い~っつま~っでつづ~っくの~、こ~の~さむ~さぁ~。
天気がいいのは爽快なんですけどねぇ。どうもこんにちは、そうだいです~。
今日は節分ですか。なんか個人的な感覚なんですけど、気がついたらもうイメージ的に「節分に食べるもの」としての恵方巻き寿司が炒った大豆に拮抗しているのがビックリなんですよねぇ。もしかして、もう勝っちゃってる? 少なくとも20世紀中には、私は恵方巻きなんていう習慣、聞いたこともなかったのに。
まぁ、今日は山形でもちゃんとみなさん恵方巻きを食べるんですよねぇ....おいしいから浸透するのも無理はないか。だって、相手が炒った大豆なんですからね。おそらく征服は楽勝だったのでしょう。炒った大豆陣営の奮起に期待したいです。
さんざんっぱら言っているように、わたくしパソコンを換えたわけなのですが、キーボードの打ちぐあいが違う上に、ビミョ~に「!」とか「?」とかの記号の出し方とか、エンターキーの位置がちょびっとだけズレているのがとっても新鮮なんですよね!
だいぶ慣れてきましたが、「あっ、こういうところでひっかかるんだ、オレ!」というどうでもいい発見と、見る見るうちに新しいやり方に順応していく脳みそに、「あぁ、オレは生きているんだなぁ~。」というどうでもいい確認をしている今日この頃です。実感は大事ですよね~。
さて! 2月最初のお題は先月から引っぱってきた超有名歴史シミュレーションゲーム『信長の野望』シリーズの回想でございます。
みなさん、『信長の野望』シリーズはやったこと、ありますか?
前回にあげた、2012年1月現在の時点でのシリーズ全13作のうち、私がやった経験のある作品は古い順に数えた9作品なのでデカい口はたたけないのですが、おもしろいんですよねぇ~!! このシリーズ。
この、「おもしろい」という表現がなかなか難しいところでして、はっきり言って、少なくとも私がやったことのある9作品は押しなべて、
ゲーム開始から終了まで、プレイ中ずっとおもしろいわけでは決してない!!
こここそが『信長の野望』の特徴というか、らしいところなんだと思うんです、あたしゃ。
このゲームは序盤は敵勢力が強すぎてつらいし、終盤は終盤で自分が無敵になりすぎていてかなりつまらなくなります。
要するに、ちょうどいい感じに自分のプレイしている大名勢力が強くなって、いい感じに強さが拮抗しているライヴァル大名とタイマンをはっているという中盤の展開がたまらなくおもしろいのです。そして、その時期を夢見ながら序盤にこつこつと田んぼをたがやしたり隣国大名のガードの弱い地域に攻め込んで版図を広げたりしていき、すべてが磐石になった終盤に、そういった苦難の時期を思い起こして「わしもここまできたのか....」と、自分の勢力の色で染まった日本地図を見てニヤニヤするのが『信長の野望』の醍醐味というわけなんですなぁ~。
地味だ。とてつもなく地味なゲームです。もちろん、「戦争」という派手なイベントも起こすことはできるわけなのですが、ちゃんとそこにいくまでの兵糧や戦闘人員の確保、戦後の領国内のケアなどといった地味な作業をしっかりしてからやらないといけない。天下統一に焦るあまりにしょっちゅう戦争ばかりやっていたらたちまち息切れして滅亡してしまいます。
そう、『信長の野望』とは、「つらい仕事」「やりたくない仕事」を他ならぬ自分自身がちゃんとやらないと目的が達成できない、「たのしいゲーム」という観点からはかけ離れた部分に楽しさを見いだす驚異の逆説ゲームだったのです。なかなか万人におすすめできるものではない! でも味を占めたら抜け出せなくなるんだなぁ~。
こういうゲームなんでね....私も子どものころからこの『信長の野望』にハマッていたわけではありませんでした。
っていうか、よくよく考えてみると、私が『信長の野望』に夢中になっていた期間は「大学時代からの10年間」程度だったんですね。自分でもビックリするほどあさっ!
思い起こせば、私と『信長の野望』との出会いそのものは中学生になりたてのころ、スーパーファミコン版で出ていたシリーズ第4作『武将風雲録』を親に買ってもらったことがきっかけだったと記憶しています。
ところが! この『武将風雲録』自体は確かにおもしろかったのですが、なんと私がプレイしたカセットが、
「3ヶ国を領国にした時点でゲームをセーブするとかならず『バックアップがありません。』という表示とともにデータが消える」
というアホみたいな欠陥をかかえていたものだったのです。ひどすぎね!?
だがしかし、買ったゲーム店に駆け込もうにも、「ゲームカセットをちゃんと箱に入れずにはだかのまんまで引き出しにほっぽり入れる」というファミコン時代以来の保管法を継承していたからぶっ壊れたという自業自得な現場状況だったためそのまま黙って廃棄ということになり、少年時代の私の中での『信長の野望』の印象はまったく「評価不能!」なものになってしまっていたのです。
そのため、私が本格的にハマることとなった直接のきっかけは大学時代、サークルのたまり部屋にあった古いファミコンの第3作『戦国群雄伝』と、因縁のスーファミ版『武将風雲録』でした。
こっちはどっちもカセットの保存状態がよかったためにしっかり天下統一に邁進できたんですが、なにしろ大学生は時間があったもんで....「足利義昭」で天下統一した時の夜明けの日射しのなんと美しかったことか。そのあと、学生食堂で食べたカレー大盛りも実にうまかったなぁ。
まぁとにかくその時点で、プレイヤーに「寸暇を惜しむ忍耐と達成」を強制する『信長の野望』のドSぶりにゾッコンになってしまった私は、ほかのシリーズ作品も次々とプレイしていくようになったのです。
私はプレステ系などのゲーム機を持っていなかったので、私がやったシリーズ作品は『戦国群雄伝』と『武将風雲録』以外のものは7作すべてパソコンゲーム版のものでした。なので、第1作と第2作『全国版』はいくぶんブラッシュアップされたものをプレイしています。
いやぁ~、『信長の野望』はおもしろいんですけど、そのおもしろさを味わうには1人の大名で天下統一するだけでは物足りませんね。
それはもちろんそうで、「ゲーム開始から何ヶ国かの領国を持っている有力大名」と「お城1つしか持っていなくてロクな家臣もいないし自分自身の能力もたいしたことないビンボー大名」とでは、ゲームの楽しみ方がぜんっぜん違うんですよね~。
『信長の野望』はまさしくタイトルの通りに「織田信長」でプレイするのが天下統一へのいちばんの近道になっておりまして、信長個人の能力もさることながら、羽柴秀吉やら明智光秀やら柴田勝家やらといった家臣も質量ともに充実しているし、むしろ信長でプレイして天下統一できないのがおかしいといった偏りぐあいになっているのですが、そこはひねくれものの私ですから、もちろん信長でも1回はやってみますが、もうちょっと天下統一が難しそうな大名でプレイすることが通例となっています。
まず、1作につき10人の大名くらいで天下統一してみないと、その作品独自の味わいみたいなものはわかってきませんやねぇ。
私がよく選択する大名のラインナップはこういったあんばいです。
1、なにはなくとも足利義昭(か、兄貴の義輝)
・細川藤孝しか頼りになる家臣がいない、織田信長と隣り合わせなど、絵に描いたような逆境ぞろいで、史実とあわせても天下統一を果たした時の達成感がハンパない
2、やっぱり今川氏真
・もし氏真が本気を出していたら挽回できていたのか? という日本史の大問題が明らかに
3、這い上がれ! 武田勝頼
・2、と同じ理由だが、役に立つ家臣がごっそり長篠合戦で死んでいるという絶体絶命感が燃える
4、オレは馬鹿息子じゃねぇ! 北条氏政
・2、と同じ理由だが、家臣が充実しているので意外と簡単
5、オレも馬鹿孫じゃねぇ! 毛利輝元
・2、と同じ理由だが、領国が多い割りにいい家臣が少ないので意外と大変
6、信長が来る前に天下を取れ! 三好長慶
・一見簡単そうに見えるが、家臣に「戦国一のクセ者」松永久秀はいるし、自身も早死にするしでけっこうおもしろい
7、地元なんで....最上義守
・ふつうに有能な最上義光(よしあき)よりも、無能そのものな能力設定の父・義守のほうがやってて楽しいです
8、シナリオによっては独立している松永久秀
・ゲーム開始時に年齢が「60代」というすばらしさ!! 天下統一したころにはたいてい90才前後になっていて、息子の松永久通に先立たれているという無常感が涙を誘う
9、シナリオによっては独立している明智光秀
・これもいいですね!! 家臣は少ないしまわりは強敵ばっかだし....本人もなにげに老い先短い
10、『天翔記』シナリオでの豊臣秀頼
・これで徳川家をブッつぶしたときの爽快感といったら!! 淀母ちゃんが驚くほど役に立たない
いや~、燃えたねぇ。みなさまには本当にがんばっていただきました。
ところでみなさん、「戦国時代最強の武将」は誰だと思いますか?
おそらく、『信長の野望』をプレイしたことのある方に聞いたら9割がたが即答するのは、やっぱり「越後の龍」こと、「毘沙門ターミネーター」上杉謙信(長尾景虎)なんじゃないでしょうか。
だいたい、ゲーム上で数値設定されている戦闘力(統率力)が「60」あったらそこそこ戦場で役に立ち、「80~90」あったら(織田信長や武田信玄はこのあたり)まず天下統一はカタいと思われる『信長の野望』の世界で、長尾景虎は驚異の「110」前後!! 鉄砲隊をもものともしない景虎騎馬隊の突撃は、もはや『風の谷のナウシカ』の巨神兵に近い攻撃力を誇っており、とにかく敵には回したくない憎いあんちきしょうです。
そこは私も激しく同意なのですが、実は私の100回を超える「天下統一歴」の中でも、ちょっと別格で強敵だと実感してしまった武将は長尾景虎じゃなかったんです。そう、景虎ちゃんさえ比較にならない猛者が他にいたんですよ。
その名はズバリ、第7作『将星録』で私が「尼子晴久(あまご はるひさ)」でプレイした時の、尼子家不倶戴天の敵、「毛利元就」!!
....え? 確かに強敵だろうけどいまいちピンとこない?
まぁ聞いてくださいよ。とんでもねぇお方だったんですから....あれには震えましたね。
記録によると、それは永禄6(1563)年4月、尼子晴久(50才)が毛利元就(67才)をついに最終拠点・安芸国吉田郡山城にまで追い詰めた時に起こったという。
尼子軍は動員できるかぎりの軍勢を率いて前年暮れから半年にわたって城を包囲していたが、しびれをきらした晴久はついに総攻撃を号令。
しかし、ただでさえ天下の堅城として有名であるのに加え、驚異の「智謀力100」を誇る元就を総大将にいただく吉田郡山城を正攻法で陥落させることは困難を極め、ひんぱんに本丸の元就が発する「虚言」をいちいち真に受けるバカ正直な尼子軍は大混乱に陥って城側の弓矢攻撃の餌食となっていた。だって、尼子晴久が「智謀力20」なんですもの....
だが、そういった毛利軍の抵抗もついに限界を迎え、尼子勢の第1軍・陶隆房(もと大内家家臣)、第2軍・尼子国久(晴久の叔父)の絶え間ない攻撃を受けて城の防御力は危険水域にまで減衰し、最後の第3軍・尼子晴久本陣の本丸への侵入ももはや目前に迫りつつあった。
そして、ついに吉田郡山城本丸で元就本陣と尼子勢が直接激突!
最後の抵抗もむなしく、元就の手勢5000名がみるみるうちに尼子軍の突撃の前に倒れていく。
残り3000....1000....700....400....50名!! あと一撃、あと一撃でにっくき毛利軍が壊滅する! あと1ターンですべてが決すると思われた、その時!!
フッ....
あ、あれ? 画面が消えたよ? っていうか、部屋ぜんたいの電気がおちて真っ暗になっちゃったよ....
そう、智将・毛利元就はなんと、最後の手段として史上最大の奇策「プレイヤーの部屋停電の計」を起こしてしまったのです!! 諸葛亮でもなかなかこれはできねぇよ。
え、えぇ~....そこまでやる!? そんなに負けたくないのか、この漢(おとこ)は。
もう文句のつけようがありません。ここまできたらあっぱれ!! あたしゃ笑っちゃったよ。
もちのろん、苦心の城攻めの軌跡はオール消去。結局はいちからやり直しになってしまいました。まぁ、次にはさすがの毛利元就もしぶしぶ負けて切腹してくれたんですけどね。
プレイヤーの実生活さえもおびやかす毛利元就の恐怖の智謀。
ここまで食い下がってくれる奴は他にいませんでしたね。長いこと、ゲームの中でいろんな戦国武将と死闘を繰り広げてきましたが、「ホンモノの武者」と戦ったかのような鳥肌経験を味わったのはこの時だけでした。
恐ろしい敵だった....まぁ、私が電気ストーブと洗濯機と電子レンジを同時に動かしたのがいけなかっただけなんですけど。
そんな楽しい思い出ももたらしてくれた『信長の野望』シリーズなのですが、あとはやはり、作品を追うごとに、より「実際の戦国大名」になったかのようなリアル要素がつけ加えられてくるのがたまらない魅力ですね。当然、その分プレイは複雑になってくるわけなのですが。
第1作では、限られたマスを占領していくだけの単なるウォーゲームだったものが、『全国版』で日本全国になり、『戦国群雄伝』で家臣が加わり、『武将風雲録』で文化という要素、『覇王伝』で知行制、『天翔記』で軍団制、『将星録』で内政グラフィック、『烈風伝』で大名威信、『嵐世記』で武士以外の諸勢力が加わっていくというこの飽くなき進化の道!! ワクワクしますねぇ~。
ただ、普通にゲームを楽しむばかりでなく、鹿児島県か北海道の片隅にしか抵抗勢力が残っておらず、もはや「天下統一でいんじゃね?」という空気ムンムンであるのにも関わらず、敵意もない相手をつぶさなければならない自らの性(さが)に感じる「争いのむなしさ」、相手に蹂躙される危険をまぬがれて秋に豊穣な収穫をもたらす一面の大地の黄金色、そして、天下統一のために消えていった百万にもおよぼうかという犠牲者のことを思うと、ゲーム終了の時には「戦争はイカンなぁ、やっぱ....」という気持ちに浸ってしまうのです。それでもまたやり直しちゃうんですけど。いいゲームだわ。
あと、忠誠度のひとつも下げずに戦場の最前線に出向いてくれる家臣や、現代の銃器なみに性能の信頼できる火縄銃に、戦法として成立していなかったはずの騎馬隊突撃の多用、有名だからということで能力値が上がる武将差別や日本全国の戦国大名がみんないっせいのドンで天下統一を目指すことの不自然さなど、実際の戦国時代とフィクションの『信長の野望』との違いを歴史研究書などで調べて比較してみるのもおもしろいのではないでしょうか。確かに、「職業軍人の部隊」を養成したから織田信長は勢力を拡大できた、という観点は『信長の野望』ではわかりませんよね。
とにかく、『信長の野望』シリーズには、ただ楽しむばかりでなく実にいろんなことを学んだんですよねぇ。お世話になりました!
また、これからも最近のシリーズをやっていきたいのですが....徹夜できるかどうか体力面で不安が。オッサン~。
何度でも足利幕府を復興させてみせるぞ....次の決戦を楽しみにしておるぞよ、信長どの~。おっほっほっほ!!
天気がいいのは爽快なんですけどねぇ。どうもこんにちは、そうだいです~。
今日は節分ですか。なんか個人的な感覚なんですけど、気がついたらもうイメージ的に「節分に食べるもの」としての恵方巻き寿司が炒った大豆に拮抗しているのがビックリなんですよねぇ。もしかして、もう勝っちゃってる? 少なくとも20世紀中には、私は恵方巻きなんていう習慣、聞いたこともなかったのに。
まぁ、今日は山形でもちゃんとみなさん恵方巻きを食べるんですよねぇ....おいしいから浸透するのも無理はないか。だって、相手が炒った大豆なんですからね。おそらく征服は楽勝だったのでしょう。炒った大豆陣営の奮起に期待したいです。
さんざんっぱら言っているように、わたくしパソコンを換えたわけなのですが、キーボードの打ちぐあいが違う上に、ビミョ~に「!」とか「?」とかの記号の出し方とか、エンターキーの位置がちょびっとだけズレているのがとっても新鮮なんですよね!
だいぶ慣れてきましたが、「あっ、こういうところでひっかかるんだ、オレ!」というどうでもいい発見と、見る見るうちに新しいやり方に順応していく脳みそに、「あぁ、オレは生きているんだなぁ~。」というどうでもいい確認をしている今日この頃です。実感は大事ですよね~。
さて! 2月最初のお題は先月から引っぱってきた超有名歴史シミュレーションゲーム『信長の野望』シリーズの回想でございます。
みなさん、『信長の野望』シリーズはやったこと、ありますか?
前回にあげた、2012年1月現在の時点でのシリーズ全13作のうち、私がやった経験のある作品は古い順に数えた9作品なのでデカい口はたたけないのですが、おもしろいんですよねぇ~!! このシリーズ。
この、「おもしろい」という表現がなかなか難しいところでして、はっきり言って、少なくとも私がやったことのある9作品は押しなべて、
ゲーム開始から終了まで、プレイ中ずっとおもしろいわけでは決してない!!
こここそが『信長の野望』の特徴というか、らしいところなんだと思うんです、あたしゃ。
このゲームは序盤は敵勢力が強すぎてつらいし、終盤は終盤で自分が無敵になりすぎていてかなりつまらなくなります。
要するに、ちょうどいい感じに自分のプレイしている大名勢力が強くなって、いい感じに強さが拮抗しているライヴァル大名とタイマンをはっているという中盤の展開がたまらなくおもしろいのです。そして、その時期を夢見ながら序盤にこつこつと田んぼをたがやしたり隣国大名のガードの弱い地域に攻め込んで版図を広げたりしていき、すべてが磐石になった終盤に、そういった苦難の時期を思い起こして「わしもここまできたのか....」と、自分の勢力の色で染まった日本地図を見てニヤニヤするのが『信長の野望』の醍醐味というわけなんですなぁ~。
地味だ。とてつもなく地味なゲームです。もちろん、「戦争」という派手なイベントも起こすことはできるわけなのですが、ちゃんとそこにいくまでの兵糧や戦闘人員の確保、戦後の領国内のケアなどといった地味な作業をしっかりしてからやらないといけない。天下統一に焦るあまりにしょっちゅう戦争ばかりやっていたらたちまち息切れして滅亡してしまいます。
そう、『信長の野望』とは、「つらい仕事」「やりたくない仕事」を他ならぬ自分自身がちゃんとやらないと目的が達成できない、「たのしいゲーム」という観点からはかけ離れた部分に楽しさを見いだす驚異の逆説ゲームだったのです。なかなか万人におすすめできるものではない! でも味を占めたら抜け出せなくなるんだなぁ~。
こういうゲームなんでね....私も子どものころからこの『信長の野望』にハマッていたわけではありませんでした。
っていうか、よくよく考えてみると、私が『信長の野望』に夢中になっていた期間は「大学時代からの10年間」程度だったんですね。自分でもビックリするほどあさっ!
思い起こせば、私と『信長の野望』との出会いそのものは中学生になりたてのころ、スーパーファミコン版で出ていたシリーズ第4作『武将風雲録』を親に買ってもらったことがきっかけだったと記憶しています。
ところが! この『武将風雲録』自体は確かにおもしろかったのですが、なんと私がプレイしたカセットが、
「3ヶ国を領国にした時点でゲームをセーブするとかならず『バックアップがありません。』という表示とともにデータが消える」
というアホみたいな欠陥をかかえていたものだったのです。ひどすぎね!?
だがしかし、買ったゲーム店に駆け込もうにも、「ゲームカセットをちゃんと箱に入れずにはだかのまんまで引き出しにほっぽり入れる」というファミコン時代以来の保管法を継承していたからぶっ壊れたという自業自得な現場状況だったためそのまま黙って廃棄ということになり、少年時代の私の中での『信長の野望』の印象はまったく「評価不能!」なものになってしまっていたのです。
そのため、私が本格的にハマることとなった直接のきっかけは大学時代、サークルのたまり部屋にあった古いファミコンの第3作『戦国群雄伝』と、因縁のスーファミ版『武将風雲録』でした。
こっちはどっちもカセットの保存状態がよかったためにしっかり天下統一に邁進できたんですが、なにしろ大学生は時間があったもんで....「足利義昭」で天下統一した時の夜明けの日射しのなんと美しかったことか。そのあと、学生食堂で食べたカレー大盛りも実にうまかったなぁ。
まぁとにかくその時点で、プレイヤーに「寸暇を惜しむ忍耐と達成」を強制する『信長の野望』のドSぶりにゾッコンになってしまった私は、ほかのシリーズ作品も次々とプレイしていくようになったのです。
私はプレステ系などのゲーム機を持っていなかったので、私がやったシリーズ作品は『戦国群雄伝』と『武将風雲録』以外のものは7作すべてパソコンゲーム版のものでした。なので、第1作と第2作『全国版』はいくぶんブラッシュアップされたものをプレイしています。
いやぁ~、『信長の野望』はおもしろいんですけど、そのおもしろさを味わうには1人の大名で天下統一するだけでは物足りませんね。
それはもちろんそうで、「ゲーム開始から何ヶ国かの領国を持っている有力大名」と「お城1つしか持っていなくてロクな家臣もいないし自分自身の能力もたいしたことないビンボー大名」とでは、ゲームの楽しみ方がぜんっぜん違うんですよね~。
『信長の野望』はまさしくタイトルの通りに「織田信長」でプレイするのが天下統一へのいちばんの近道になっておりまして、信長個人の能力もさることながら、羽柴秀吉やら明智光秀やら柴田勝家やらといった家臣も質量ともに充実しているし、むしろ信長でプレイして天下統一できないのがおかしいといった偏りぐあいになっているのですが、そこはひねくれものの私ですから、もちろん信長でも1回はやってみますが、もうちょっと天下統一が難しそうな大名でプレイすることが通例となっています。
まず、1作につき10人の大名くらいで天下統一してみないと、その作品独自の味わいみたいなものはわかってきませんやねぇ。
私がよく選択する大名のラインナップはこういったあんばいです。
1、なにはなくとも足利義昭(か、兄貴の義輝)
・細川藤孝しか頼りになる家臣がいない、織田信長と隣り合わせなど、絵に描いたような逆境ぞろいで、史実とあわせても天下統一を果たした時の達成感がハンパない
2、やっぱり今川氏真
・もし氏真が本気を出していたら挽回できていたのか? という日本史の大問題が明らかに
3、這い上がれ! 武田勝頼
・2、と同じ理由だが、役に立つ家臣がごっそり長篠合戦で死んでいるという絶体絶命感が燃える
4、オレは馬鹿息子じゃねぇ! 北条氏政
・2、と同じ理由だが、家臣が充実しているので意外と簡単
5、オレも馬鹿孫じゃねぇ! 毛利輝元
・2、と同じ理由だが、領国が多い割りにいい家臣が少ないので意外と大変
6、信長が来る前に天下を取れ! 三好長慶
・一見簡単そうに見えるが、家臣に「戦国一のクセ者」松永久秀はいるし、自身も早死にするしでけっこうおもしろい
7、地元なんで....最上義守
・ふつうに有能な最上義光(よしあき)よりも、無能そのものな能力設定の父・義守のほうがやってて楽しいです
8、シナリオによっては独立している松永久秀
・ゲーム開始時に年齢が「60代」というすばらしさ!! 天下統一したころにはたいてい90才前後になっていて、息子の松永久通に先立たれているという無常感が涙を誘う
9、シナリオによっては独立している明智光秀
・これもいいですね!! 家臣は少ないしまわりは強敵ばっかだし....本人もなにげに老い先短い
10、『天翔記』シナリオでの豊臣秀頼
・これで徳川家をブッつぶしたときの爽快感といったら!! 淀母ちゃんが驚くほど役に立たない
いや~、燃えたねぇ。みなさまには本当にがんばっていただきました。
ところでみなさん、「戦国時代最強の武将」は誰だと思いますか?
おそらく、『信長の野望』をプレイしたことのある方に聞いたら9割がたが即答するのは、やっぱり「越後の龍」こと、「毘沙門ターミネーター」上杉謙信(長尾景虎)なんじゃないでしょうか。
だいたい、ゲーム上で数値設定されている戦闘力(統率力)が「60」あったらそこそこ戦場で役に立ち、「80~90」あったら(織田信長や武田信玄はこのあたり)まず天下統一はカタいと思われる『信長の野望』の世界で、長尾景虎は驚異の「110」前後!! 鉄砲隊をもものともしない景虎騎馬隊の突撃は、もはや『風の谷のナウシカ』の巨神兵に近い攻撃力を誇っており、とにかく敵には回したくない憎いあんちきしょうです。
そこは私も激しく同意なのですが、実は私の100回を超える「天下統一歴」の中でも、ちょっと別格で強敵だと実感してしまった武将は長尾景虎じゃなかったんです。そう、景虎ちゃんさえ比較にならない猛者が他にいたんですよ。
その名はズバリ、第7作『将星録』で私が「尼子晴久(あまご はるひさ)」でプレイした時の、尼子家不倶戴天の敵、「毛利元就」!!
....え? 確かに強敵だろうけどいまいちピンとこない?
まぁ聞いてくださいよ。とんでもねぇお方だったんですから....あれには震えましたね。
記録によると、それは永禄6(1563)年4月、尼子晴久(50才)が毛利元就(67才)をついに最終拠点・安芸国吉田郡山城にまで追い詰めた時に起こったという。
尼子軍は動員できるかぎりの軍勢を率いて前年暮れから半年にわたって城を包囲していたが、しびれをきらした晴久はついに総攻撃を号令。
しかし、ただでさえ天下の堅城として有名であるのに加え、驚異の「智謀力100」を誇る元就を総大将にいただく吉田郡山城を正攻法で陥落させることは困難を極め、ひんぱんに本丸の元就が発する「虚言」をいちいち真に受けるバカ正直な尼子軍は大混乱に陥って城側の弓矢攻撃の餌食となっていた。だって、尼子晴久が「智謀力20」なんですもの....
だが、そういった毛利軍の抵抗もついに限界を迎え、尼子勢の第1軍・陶隆房(もと大内家家臣)、第2軍・尼子国久(晴久の叔父)の絶え間ない攻撃を受けて城の防御力は危険水域にまで減衰し、最後の第3軍・尼子晴久本陣の本丸への侵入ももはや目前に迫りつつあった。
そして、ついに吉田郡山城本丸で元就本陣と尼子勢が直接激突!
最後の抵抗もむなしく、元就の手勢5000名がみるみるうちに尼子軍の突撃の前に倒れていく。
残り3000....1000....700....400....50名!! あと一撃、あと一撃でにっくき毛利軍が壊滅する! あと1ターンですべてが決すると思われた、その時!!
フッ....
あ、あれ? 画面が消えたよ? っていうか、部屋ぜんたいの電気がおちて真っ暗になっちゃったよ....
そう、智将・毛利元就はなんと、最後の手段として史上最大の奇策「プレイヤーの部屋停電の計」を起こしてしまったのです!! 諸葛亮でもなかなかこれはできねぇよ。
え、えぇ~....そこまでやる!? そんなに負けたくないのか、この漢(おとこ)は。
もう文句のつけようがありません。ここまできたらあっぱれ!! あたしゃ笑っちゃったよ。
もちのろん、苦心の城攻めの軌跡はオール消去。結局はいちからやり直しになってしまいました。まぁ、次にはさすがの毛利元就もしぶしぶ負けて切腹してくれたんですけどね。
プレイヤーの実生活さえもおびやかす毛利元就の恐怖の智謀。
ここまで食い下がってくれる奴は他にいませんでしたね。長いこと、ゲームの中でいろんな戦国武将と死闘を繰り広げてきましたが、「ホンモノの武者」と戦ったかのような鳥肌経験を味わったのはこの時だけでした。
恐ろしい敵だった....まぁ、私が電気ストーブと洗濯機と電子レンジを同時に動かしたのがいけなかっただけなんですけど。
そんな楽しい思い出ももたらしてくれた『信長の野望』シリーズなのですが、あとはやはり、作品を追うごとに、より「実際の戦国大名」になったかのようなリアル要素がつけ加えられてくるのがたまらない魅力ですね。当然、その分プレイは複雑になってくるわけなのですが。
第1作では、限られたマスを占領していくだけの単なるウォーゲームだったものが、『全国版』で日本全国になり、『戦国群雄伝』で家臣が加わり、『武将風雲録』で文化という要素、『覇王伝』で知行制、『天翔記』で軍団制、『将星録』で内政グラフィック、『烈風伝』で大名威信、『嵐世記』で武士以外の諸勢力が加わっていくというこの飽くなき進化の道!! ワクワクしますねぇ~。
ただ、普通にゲームを楽しむばかりでなく、鹿児島県か北海道の片隅にしか抵抗勢力が残っておらず、もはや「天下統一でいんじゃね?」という空気ムンムンであるのにも関わらず、敵意もない相手をつぶさなければならない自らの性(さが)に感じる「争いのむなしさ」、相手に蹂躙される危険をまぬがれて秋に豊穣な収穫をもたらす一面の大地の黄金色、そして、天下統一のために消えていった百万にもおよぼうかという犠牲者のことを思うと、ゲーム終了の時には「戦争はイカンなぁ、やっぱ....」という気持ちに浸ってしまうのです。それでもまたやり直しちゃうんですけど。いいゲームだわ。
あと、忠誠度のひとつも下げずに戦場の最前線に出向いてくれる家臣や、現代の銃器なみに性能の信頼できる火縄銃に、戦法として成立していなかったはずの騎馬隊突撃の多用、有名だからということで能力値が上がる武将差別や日本全国の戦国大名がみんないっせいのドンで天下統一を目指すことの不自然さなど、実際の戦国時代とフィクションの『信長の野望』との違いを歴史研究書などで調べて比較してみるのもおもしろいのではないでしょうか。確かに、「職業軍人の部隊」を養成したから織田信長は勢力を拡大できた、という観点は『信長の野望』ではわかりませんよね。
とにかく、『信長の野望』シリーズには、ただ楽しむばかりでなく実にいろんなことを学んだんですよねぇ。お世話になりました!
また、これからも最近のシリーズをやっていきたいのですが....徹夜できるかどうか体力面で不安が。オッサン~。
何度でも足利幕府を復興させてみせるぞ....次の決戦を楽しみにしておるぞよ、信長どの~。おっほっほっほ!!