みなさんこんばんは。今日は私の町では午前中にスコールみたいな集中豪雨がありまして、おりあしく外をほっつき歩いていた私は、あまりのタイミングの悪さに道端で大爆笑してしまいました。家に逃げ込んだとたんにやむし……冗談キツいぜ異常気象!
あと、今日は久しぶりに映画館に行ってきました。観たのはご存じ、『借りぐらしのアリエッティ』! いや~、感動しました。二回泣いてしまいました。現在公開中の映画ですので、具体的にどこがどう良かったとか言うのは野暮なんでやめますが、まだ観ていないという方は、ぜひとも映画館でやっているうちに観に行っていただきたいなぁと思います。ジブリ作品としてもアニメ作品としても日本映画としても地球の映画としても、近年まれに見る名作ですよ! いやこれ、大げさな表現じゃないと思うなぁ。
あ、感動したといえば、私そうだいは最近ひさしぶりに、マンガを読んでいて鳥肌のたつほど感動するという経験をしました。私自身マンガを読む機会がそう多くないので、こんなことは五年に一回ぐらいのペースでしかないんですが。
その最近感動したマンガというのは、『ひぐらしのなく頃に 罪滅し編』(画・鈴羅木かりん スクウェアエニックス発行 2007~8年作品 全4巻)です。
「え、いまさら~!?」という声が聞こえてきそうで汗顔のいたりなんですが、そうなんですよ、いまさらハマッてしまったんです、『ひぐらしのなく頃に』シリーズ!
ご存じない方のために簡単に言いますと、『ひぐらしのなく頃に』シリーズとは、もともと2002~2006年にパソコン用の同人ゲームとして制作されたもので、都市から離れ山に囲まれた小さな村「雛見沢(ひなみざわ)」で発生する連続殺人事件の謎を追う、といった趣向のミステリー連作でした(原作・竜騎士07)。やがてこのシリーズの人気は爆発的に拡大し、PS2やニンテンドーDSでの再ゲーム化や、2006年から2009年にかけての3シーズンのアニメ化、2本の実写映画化などが次々に展開してゆく大ブームとなりました。作品の内容は、いかにも秋葉原の皆さんにウケそうな目のでっかいアニメ絵の美少女たちが血みどろの惨劇に巻き込まれていくというキッツイもので、ナタを持ってほほえむ少女のイラストも印象的ですし、実際に発生した未成年の猟奇殺人事件に悪影響を与えたという理由で、当時やっていたアニメシリーズが放送終了になったというニュースをおぼえている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まぁとにかく、「萌え~」とかいう世界が好きではない、もしくは理解できないという方にとっては、なかなか取っつきにくい物語です。番外編も合わせるとシリーズは膨大な数になってしまいますし、正直言って私そうだいも「メイド~」とか「かぁいい~」、「はう~」とかいうセリフの乱舞する序盤には少々ヘキエキしました。
ところが! ところがこのシリーズの真の魅力は、美少女たちの「萌え~」なかわいさにも、ミステリーとしての連続殺人の謎にもないんです。じゃどこにあるのかというと、このシリーズそのものの「ありかた」にあるんです。私の言ってることが通じるかどうか不安なんですが、このシリーズは時系列が一つ一つじゅずのように一列になって続いているのではなく、物語上のどこかの「分岐点」から何通りも分岐した続きが並列している、というありかたなんです。わっかるかな~?
たとえば、お祭りに行った主人公がA子さんと一緒に行動することによってある一つの物語が作られていくのですが、別のB子さんと一緒に行動すると全く違う物語が始まってしまう、という感じなんです。したがって、シリーズのうちのある物語では連続殺人の犠牲になってしまうキャラクターが、ある物語ではピンピンして活躍している、ということもありうるのです。もちろん、事件の真相が全く違うということも……
なにぶんミステリー作品なもので、シリーズの内容についてはこれ以上はなにも言えないのですが、私が感動したのはそのシリーズのうちの一つ、『罪滅し(つみほろぼし)編』でした。
上のブームにあわせて、『ひぐらしのなく頃に』シリーズのうちの主要8作がスクウェアエニックス発行のマンガ雑誌でマンガ化されることになり、『罪滅し編』もその中に入っていたわけなんですが、この『罪滅し編』に先行して、同じ作画者(鈴羅木かりん)の描く『鬼隠し編』という作品が連載されました。
『罪滅し編』の前に『鬼隠し編』の話をしてしまうのですが、この『鬼隠し編』がとんでもないバッドエンドな終わり方をするんです……主人公である少年の何気ない行動が他の仲間たちの誤解をまねき、逆にその仲間たちの反応が主人公に疑惑の芽を生みつけます。「まさか、あいつが殺人犯なのか?」悪循環に悪循環を呼んでしまい、何人かのかわいいヒロインと主人公はなんの救いもない血みどろのラストを迎えて、連続殺人の真相も闇の中。『鬼隠し編』では最悪のパターンが繰り広げられるのです。
ところがギッチョン、続く(というか再スタートする)『罪滅し編』では、主人公はちょっとだけしっかりした人間になり、個人的な悩みから誰かに殺意をいだき連続殺人に加担しそうになってしまう仲間を、他の仲間たちと協力して説得するのです。
「どうして俺達に相談してくれなかったんだよ?」
「苦しんでる仲間を誰が見捨てるかよ!!」
……いや、確かにね、そこだけ取ると青臭いセリフですよ。でも、前のお話でそうできなかった主人公が心の底からこれを叫ぶもんだから、なんかジーンときちゃうんですよねぇ。しかし残念ながらこの主人公の願いもむなしく、暴走した仲間は最悪のパターンの再現へと突進してしまう。
が、その時奇跡が! なんと、この『罪滅し編』の世界ではないはずの『鬼隠し編』の血みどろの最期が、なぜか主人公の脳裏に閃光のように浮かび上がる!(この「なぜか」には、ちゃんとした壮大な理由があるのですが……モゴモゴ)
教室で突然絶叫する主人公!
「馬鹿野郎ぉおぉおおおぉお!!!」
当然ながらビクッとする仲間たち。「どうしたの……!?」
「どうして!! 仲間が信じろと言っているのにどうして……!! 何で俺は信じられなかったんだよォオオ!!」
そして決意!
「あいつの目は俺が覚ます。俺が救う!! 俺は諦めねぇぜ。諦めるって事は、信じないって事だ。俺はあいつを、仲間の絆を信じてる。だから間に合うんだ」
「惨劇なんて起こさせねぇ! 絶対にだ!!」
そして、怒濤のラストへ一直線。
すみません、私が感動したのはこの後のクライマックスシーンなんですが……言っちゃいけないですよね、なんてったってミステリーのラストなんですから。
とにかく笑っちゃうような熱血少年マンガ的大団円なんです。しびれました。
はっきり言っちゃうと『罪滅し編』はきれい事の連続ですし、作画の鈴羅木先生の絵も決して目を見張るほどうまかったりするわけでもないとは思います。でも、あの最悪の『鬼隠し編』があってこの熱い『罪滅し編』がある! このシリーズ構成がうまくきいてるんだなぁ。ニクいぜ竜騎士07!
『ひぐらしのなく頃に 罪滅し編』。なかなか読み始めるまでのハードルが高い作品ですが、久しぶりに馬鹿馬鹿しいくらいに熱い作品を読みたいと言う方には、『鬼隠し編』とあわせておすすめします。びっくりしました、あたしゃ。
(すいませ~ん、またしても長文になってしまいました! 次こそはダイエット!)
あと、今日は久しぶりに映画館に行ってきました。観たのはご存じ、『借りぐらしのアリエッティ』! いや~、感動しました。二回泣いてしまいました。現在公開中の映画ですので、具体的にどこがどう良かったとか言うのは野暮なんでやめますが、まだ観ていないという方は、ぜひとも映画館でやっているうちに観に行っていただきたいなぁと思います。ジブリ作品としてもアニメ作品としても日本映画としても地球の映画としても、近年まれに見る名作ですよ! いやこれ、大げさな表現じゃないと思うなぁ。
あ、感動したといえば、私そうだいは最近ひさしぶりに、マンガを読んでいて鳥肌のたつほど感動するという経験をしました。私自身マンガを読む機会がそう多くないので、こんなことは五年に一回ぐらいのペースでしかないんですが。
その最近感動したマンガというのは、『ひぐらしのなく頃に 罪滅し編』(画・鈴羅木かりん スクウェアエニックス発行 2007~8年作品 全4巻)です。
「え、いまさら~!?」という声が聞こえてきそうで汗顔のいたりなんですが、そうなんですよ、いまさらハマッてしまったんです、『ひぐらしのなく頃に』シリーズ!
ご存じない方のために簡単に言いますと、『ひぐらしのなく頃に』シリーズとは、もともと2002~2006年にパソコン用の同人ゲームとして制作されたもので、都市から離れ山に囲まれた小さな村「雛見沢(ひなみざわ)」で発生する連続殺人事件の謎を追う、といった趣向のミステリー連作でした(原作・竜騎士07)。やがてこのシリーズの人気は爆発的に拡大し、PS2やニンテンドーDSでの再ゲーム化や、2006年から2009年にかけての3シーズンのアニメ化、2本の実写映画化などが次々に展開してゆく大ブームとなりました。作品の内容は、いかにも秋葉原の皆さんにウケそうな目のでっかいアニメ絵の美少女たちが血みどろの惨劇に巻き込まれていくというキッツイもので、ナタを持ってほほえむ少女のイラストも印象的ですし、実際に発生した未成年の猟奇殺人事件に悪影響を与えたという理由で、当時やっていたアニメシリーズが放送終了になったというニュースをおぼえている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まぁとにかく、「萌え~」とかいう世界が好きではない、もしくは理解できないという方にとっては、なかなか取っつきにくい物語です。番外編も合わせるとシリーズは膨大な数になってしまいますし、正直言って私そうだいも「メイド~」とか「かぁいい~」、「はう~」とかいうセリフの乱舞する序盤には少々ヘキエキしました。
ところが! ところがこのシリーズの真の魅力は、美少女たちの「萌え~」なかわいさにも、ミステリーとしての連続殺人の謎にもないんです。じゃどこにあるのかというと、このシリーズそのものの「ありかた」にあるんです。私の言ってることが通じるかどうか不安なんですが、このシリーズは時系列が一つ一つじゅずのように一列になって続いているのではなく、物語上のどこかの「分岐点」から何通りも分岐した続きが並列している、というありかたなんです。わっかるかな~?
たとえば、お祭りに行った主人公がA子さんと一緒に行動することによってある一つの物語が作られていくのですが、別のB子さんと一緒に行動すると全く違う物語が始まってしまう、という感じなんです。したがって、シリーズのうちのある物語では連続殺人の犠牲になってしまうキャラクターが、ある物語ではピンピンして活躍している、ということもありうるのです。もちろん、事件の真相が全く違うということも……
なにぶんミステリー作品なもので、シリーズの内容についてはこれ以上はなにも言えないのですが、私が感動したのはそのシリーズのうちの一つ、『罪滅し(つみほろぼし)編』でした。
上のブームにあわせて、『ひぐらしのなく頃に』シリーズのうちの主要8作がスクウェアエニックス発行のマンガ雑誌でマンガ化されることになり、『罪滅し編』もその中に入っていたわけなんですが、この『罪滅し編』に先行して、同じ作画者(鈴羅木かりん)の描く『鬼隠し編』という作品が連載されました。
『罪滅し編』の前に『鬼隠し編』の話をしてしまうのですが、この『鬼隠し編』がとんでもないバッドエンドな終わり方をするんです……主人公である少年の何気ない行動が他の仲間たちの誤解をまねき、逆にその仲間たちの反応が主人公に疑惑の芽を生みつけます。「まさか、あいつが殺人犯なのか?」悪循環に悪循環を呼んでしまい、何人かのかわいいヒロインと主人公はなんの救いもない血みどろのラストを迎えて、連続殺人の真相も闇の中。『鬼隠し編』では最悪のパターンが繰り広げられるのです。
ところがギッチョン、続く(というか再スタートする)『罪滅し編』では、主人公はちょっとだけしっかりした人間になり、個人的な悩みから誰かに殺意をいだき連続殺人に加担しそうになってしまう仲間を、他の仲間たちと協力して説得するのです。
「どうして俺達に相談してくれなかったんだよ?」
「苦しんでる仲間を誰が見捨てるかよ!!」
……いや、確かにね、そこだけ取ると青臭いセリフですよ。でも、前のお話でそうできなかった主人公が心の底からこれを叫ぶもんだから、なんかジーンときちゃうんですよねぇ。しかし残念ながらこの主人公の願いもむなしく、暴走した仲間は最悪のパターンの再現へと突進してしまう。
が、その時奇跡が! なんと、この『罪滅し編』の世界ではないはずの『鬼隠し編』の血みどろの最期が、なぜか主人公の脳裏に閃光のように浮かび上がる!(この「なぜか」には、ちゃんとした壮大な理由があるのですが……モゴモゴ)
教室で突然絶叫する主人公!
「馬鹿野郎ぉおぉおおおぉお!!!」
当然ながらビクッとする仲間たち。「どうしたの……!?」
「どうして!! 仲間が信じろと言っているのにどうして……!! 何で俺は信じられなかったんだよォオオ!!」
そして決意!
「あいつの目は俺が覚ます。俺が救う!! 俺は諦めねぇぜ。諦めるって事は、信じないって事だ。俺はあいつを、仲間の絆を信じてる。だから間に合うんだ」
「惨劇なんて起こさせねぇ! 絶対にだ!!」
そして、怒濤のラストへ一直線。
すみません、私が感動したのはこの後のクライマックスシーンなんですが……言っちゃいけないですよね、なんてったってミステリーのラストなんですから。
とにかく笑っちゃうような熱血少年マンガ的大団円なんです。しびれました。
はっきり言っちゃうと『罪滅し編』はきれい事の連続ですし、作画の鈴羅木先生の絵も決して目を見張るほどうまかったりするわけでもないとは思います。でも、あの最悪の『鬼隠し編』があってこの熱い『罪滅し編』がある! このシリーズ構成がうまくきいてるんだなぁ。ニクいぜ竜騎士07!
『ひぐらしのなく頃に 罪滅し編』。なかなか読み始めるまでのハードルが高い作品ですが、久しぶりに馬鹿馬鹿しいくらいに熱い作品を読みたいと言う方には、『鬼隠し編』とあわせておすすめします。びっくりしました、あたしゃ。
(すいませ~ん、またしても長文になってしまいました! 次こそはダイエット!)
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