との決戦に臨んだ。
大ショッカー
歴代仮面ライダーが戦った悪の組織が集結した大組織。過去にもライダーたちと何度か戦い敗退したが、門矢士(仮面ライダーディケイド)を再び大首領とし、クライス要塞を拠点としてスーパー戦隊の全滅を狙う。
組織自体の幹部や構成はあまり変わらないが、新たにドクトルG、ジェネラル・シャドウ、グリードとヤミー、ドーパントなど新規加入者が加わっている。組織のシンボルマークは『ディケイド』登場時(2009年)の「DCD の文字を刻んだ双頭の鷲」から、初代ショッカー(1971~73年)と同様に「地球を鷲掴みする鷲」となっている。
過去の作品『オールライダー対大ショッカー』(2009年)で大首領の座を追われた士がどうして復位できたのか、大首領になったシャドームーンと本作のシャドームーンは別人なのか、『 MOVIE大戦2010』(2009年)に登場した残党勢力「スーパーショッカー」とはどういった関係にあるのか、という点については明言されていない。
ドクトルG(ゲー)…… 奥田 達士(43歳)
大ショッカー副首領。原典の『仮面ライダーV3』(1973~74年)と同様に、仮面ライダーを「仮面ラーイダ」と独特のイントネーションで呼ぶ。一方で鎧のデザインはリメイクされており、サソリの意匠を取り入れた黒い鎧になっている。
その正体は、ディケイドを敵視する謎の男・鳴滝。
カニレーザー
ドクトルG の怪人態。ドクトルG の時から持っている斧の他、左腕のハサミ・頭部から放つレーザー光線が武器。特にレーザー光線は最大の武器であり、その威力は仮面ライダーたちを寄せつけない。最終決戦ではその力でライダーたちを圧倒するも、ディケイド、龍騎、ブレイドの「トリプルライダーキック」を受けて敗北し、鳴滝の姿に戻り次元の壁の彼方へ消えた。こちらもデザインがリメイクされており、原典のサソリとカニを合わせた姿とは異なり、名前の通りカニを全面的に用いた姿になっている。
アポロガイスト …… 戸谷 公人(21歳)
大ショッカー大幹部。『ディケイド』に登場した時と同様に、パーフェクターを装備した「スーパーアポロガイスト」の状態になっている。最終決戦ではフォーゼと戦った。
十面鬼ユム・キミル(セリフなし)
大ショッカー大幹部。特命戦隊ゴーバスターズやマーベラスのいない海賊戦隊ゴーカイジャーを圧倒するジェネラル・シャドウを軽い拍手で賞賛し、中盤では天装戦隊ゴセイジャーと戦った。
ジェネラル・シャドウ …… 柴田 秀勝(75歳)
本作で初めて大ショッカー大幹部として登場。同じ大幹部の剣士であるシャドームーンと「ダブルシャドウ」というタッグを結成している。最終決戦では巨大なトランプに変身して、ゴーカイレッドのいない海賊戦隊ゴーカイジャーを苦戦させるが、ゴーカイレッドと仮面ライダーディケイドに敗れて爆死した。
シャドームーン …… てらそま まさき(49歳)
大ショッカー大幹部。最終決戦ではジャーク将軍と共に、仮面ライダーBLACK や光戦隊マスクマンと戦いを繰り広げた。
本作で、平成劇場版シリーズにおいて初めて BLACKと対決した。劇中で「ノブヒコ」と呼ばれたが、これが「月影ノブヒコ」をさすのか「秋月信彦」を指すのかは不明。同じ剣の達人であるジェネラル・シャドウと「ダブルシャドウ」というタッグで組んでいる。
なお、大ショッカー大首領となった士の配下にあまんじている状況から、過去作『オールライダー対大ショッカー』で月影ノブヒコが変身したシャドームーンとは別人のようである。
ジャーク将軍 …… 藤本 たかひろ(38歳)
大ショッカー大幹部。最終決戦では、シャドームーンと共に仮面ライダーBLACK や光戦隊マスクマンと戦いを繰り広げている。
ドラス …… 石川 英郎(42歳)
大ショッカー大幹部。
その他、平成シリーズからはン・ダグバ・ゼバ(グロンギ族)、地のエル(アンノウン)、アークオルフェノク(オルフェノク)、ジョーカー(アンデッド)、ヌリカベの武者童子(魔化魍)、グリラスワーム(ワーム)、バットファンガイア(ファンガイア)、アリゲーターイマジン(イマジン)、ウェザー・ドーパント(ドーパント)、メズール完全体(グリード)が大幹部クラスとして登場している。
登場する怪人
さそり男、ゴースター、イソギンジャガー、コマサンダー、タイガーロイドと、グロンギ族、アンノウン、ミラーモンスター、オルフェノク、アンデッド、魔化魍、ワーム、イマジン、ファンガイア、ドーパント、ヤミーからの怪人軍団
※さそり男、ゴースター、イソギンジャガー、コマサンダー、タイガーロイドは幹部クラス怪人という設定になっている
登場する戦闘員
ショッカー骨戦闘員、デストロン戦闘員、ドグマファイター、戦闘員チャップ、魔化魍忍者、NEWモールイマジン
大ザンギャック
海賊戦隊ゴーカイジャーが倒した宇宙帝国ザンギャックを中心に、復活した歴代スーパー戦隊の敵勢力が集結し構成された大軍団。
かつてのザンギャック第2次地球侵略艦隊の旗艦「ギガントホース」を拠点に、大帝王を名乗るキャプテン・マーベラス(ゴーカイレッド)のもと、仮面ライダーの全滅ならびに「大いなる力」の奪取を狙う。
ビッグマシン
大ショッカーのクライス要塞と、大ザンギャックの旗艦ギガントホースが合体した超巨大戦闘ロボ。コックピットを含む上半身がクライス要塞、下半身がギカントホースによって構成されており、その巨大さはゴーバスターオーを遥かに上回る。頭部の口に当たる部分から凄まじい破壊力を誇る光線を発射し、背面から放つ多数のワイヤーや、その巨体そのものも強力な武器になり、宇宙空間でも活動可能。
合体には、両組織が持つショッカーとザンギャックのシンボルを象った割り符を合わせる必要があり、ディケイドとゴーカイレッドの相討ちによって、自分たちに立ち向かう者がいなくなったことを確信したドクトルG とシルバが合体を発動しようとしたが、組織の動きを探っていた士とマーベラスが本性を現したことで阻止されてしまう。だが、割り符は最終決戦の中で大樹によって密かに回収されており、最終的には士とマーベラスのやり方に憤慨した彼の手によって合体を果たし、第三勢力としてライダーや戦隊の前に立ちはだかり、大ショッカーと大ザンギャックにも多大な被害を与えたが、最終的にはロケットドリルゴーバスターオーの「戦隊ライダー宇宙キック」を受けて爆発四散した。搭乗していた大樹は重傷を負ったものの、辛うじて生存している。
名前は、石ノ森章太郎のマンガ版『仮面ライダー』(1971年)に登場した同名のショッカー大幹部に由来する。
登場する仮面ライダー
仮面ライダー1号(声・稲田徹)、仮面ライダー2号(声・藤本たかひろ)、仮面ライダーV3(声・田中大文)、ライダーマン(声・林一夫)、仮面ライダーX(セリフなし)、仮面ライダーアマゾン(声・関智一)、仮面ライダーストロンガー(声・関智一)、スカイライダー(セリフなし)、仮面ライダースーパー1(セリフなし)、仮面ライダーZX(セリフなし)、仮面ライダーBLACK & BLACK RX(声・田中大文)、仮面ライダーシン(セリフなし)、仮面ライダーZO(セリフなし)、仮面ライダーJ(セリフなし)、仮面ライダークウガ(声・今村直樹)、仮面ライダーアギト(セリフなし)、仮面ライダー龍騎(セリフなし)、仮面ライダーファイズ(声・渡部秀)、仮面ライダーブレイド(セリフなし)、仮面ライダー響鬼(声・石川英郎)、仮面ライダーカブト(声・勇吹輝)、仮面ライダー電王(声・関俊彦ほか)、仮面ライダーキバ(セリフなし)、仮面ライダーディケイド、仮面ライダーディエンド、仮面ライダーW(声・鈴村健一)、仮面ライダーアクセル(声・遊佐浩二)、仮面ライダーオーズ(演・渡部秀)、仮面ライダーバース(声・君嶋麻耶)、仮面ライダープロトバース(声・岩永洋昭)、仮面ライダーフォーゼ(演・福士蒼汰)、仮面ライダーメテオ(演・吉沢亮)ほか
……以上、昭和ライダー15名、平成ライダー13名、平成サブライダー22名の、合計50名
主なスタッフ
※本作の制作チームは平成仮面ライダーシリーズを手掛けるスタッフが中心で、ライダーと戦隊のそれぞれに初参加・あるいは久々に関わった人物も多い。
監督 …… 金田 治(62歳)
脚本 …… 米村 正二(48歳)
音楽 …… 中川 幸太郎(43歳)、山下 康介(38歳)
撮影 …… いのくま まさお(72歳)
キャラクターデザイン …… 早瀬 マサト(47歳)、阿部 統(37歳)
クリーチャーデザイン …… 篠原 保(46歳)
特撮監督 …… 佛田 洋(50歳)
アクション監督 …… 竹田 道弘(50歳)
主題歌『情熱 We are Brothers 』(歌唱・Hero Music All Stars )
※過去に仮面ライダーシリーズ・スーパー戦隊シリーズの主題歌や挿入歌を歌った歴代アーティストたち総勢27名によるコラボレーション曲。
映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』は、特撮 TVドラマシリーズ『仮面ライダー』シリーズと『スーパー戦隊シリーズ』の劇場版作品。
キャッチコピーは「全ライダー VS 全戦隊 ついに大激突!」、「ヒーロー新世紀 史上最大のヒーローバトル!」。
仮面ライダーシリーズ・スーパー戦隊シリーズのクロスオーバー作品『スーパーヒーロー大戦シリーズ』の第1弾。
本作最大の特徴として、昭和から平成までの仮面ライダーたち50名(平成サブライダーの一部は出演せず)とスーパー戦隊戦士たち173名、そして双方の代表的な敵怪人97人名と戦闘員165人名が一堂に会して戦うという、文字通りの「大戦」を実現したところにある。その総勢は485名に及び、これに伴い参加したスーツアクターの人数も、2011年に公開された映画『ゴーカイジャー・ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』の2倍以上となっている。
本作はシリーズ記念作品・クロスオーバー作品であり、「過去の歴代戦士に二段変身する」という共通点を持つ、平成仮面ライダー10周年記念作品の『仮面ライダーディケイド』と、スーパー戦隊35作記念作品の『海賊戦隊ゴーカイジャー』を中心に、上映当時の最新作である『仮面ライダーフォーゼ』と『特命戦隊ゴーバスターズ』、『ゴーカイジャー』と同時期の作品で、すでに『フォーゼ』と数度共演していた『仮面ライダーオーズ』や、春の映画に定期的に登場する『仮面ライダー電王』の登場キャラクターが活躍し、仮面ライダー・スーパー戦隊両作品ならではのクロスオーバー要素が展開される。仮面ライダーとスーパー戦隊のクロスオーバー作品ではあるものの、制作スタッフは仮面ライダー関係が中心である。
敵側では、『仮面ライダーディケイド』に登場した「大ショッカー」に加え、歴代スーパー戦隊の敵が結託した「大ザンギャック」が登場。『仮面ライダー V3』のドクトルG、『超電子バイオマン』のシルバを中心に、両シリーズで登場した怪人たちも多数再登場している。
全国292スクリーンで公開され、2012年4月21・22日の初日2日間で興行収入約4億1千万円・動員約35万6千人を記録し、映画観客動員ランキングで初登場第1位を獲得した。最終興行収入は15億6千万円を記録し、2013年の時点で仮面ライダー劇場版シリーズ・スーパー戦隊劇場版シリーズを通して最終興行収入第3位を記録した。
あらすじ
地球の平和、そして人々の自由と笑顔を守るために日夜戦い続けるスーパーヒーロー、それが仮面ライダーとスーパー戦隊である。
西暦2012年4月、そんな彼らに突如として大事件が襲いかかる。門矢士(仮面ライダーディケイド)が歴代ライダーの悪の組織を束ねた「大ショッカー」の大首領として全てのスーパー戦隊たちを倒し始め、また時を同じくしてキャプテン・マーベラス(ゴーカイレッド)もまた、歴代戦隊の悪の組織が結集した「大ザンギャック」の大帝王を名乗り、全てのライダーたちに攻撃を仕掛けたのだ。
この事件は、新たなスーパーヒーロー・如月弦太朗(仮面ライダーフォーゼ)が属する仮面ライダー部、桜田ヒロム(レッドバスター)を始めとする特命戦隊ゴーバスターズにまで波及。辛くも難を逃れたジョー・ギブケン(ゴーカイブルー)とドン・ドッゴイヤー(ゴーカイグリーン)、海東大樹(仮面ライダーディエンド)と泉比奈はデンライナーと合流し、この事件の謎を解くべく過去へと向かう。
双方の大組織の幹部が口にする「ビッグマシン計画」とは。果たして2大ヒーローは地球を救うことができるのか。
主な登場キャラクター・用語
門矢 士 / 仮面ライダーディケイド …… 井上 正大(23歳)
本シリーズの主人公。仮面ライダーディケイドに変身する青年。20歳。一人称は「俺」。写真家を自称し、ピンク色の二眼レフのトイカメラを常に身につけている。クールかつ自信家で、誰に対しても尊大な態度で接し、傲岸不遜な態度を取ることが多い。
物語の序盤で、自分が全ての仮面ライダーを破壊する存在であること、そして世界の消滅を防ぐために旅をしなければならないことを告げられる。旅する世界のどこかで自分の本来いた世界が見つかるかもしれないと考え、旅を続ける。
本作では、歴代ライダーやスーパー戦隊が戦っていた歴代の悪の組織が何らかの行動をとることを知り、その調査のために再び大ショッカー大首領として君臨する。
海東 大樹 / 仮面ライダーディエンド …… 戸谷 公人(21歳)
仮面ライダーディエンドに変身する青年。一人称は「僕」。本来は他に仮面ライダーのいなかった「仮面ライダーディエンドの世界」の出身。様々な世界を単独で往来し、「僕の旅の行き先は、僕が決める。」という信念のもとに、価値のある「お宝」と判断した物を収集している、孤高のトレジャーハンターである。
ディエンドライバーを入手して士たちよりも先に異世界を渡り歩いていた様子で、異世界の事象にも詳しい。本人は、士とは古い知り合いだと語る。鳴滝とも面識がある。口の悪さは天下一品で、他人から誤解を招きやすい。
本作では、歴代スーパー戦隊を潰そうとする士と、歴代ライダーを倒そうとするキャプテン・マーベラスの目的を探るべく、泉比奈やジョー・ギブケン(ゴーカイブルー)たちと行動を共にする。
終盤で、作戦のためとはいえ友情を踏みにじり、ジョーと自分の心を傷つけた士とマーベラスに憤慨し、2人が阻止しようとしたビッグマシンの完成を果たしてしまう。最終的にビッグマシンは破壊され、重症を負いながらもなんとか生還し、士からディケイドのカードを盗んで姿を消した。
敵組織
本作では、歴代の仮面ライダーとスーパー戦隊が戦った敵組織が、それぞれ手を組んで大組織を結成しているという設定となっている。
当初は両組織が互いにライダーと戦隊の全滅を目的に共闘していたが、実際は両組織がそれぞれの潰し合いを狙い、門矢士とキャプテン・マーベラスを組織の頂点として君臨させることで、それぞれの要塞を合体させる「ビッグマシン計画」の完成を目論んでいた。
もっとも、士とマーベラスにはその目論見は最初から見抜かれており、2人が組織の頂点の座に就いたのも、両組織の企てを暴くための演技に過ぎなかった。両組織が本性を表した後は「ショッカー・ザンギャック連合」としてライダーと戦隊との決戦に臨んだ。
大ショッカー
歴代仮面ライダーが戦った悪の組織が集結した大組織。過去にもライダーたちと何度か戦い敗退したが、門矢士(仮面ライダーディケイド)を再び大首領とし、クライス要塞を拠点としてスーパー戦隊の全滅を狙う。
組織自体の幹部や構成はあまり変わらないが、新たにドクトルG、ジェネラル・シャドウ、グリードとヤミー、ドーパントなど新規加入者が加わっている。組織のシンボルマークは『ディケイド』登場時(2009年)の「DCD の文字を刻んだ双頭の鷲」から、初代ショッカー(1971~73年)と同様に「地球を鷲掴みする鷲」となっている。
過去の作品『オールライダー対大ショッカー』(2009年)で大首領の座を追われた士がどうして復位できたのか、大首領になったシャドームーンと本作のシャドームーンは別人なのか、『 MOVIE大戦2010』(2009年)に登場した残党勢力「スーパーショッカー」とはどういった関係にあるのか、という点については明言されていない。
ドクトルG(ゲー)…… 奥田 達士(43歳)
大ショッカー副首領。原典の『仮面ライダーV3』(1973~74年)と同様に、仮面ライダーを「仮面ラーイダ」と独特のイントネーションで呼ぶ。一方で鎧のデザインはリメイクされており、サソリの意匠を取り入れた黒い鎧になっている。
その正体は、ディケイドを敵視する謎の男・鳴滝。
カニレーザー
ドクトルG の怪人態。ドクトルG の時から持っている斧の他、左腕のハサミ・頭部から放つレーザー光線が武器。特にレーザー光線は最大の武器であり、その威力は仮面ライダーたちを寄せつけない。最終決戦ではその力でライダーたちを圧倒するも、ディケイド、龍騎、ブレイドの「トリプルライダーキック」を受けて敗北し、鳴滝の姿に戻り次元の壁の彼方へ消えた。こちらもデザインがリメイクされており、原典のサソリとカニを合わせた姿とは異なり、名前の通りカニを全面的に用いた姿になっている。
アポロガイスト …… 戸谷 公人(21歳)
大ショッカー大幹部。『ディケイド』に登場した時と同様に、パーフェクターを装備した「スーパーアポロガイスト」の状態になっている。最終決戦ではフォーゼと戦った。
十面鬼ユム・キミル(セリフなし)
大ショッカー大幹部。特命戦隊ゴーバスターズやマーベラスのいない海賊戦隊ゴーカイジャーを圧倒するジェネラル・シャドウを軽い拍手で賞賛し、中盤では天装戦隊ゴセイジャーと戦った。
ジェネラル・シャドウ …… 柴田 秀勝(75歳)
本作で初めて大ショッカー大幹部として登場。同じ大幹部の剣士であるシャドームーンと「ダブルシャドウ」というタッグを結成している。最終決戦では巨大なトランプに変身して、ゴーカイレッドのいない海賊戦隊ゴーカイジャーを苦戦させるが、ゴーカイレッドと仮面ライダーディケイドに敗れて爆死した。
シャドームーン …… てらそま まさき(49歳)
大ショッカー大幹部。最終決戦ではジャーク将軍と共に、仮面ライダーBLACK や光戦隊マスクマンと戦いを繰り広げた。
本作で、平成劇場版シリーズにおいて初めて BLACKと対決した。劇中で「ノブヒコ」と呼ばれたが、これが「月影ノブヒコ」をさすのか「秋月信彦」を指すのかは不明。同じ剣の達人であるジェネラル・シャドウと「ダブルシャドウ」というタッグで組んでいる。
なお、大ショッカー大首領となった士の配下にあまんじている状況から、過去作『オールライダー対大ショッカー』で月影ノブヒコが変身したシャドームーンとは別人のようである。
ジャーク将軍 …… 藤本 たかひろ(38歳)
大ショッカー大幹部。最終決戦では、シャドームーンと共に仮面ライダーBLACK や光戦隊マスクマンと戦いを繰り広げている。
ドラス …… 石川 英郎(42歳)
大ショッカー大幹部。
その他、平成シリーズからはン・ダグバ・ゼバ(グロンギ族)、地のエル(アンノウン)、アークオルフェノク(オルフェノク)、ジョーカー(アンデッド)、ヌリカベの武者童子(魔化魍)、グリラスワーム(ワーム)、バットファンガイア(ファンガイア)、アリゲーターイマジン(イマジン)、ウェザー・ドーパント(ドーパント)、メズール完全体(グリード)が大幹部クラスとして登場している。
登場する怪人
さそり男、ゴースター、イソギンジャガー、コマサンダー、タイガーロイドと、グロンギ族、アンノウン、ミラーモンスター、オルフェノク、アンデッド、魔化魍、ワーム、イマジン、ファンガイア、ドーパント、ヤミーからの怪人軍団
※さそり男、ゴースター、イソギンジャガー、コマサンダー、タイガーロイドは幹部クラス怪人という設定になっている
登場する戦闘員
ショッカー骨戦闘員、デストロン戦闘員、ドグマファイター、戦闘員チャップ、魔化魍忍者、NEWモールイマジン
大ザンギャック
海賊戦隊ゴーカイジャーが倒した宇宙帝国ザンギャックを中心に、復活した歴代スーパー戦隊の敵勢力が集結し構成された大軍団。
かつてのザンギャック第2次地球侵略艦隊の旗艦「ギガントホース」を拠点に、大帝王を名乗るキャプテン・マーベラス(ゴーカイレッド)のもと、仮面ライダーの全滅ならびに「大いなる力」の奪取を狙う。
ビッグマシン
大ショッカーのクライス要塞と、大ザンギャックの旗艦ギガントホースが合体した超巨大戦闘ロボ。コックピットを含む上半身がクライス要塞、下半身がギカントホースによって構成されており、その巨大さはゴーバスターオーを遥かに上回る。頭部の口に当たる部分から凄まじい破壊力を誇る光線を発射し、背面から放つ多数のワイヤーや、その巨体そのものも強力な武器になり、宇宙空間でも活動可能。
合体には、両組織が持つショッカーとザンギャックのシンボルを象った割り符を合わせる必要があり、ディケイドとゴーカイレッドの相討ちによって、自分たちに立ち向かう者がいなくなったことを確信したドクトルG とシルバが合体を発動しようとしたが、組織の動きを探っていた士とマーベラスが本性を現したことで阻止されてしまう。だが、割り符は最終決戦の中で大樹によって密かに回収されており、最終的には士とマーベラスのやり方に憤慨した彼の手によって合体を果たし、第三勢力としてライダーや戦隊の前に立ちはだかり、大ショッカーと大ザンギャックにも多大な被害を与えたが、最終的にはロケットドリルゴーバスターオーの「戦隊ライダー宇宙キック」を受けて爆発四散した。搭乗していた大樹は重傷を負ったものの、辛うじて生存している。
名前は、石ノ森章太郎のマンガ版『仮面ライダー』(1971年)に登場した同名のショッカー大幹部に由来する。
登場する仮面ライダー
仮面ライダー1号(声・稲田徹)、仮面ライダー2号(声・藤本たかひろ)、仮面ライダーV3(声・田中大文)、ライダーマン(声・林一夫)、仮面ライダーX(セリフなし)、仮面ライダーアマゾン(声・関智一)、仮面ライダーストロンガー(声・関智一)、スカイライダー(セリフなし)、仮面ライダースーパー1(セリフなし)、仮面ライダーZX(セリフなし)、仮面ライダーBLACK & BLACK RX(声・田中大文)、仮面ライダーシン(セリフなし)、仮面ライダーZO(セリフなし)、仮面ライダーJ(セリフなし)、仮面ライダークウガ(声・今村直樹)、仮面ライダーアギト(セリフなし)、仮面ライダー龍騎(セリフなし)、仮面ライダーファイズ(声・渡部秀)、仮面ライダーブレイド(セリフなし)、仮面ライダー響鬼(声・石川英郎)、仮面ライダーカブト(声・勇吹輝)、仮面ライダー電王(声・関俊彦ほか)、仮面ライダーキバ(セリフなし)、仮面ライダーディケイド、仮面ライダーディエンド、仮面ライダーW(声・鈴村健一)、仮面ライダーアクセル(声・遊佐浩二)、仮面ライダーオーズ(演・渡部秀)、仮面ライダーバース(声・君嶋麻耶)、仮面ライダープロトバース(声・岩永洋昭)、仮面ライダーフォーゼ(演・福士蒼汰)、仮面ライダーメテオ(演・吉沢亮)ほか
……以上、昭和ライダー15名、平成ライダー13名、平成サブライダー22名の、合計50名
主なスタッフ
※本作の制作チームは平成仮面ライダーシリーズを手掛けるスタッフが中心で、ライダーと戦隊のそれぞれに初参加・あるいは久々に関わった人物も多い。
監督 …… 金田 治(62歳)
脚本 …… 米村 正二(48歳)
音楽 …… 中川 幸太郎(43歳)、山下 康介(38歳)
撮影 …… いのくま まさお(72歳)
キャラクターデザイン …… 早瀬 マサト(47歳)、阿部 統(37歳)
クリーチャーデザイン …… 篠原 保(46歳)
特撮監督 …… 佛田 洋(50歳)
アクション監督 …… 竹田 道弘(50歳)
主題歌『情熱 We are Brothers 』(歌唱・Hero Music All Stars )
※過去に仮面ライダーシリーズ・スーパー戦隊シリーズの主題歌や挿入歌を歌った歴代アーティストたち総勢27名によるコラボレーション曲。
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