長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

金田一耕助に帰ってきてほしいオレの事件簿  Vol. YOKI (よき)

2012年05月17日 15時18分45秒 | ミステリーまわり
 いや~、すっかりあったかくなりまして……っていうか暑い!? どもども、そうだいです~。
 今日も夜から天気が崩れるっていう話なんですけど、今のところはそんな気配はありませんなぁ。

 でも、たぶん明日は涙雨なんだろうねぇ……

 明日……武道館には行ってみるけどさぁ。ムリだろうなぁ~!!
 今回はなんと、ライヴビューイングも全国各地の映画館で同時開催されるということでね。私の近場では東京の「新宿バルト9」と、わが『長岡京エイリアン』でもすっかりおなじみの桜木町「ブルク13」の2つでやるらしいんですが、すでに新宿バルト9のチケットは完売してしまっているようです。ライヴビューイングでさえチケット入手が困難なんだぜ!? まいったねぇ~コリャ。

 たぶん、今から大急ぎでチケットぴあに申し込んだら、気心の知れたブルク13で、安心して表情が大スクリーンいっぱいに映し出された新垣リーダーや光井さんの晴れ姿が観られるんだと思います。いっぽう、万が一の奇跡が起きて明日、日本武道館の中に入ることができたのだとしても、おそらく相当厳しい鑑賞条件になるであろうことは間違いありません。どっちが快適かっつったら、そりゃあ絶対にライヴビューイングのほうです。

 でも!! 私は明日、日本武道館に行きます。映画館に行く方々もまごうことなき熱い血潮の流れるファンであることは申すまでもないわけなのですが、私はやっぱり、満足にコンサートの内容が楽しめなかったとしても、一瞬だけだったとしても、その場の空気だけは体感して自分のこれからの糧にしていきたいのです。

 と、まぁ、鼻息だけは荒いのですが、たぶん、結局は明日お昼すぎくらいに泣き顔でぴあの窓口に駆け込んで、「ブルク13の座席、あいてますか!?」って訴えることになるんじゃないっすか。
 いいよいいよ、最終的にはどっちつかずのアイウォンチュウになって帰宅することになってもいいっすよ。チャレンジできただけよかったんだから。でもTシャツくらいは買ってこか。


 さてさて、こんな感じの出だしから始まる今回のお話は、予告の通りの映画『星砂の島、私の島』についてのつれづれ……

では、ありません!!

 大変申し訳ないっす。実は今月あたまの「短観」でもちょっとだけ触れた、自分の中での「横溝正史ブーム」がだいぶ昂じてきてしまいましたので、ここから数回は島は島でも「かわいいアイドルがいる星砂の島」ではなく、

「あやしげな美人がいる獄門島とか悪霊島(星砂はないけどホシは必ずいる)」

 のほうが出てくる話題にしたいと思います。どんよりどよどよ、梅雨っぽくっていいねぇ!


 突然ですがみなさん、ここ数年、はかま姿にお釜帽、モジャモジャ頭にゲタばきの名探偵「金田一耕助」のメディア露出がとんとなくなっていることについて、どう思いますか? 私は大変に憂慮しております。

 しかし、昨今の TV放送事情では、かつての大ブームの中でしょっちゅう見られたような「血しぶきドバー! 生首ごろりん☆」的な描写がなかなかしづらくなっているという状況も無視できないようで、これもまぁ仕方のないことなのか、という気にもなってしまいます。

 こんな今だからこそ、あの園子温監督の『冷たい熱帯魚』のように、映画の世界が単にグロテスクなだけでなく、犯罪という手段を選ばざるをえない人間の業を活写した横溝正史ワールドを積極的に再発見していく時代なのではないかと思うのですが、私個人としては誰よりもいちばん金田一耕助ものを手がけてほしかった森田芳光監督も去年に彼岸に旅立たれてしまったし。

 そういった状況でいいかげんに私の中での「金田一耕助成分」も欠乏してきてしまいましたので、ここらでひとつ、今までの長い歴史の中で映画、 TVドラマ、ラジオドラマ、舞台などといった別の世界で「3次元の姿を獲得した金田一耕助もの作品」を、自分でざざーっと整理してながめてみたいと思います。ザッツ・個人ブログ!! いえ~。

 ルールとしては、ジャンルを問わず時期の早い順に一律に並べております。
 そのため、「映画と TVドラマだけ」というしばりになっていることの多い先行資料の中で規定されている「~代目・金田一耕助」とはナンバリングが大きくズレている役者さんも出てくるかと思うのですが、ラジオドラマや舞台などもあわせた結果ですのでご了解ください。

 あと、「舞台の中での金田一耕助」なのですが、ここでは「一般に認知度の高い役者さんが演じている場合」のみを採用しています。もっとぶっちゃけて言ってしまえば、「私そうだいが知らない役者さん」は挙げません。それだけ舞台は記録が残りにくい生ものですし、「小説の舞台化」というよりは「小説の各シーンをつまんでリミックスした舞台」もあるので、横溝正史が決して忘れることのなかった「謎解き」を旨としているかどうかという点では、小説を純粋に3次元化したとはいえない作品も多いからです。忠実かどうかは別としても、映画やドラマはやっぱり観客を「謎」で引っぱろうとする態度ははずしていませんからね。そういう意味ではどんなにヒドい出来でも、やっぱり横溝印はついてるわけですよ。

 んじゃあ、ちゃっちゃといっちゃおうぜぇ~!
 オール金田一耕助大行進の前半戦、カウントぉ~、ダウンっ。


これで全部ですか!? 金田一耕助ものメディア化作品リスト・草創期 ~1940年代から70年代初頭~


映画『三本指の男』(1947年12月公開 監督・松田定次 東映)
 初代・金田一耕助   …… 片岡 千恵蔵(44歳 1983年没)
 初代・磯川常次郎警部 …… 宮口 精二(34歳 1985年没)
 初代・白木静子    …… 原 節子(27歳)
 金田一耕助もの第1作『本陣殺人事件』(1946年4~12月連載)の初映像化
 ※白木静子は東映版オリジナルの金田一耕助の助手(同名の人物は原作小説の『本陣殺人事件』のみに登場している)

映画『獄門島(前篇)』『獄門島 解明篇』(1949年11・12月公開 監督・松田定次 東映)
 初代・金田一耕助    …… 片岡 千恵蔵(46歳)
 2代目・磯川常次郎警部 …… 大友 柳太郎(37歳 1985年没)
 2代目・白木静子    …… 喜多川 千鶴(18歳 1997年没)
 金田一耕助もの長編『獄門島』(1947年1月~48年10月連載)の初映像化

映画『八ツ墓村』(1951年11月公開 監督・松田定次 東映)
 初代・金田一耕助    …… 片岡 千恵蔵(48歳)
 2代目・磯川常次郎警部 …… 大友 柳太郎(39歳)
 3代目・白木静子    …… 相馬 千恵子(29歳)
 金田一耕助もの長編『八つ墓村』(1949年3月~51年1月連載)の初映像化
 ※『八つ墓村』は金田一耕助ものの中で最も映像化回数の多い作品(9回)

映画『毒蛇島綺談 女王蜂』(1952年2月公開 監督・田中重雄 大映)
 2代目・金田一耕助    …… 岡 譲二(50歳 1970年没)
 金田一耕助もの長編『女王蜂』(1951年6月~52年5月連載)の初映像化
 ※2代目金田一役の岡譲二は2年後に初代等々力警部役も演じている

映画『悪魔が来りて笛を吹く』(1954年4月公開 監督・松田定次 東映)
 初代・金田一耕助   …… 片岡 千恵蔵(51歳)
 初代・等々力大志警部 …… 岡 譲二(52歳)
 4代目・白木静子   …… 千原 しのぶ(23歳 2009年没)
 金田一耕助もの長編『悪魔が来りて笛を吹く』(1951年11月~53年11月連載)の初映像化

映画『犬神家の謎 悪魔は踊る』(1954年8月公開 監督・渡辺邦男 東映)
 初代・金田一耕助 …… 片岡 千恵蔵(51歳)
 初代・橘警察署長 …… 進藤 英太郎(55歳 1977年没)
 2代目・白木静子 …… 喜多川 千鶴(23歳)
 金田一耕助もの長編『犬神家の一族』(1950年1月~51年5月連載)の初映像化
 ※『犬神家の一族』は『八つ墓村』に次いで映像化が多い金田一耕助もの作品(8回)

映画『幽霊男』(1954年10月公開 監督・小田基義 東宝)
 3代目・金田一耕助   …… 河津 清三郎(46歳 1983年没)
 2代目・等々力大志警部 …… 清水 元(47歳 1972年没)
 金田一耕助もの長編『幽霊男』(1954年1~10月連載)の唯一の映像化
 
映画『三つ首塔』(1956年4月公開 監督・小林恒夫と小沢茂弘の共同 東映)
 初代・金田一耕助    …… 片岡 千恵蔵(53歳)
 3代目・等々力大志警部 …… 佐々木 孝丸(58歳 1986年没)
 5代目・白木静子    …… 高千穂 ひづる(23歳)
 金田一耕助もの長編『三つ首塔』(1955年1~12月連載)の初映像化
 ※初代金田一・片岡千恵蔵の最後の事件

映画『吸血蛾』(1956年4月公開 監督・中川信夫 東宝)
 4代目・金田一耕助   …… 池部 良(38歳 2010年没)
 4代目・等々力大志警部 …… 小堀 明男(?歳)
 金田一耕助もの長編『吸血蛾』(1955年1~12月連載)の初映像化

TVドラマシリーズ『月曜日の秘密』(1957年2~4月 全11話 日本テレビ)
 2代目・金田一耕助 …… 岡 譲二(55歳)
 全11話中、8話が TVオリジナル脚本だった
・第4話『霧の中の女』(3月放送、1957年1月連載の短編が原作)
・第7話『泥の中の顔』(3月放送、1957年2~3月連載の短編『泥の中の女』が原作)
・最終話『カバンの中の女』(4月放送、1957年4月連載の短編『鞄の中の女』が原作)
 ※金田一耕助もの初の TVドラマシリーズ
 ※2代目金田一・岡譲二の最後の事件

ラジオドラマシリーズ『金田一耕助探偵物語』(1957年11月~58年?月 全9話 ニッポン放送)
 5代目・金田一耕助 …… 高塔 正翁(?歳 声優)
・第1話『獄門岩』(1957年11~12月放送、1955年5月掲載の短編『首』が原作)
・第2話『悪魔のクリスマス』(1957年12月放送、1957年12月掲載の短編版『悪魔の降誕祭』が原作)
・第3話『花園の黒蝶』(1958年1月放送、1954年2月掲載の短編『花園の悪魔』が原作)
・第4話『廃屋の鬼』(1958年1~2月放送、1955年6月掲載の短編『廃園の鬼』が原作)
・第5話『カルメンの死』(1958年2~3月放送、1950年1~3月に連載された横溝正史の「由利麟太郎もの」最後の中編を金田一耕助ものに改変)
・第6話『黒百合姫』(1958年3月放送、1948年1~3月連載の中編『黒蘭姫』が原作)
・第7話『黒猫亭事件』(1958年3~4月放送、1947年12月掲載の中編『黒猫亭事件』が原作)
・第8話『壺を持つ女』(1958年4月放送、1958年3月連載の短編『柩の中の女』が原作)
・最終話『扉の中の女』(1958年5月放送、1957年12月掲載の短編版『扉の影の女』が原作)
 ※金田一耕助もの初のラジオドラマシリーズ
 ※横溝正史の「由利麟太郎もの」が金田一耕助ものに改変された初のケース

映画『悪魔の手毬唄』(1961年11月公開 監督・渡辺邦男 東映)
 6代目・金田一耕助   …… 高倉 健(30歳)
 3代目・磯川常次郎警部 …… 神田 隆(43歳 1986年没)
 6代目・白木静子    …… 北原 しげみ(?歳)
 金田一耕助もの長編『悪魔の手毬唄』(1957年8~59年1月連載)の初映像化
 ※健さんは2012年5月現在にご存命の方々の中では最長老の金田一耕助! でもまるで金田一らしくないシティボーイ
 ※金田一耕助の助手としての白木静子が登場するのは本作が最後だが、その後も似たような「女性の助手」はたま~に復活する

単発ドラマ『白と黒』(1962年11月放送 テレビ朝日)
 7代目・金田一耕助   …… 船山 裕二(33歳)
 5代目・等々力大志警部 …… 須藤 健(46歳)
 金田一耕助もの長編『白と黒』(1960年11~61年10月連載)の唯一の映像化
 ※金田一耕助もの初の単発ドラマだったが、1時間の内容に短縮されている

ラジオドラマ『支那扇の女』(1964年2月放送 NHK第1)
 8代目・金田一耕助   …… 北村 和夫(37歳 2007年没)
 6代目・等々力大志警部 …… 北見 治一(43歳)
 金田一耕助もの長編『支那扇の女』(1960年7月書き下ろし)の唯一のメディア化

単発ドラマ『八つ墓村』(1969年10月放送 テレビ朝日)
 9代目・金田一耕助   …… 金内 吉男(36歳 1992年没)
 金田一耕助もの長編『八つ墓村』の2度目の映像化だが1時間に短縮されていたらしい。できんの!?

まさに不遇時代!! 金田一耕助が登場しない金田一耕助もの
連続ドラマ『蒼いけものたち』(1970年8~9月放送 日本テレビ『火曜日の女』枠)
 金田一耕助もの長編『犬神家の一族』の2度目の映像化
連続ドラマ『おんな友だち』(1971年6~7月放送 日本テレビ『火曜日の女』枠)
 金田一耕助もの長編『悪魔の手毬唄』の2度目の映像化
連続ドラマ『八つ墓村』(1971年8月放送 NHK総合『銀河ドラマ』枠)
 金田一耕助もの長編『八つ墓村』の3度目の映像化
連続ドラマ『いとこ同志』(1972年8~9月放送 日本テレビ『火曜日の女』枠)
 金田一耕助もの長編『三つ首塔』の2度目の映像化


 はいは~い、いったんスト~ップ。あ~疲れた。

 どうですか、みなさん……

 えっ? 観たことのある金田一耕助がひとりもいない!? 石坂さんや一行さんはまだなのかって!?

 そうなんですよ。この戦後間もない「第1期横溝正史ブーム」はどうやら、私たちが現在認知している「名探偵・金田一耕助」のイメージとは、直接リンクしているとはなかなか言いがたいものがあるようなんです。もうこの時点で9人も出てきてるんですけど!?

 でも、すでにだいたいの「横溝正史といえばコレ!」という定番タイトルはこの時期に出そろっていますね。『八つ墓村』なんか3回やっちゃってるよ。
 なにかと記憶に残りやすい金田一耕助像の影に隠れてしまいがちですが、このへんの尋常じゃない勢いを見てもおわかりのように、なんといってもこのブームの根幹を成しているのは、「探偵小説の鬼」と呼ばれた小説家・横溝正史の尽きることのない作品アイデアと執筆スピードの速さ、この2つの奇跡的な両立なのです。キャラの立った名探偵が出てくればいいってもんじゃないんですよ。


 っつうことで、こんな第1期に関するつれづれと、みなさんご存知の金田一耕助が総登場する第2期については、また次のココロにしたいと思います~。

 と言っても、たぶん次回はこの続きじゃなくなっちゃうだろうな……

 え、なんでかって? そりゃあんた、運命の「5月18日」が近づいてるからに決まってるでしょうがァ!!


 ひえ~横溝先生、こんな中途半端な時期に話題を始めちゃって、まことにあいすみません~。
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みんなで下北沢に集合~

2012年05月15日 23時00分23秒 | 日記
 はいどぉも~こんばんは、そうだいでございます!! みなさま、今日も一日お疲れさまでございました。

 突然ですが、宣伝だす!


演劇公演 三条会『ひかりごけ』
 原作 武田泰淳 演出 関美能留

公演日程
 5月30日(水)19:30~
   31日(木)19:30~
 6月1日(金)14:00~/19:30~
 6月2日(土)14:00~/19:30~
 6月3日(日)13:00~/17:00~
 ※開場は開演時間の30分前です
 ※上演時間は1時間20分の予定です

会場
 下北沢ザ・スズナリ

出演
 榊原毅、立崎真紀子、渡部友一郎、近藤佑子(以上、三条会)
 大倉マヤ、工藤真之介
 江前陽平、角北龍、呉キリコ、篠崎大悟(ロロ)

スタッフ
 美術 石原敬
 照明 岩城保
 舞台監督 森下紀彦

チケット料金
 予約・前売券 3,300円、当日券 3,500円
 わりびき券 1,800円(カンフェティのみでの取扱い)
 ※わりびき券は全回で残りわずかです(2012年5月15日現在)

協力
 公益財団法人セゾン文化財団

チケット取扱い
 三条会 予約フォーム …… http://homepage2.nifty.com/sanjoukai/
     メール    …… ticket@sanjoukai.jp

 カンフェティ オンライン予約 …… http://confetti-web.com/
        電話予約    …… 0120-240-540(平日10~18時受付)

 ザ・スズナリ 電話予約 …… 03-3469-0511

新しくなった「ひかりごけ」(三条会ホームページより)
 三条会の「ひかりごけ」は2001年に第2回利賀演出家コンクールで初演され、関美能留が最優秀演出家賞を受賞した作品です。以来10年以上にわたり各地で上演をくりかえし、その都度ブラッシュアップさせてまいりましたが、今回、新たな作品として生まれ変わります。
 新しくなった「ひかりごけ」にご期待下さい。


 以上でございます! みなさま、お誘いあわせのうえでぜひともいらしてくださいませ。

 三条会は、私が大学卒業前後から去年まで10年弱のあいだ在籍していた劇団です。
 そんな私が無理を通して去年に退団させていただいた後も、現在にいたるまで親しくさせてもらっているのが本当にありがたいというか、私もどのツラさげて会ってるんだというか。

 そして、どのツラついでになんと今回は、大事な三条会の下北沢ザ・スズナリ公演の劇場受付スタッフの1人に、このわたくしが雇われておるというわけなんです!! どのツラここにきわまれり。劇場に来るお客様全員の前に顔だしてんのよ!?
 「雇われる」という言葉をあえて使うんですが、三条会を自身の言い分で離れていった私に、コネだなんだというグレーなところでないかたちで声をかけてくださったことには心底、感謝しております。わかりますかね、この感じ?

 今回、受付のお話をいただいた時に私もアホはアホなりにいろいろ考えてみまして、せっかくこの公演のために何日間か現在の仕事場にお休みをいただくことになるんだから、ひとつ、これをしおに新しい職場を探してみようか、という気になりました。そういった決意もコミコミで、私はこの『ひかりごけ』の全日程、全回の劇場受付をつとめさせていただく予定になっております。ちょちょっと「この回とこの回の受付だけ……」じゃダメなんですよ。
 なので、今回またしても三条会に人生のいい転換タイミングをもらってしまったというわけでして……どのツライズムにあわせて「おんぶにダッキングシステム」か、コノヤロー!!

 まぁそう言いましても、しばらくは今の仕事場にがっつりお世話になりつつ、あまってる時間を使って新天地を探す、ついでに資格取得のお勉強も……といった純日本的、カラー・ザ・玉虫なあんばいなんですけれども。お金は大事だよ~。


 そんなわけで、確か私が劇団員だった時期にもこの『長岡京エイリアン』で同じようなことを言っていたかとも思うのですが、

「こんな『きぃちがいじゃが、しかたがない』ブログを展開させているそうだいって、どんなツラしてんだ!?」

 という方も、三条会の『ひかりごけ』、観に来てちょ~だいよ!! どの回でももれなく会えるはずだから。
 アクセス数も来訪者数も増えてるんだし。お願い!


 ……劇団のことじゃなくて、受付やってる自分のことで宣伝してるんだぜ……個人ブログなんで許していただけねぇだろうか。


 っていうか!! お芝居を本番前のブログで宣伝したってしょうがないわけよ! だって「劇団のお芝居」なんだから。その本番の時、その場に居合わせた人でしか味わえない何かを楽しむのが演劇なんだから。

 とにかく、5月30日から6月3日にかけて、東京の下北沢ザ・スズナリという劇場に世界中のどこからでも行って観てみる価値のある「空間」が現出していることだけは、私も一命を賭して保証させていただきます。たった5日間! しかも、それぞれの日で数時間しか観られないんですよ!?

 アラスカからでもケニアからでも千葉からでも、みなさんぜひともいらしていただきたい。全地球人におすすめします。他の星の方は、残念ながら今から出発してもちょっと間にあわないかも知れない。

 こういうドカンとした宣伝も、自分が役者じゃないから言えるんだよな……

 お待ちしておりま~っす!!
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いまさら楽しみました  『道重さゆみのモベキマスってなに??』

2012年05月12日 22時04分05秒 | すきなひとたち
 いい天気だったねぇ~オイ!! どうもこんばんは、そうだいでございます。みなさんにとっては本日、すてきな土曜日になりましたでしょうか?

 さっそく関係ない話をしちゃいますけどさぁ、「受験手数料」高すぎるよオイィい~!!

 そうなんですよ、私そうだい、一念発起して今年はある資格試験を受けようとしとりますです、ハイ。
 受からなかったら恥ずかしいので、今は具体的になんの資格をとろうとしているのかはヒミツにしときます! とはいっても、周辺の知り合いのみなさんにはガンガンしゃべっているんですけれども。

 最終的には本人のがんばり次第なんですが、どう~もまわりの試験経験者からお話を聞くと、「1年で資格を取得する」のはなかなか難しいようなんですが……

 こりゃあ~なんとしても今年中にしとめなければなりませんな!! だってよォ、毎年毎年1万ウン千円も払ってらんねえっすよ!

 でもさぁ、受験手数料は前々から準備していたからいいとしても、「証明写真代・700円」だの「簡易書留料・420円」だので、いざとなった時にぶちぶち細かいお金が引き剥がされていくのが私はガマンなりません。

 なんかね、郵便局の人はぜんぜん悪くないんですけど、窓口に立つ段になって、何の予告もなく当ったり前みたいに「手数料いただきます~。」と言い渡されるのがイヤでイヤでしょうがねぇんだよなぁ~! はっきり言って、前もって言われている1万ウン千円よりもその場になって突然ひっぺがされる数百円のほうがず~っと損した気分になるんですけど、あたしゃ。みなさんはそんなこと、ない?

 まぁ、いいんだ、受かればいいんだ、受かれば!! がんばんべ~や~。


 お話変わりますが、本日土曜日、私は久しぶりに演劇の舞台を観に行きました。2~3ヶ月ぶりくらいかしら。

タクトプレイ・プロジェクト 『パパ、アイラブユー!』(原作・レイ=クーニー 演出・野坂 実)

 東京・下北沢の駅前劇場で上演されている作品で、主演は「演劇集団キャラメルボックス」の大内厚雄さんです。

 私は基本的に時間に余裕があるときは、渋谷から40分くらい歩いて下北沢まで行くことにしていまして、今回も1時間ほどあまっていたのでの~んびりと散歩することにしたのですが……

 見事に、道に迷っちった!! 完全に馴れている道だと思い込んでいた、その慢心が命取り。

 やられました……渋谷はやっぱり「谷」ですから! 行く方向を間違えると目的地から致命的に遠ざかっちゃうの。
 10回以上は通っているはずのコースなのに、なぜ間違えたかのかといいますと……

目印にしていた「109」と、新しくできた「Men's 109」を見まちがえてしまった!!

 田舎もんまる出し!! どおりで「な~んか109、前に見たときよりも黒くてスマートになった?」という気がしてたんだよ!

 見事にひっかかってしまいました……気がついたら見慣れぬ NHKホールにいっちゃってたりしてねぇ。
 してやられた。渋谷の「暑い!」までいっていた陽気の中で、何者かの手による「109 八門遁甲の陣」にはまって時間と体力とを著しく損耗してしまいました。おのれ諸葛亮!! コーエーのゲームでいけば私の知力は「13」くらいですね。

 いやぁでも、なんとか汗だくで山手通りを探しあてまして、どうにかこうにかコースを修正させて開演ギリギリのタイミングで劇場にすべりこむことができました。私は運がいい。

 それで劇が始まったら、これが真冬のクリスマスのロンドンのお話なんですからビックラこいちゃった。いい涼みになりました~。

 いや~、レイ=クーニー。そのペンの勢いたるや、神がかったものがありましたね!! お話の展開がまるでにぎやかなスイングジャズを聴いているかのよう。ただし、丁寧に張りめぐらされた伏線の繊細さはクラシックの壮大な交響曲に近いものがあります。どうでもよさそうななにげない発言まで、セリフのひとつひとつがでたらめのようででたらめじゃない!! 気がついたら波乱万丈のストーリーのとりこ。

 物語はもうまさに典型的な、「主人公が思いもよらないトラブルに巻き込まれる」という、場面転換なし、シーン転換なしの一場一幕もの。重要なポイントは、起こったトラブルが主人公にとって大いに都合の悪い自業自得なものだったというところで、そのために主人公が会う人会う人にいちいちウソをついてなんとかトラブルを回避しようとし、ウソの矛盾にいぶかしむ周囲と主人公との非常に情けないバトルが展開されていく流れになっています。
 よくできてますねぇ、ホントに! 最初はセリフの笑いの応酬だけだったのに、徐々に舞台セットの遠近を利用した『8時だヨ!全員集合』的なアクションギャグが増えていく、そのバランス感覚がとってもうまい。駅前劇場はそんなに広くないはずなのですが、空間をフルに活用した舞台でしたね。
 こういう作品が「シットコム(シチュエーションコメディ)」の王道っていうんでしょうねぇ。笑いの内容も、単純なヴィジュアルギャグから艶笑ジョークまで老若男女にまんべんなくヒットする安心感がありました。おそるべし、レイ。

 ただ、私はそれほど「日本人が日本語で『やぁデイヴィッド!』とか『おぉ、神よ!』とかしゃべっている」状況には抵抗感はないつもりだったのですが、演出の方針なのか、演者さんたちがそういったセリフを話していると自然とそうなってしまうのか、やっぱりセリフまわしや身のこなしがオーバーになってしまうのが気になっちゃいましたねぇ。「そんなイギリス人も日本人もいねぇ!!」みたいな。

 いや、オーバーなアクション自体は別に嫌いじゃないんですが、物語の中でのトラブルがまだ始まってもいないのに、出てくる人出てくる人みんながセリフの第1声からテンション MAXなのが気持ち悪かったんですよ。単純に声がでかいんです。私の観た回の客席は満員でしたが、それでもたかだか160~80人くらいに向けての演劇であるはずなのに、しかも舞台は病院内の職員専用の休憩室であるはずなのに、やりとりがやかましすぎる。そこがちょっと、導入としていかがなものかと思ったんですね。だって、ほっといてもお話は盛り上がっていって、大騒ぎの中で声は大きくなっていくんだから! スタートくらいは静かにいきましょうや~、みたいな。
 「目的のよくわからない大声」ってやっぱり、せっかく用意されている内容のおもしろさを損ねると思うんですよ。男性はバカっぽく見えちゃうし、女性はヒステリックに見えちゃうし。演じる空間のことを考えた声量で。
 あと、その方の演技自体に文句を言うつもりはないんですが、役者のおひとりの声がのっけから思いっきりガラガラに枯れていたのは残念でした。客に「あぁ、この人これから大声で叫んだりしてひどい目にあうんだ。」みたいなことを予想させて、見事にその通りだったらイカンでしょ。いろんな意味で、あらゆる作品というものは「始まり方」が大事なんだな~、と改めて思ったのでありました。


 さてさて! そういった感じで実に安穏とした5月を迎えているわたくしなのですが、ここ数日ほどは、信頼できるお方から勧められたある番組を毎日パソコンで視聴して楽しんでおりました。

Ustream番組 『道重さゆみのモベキマスってなに??』(2011年10~11月 毎週木曜日22~23時前後 全8回配信)

 これはタイトルのしめす通り、モーニング娘。の現在の「バラエティ担当大臣」こと道重さゆみさんが司会を務め、当時活動していたスペシャルユニット「ハロー!プロジェクト モベキマス」のメンバーをゲストに迎えてのテーマトークや、モベキマスのシングル『ブスにならない哲学』の発売をメインにイベント、コンサートなどの告知を行っていた番組です。

 言わずもがな、モベキマスとは現在のハロー!プロジェクトをささえるアイドル「モーニング娘。」「Berryz工房」「℃-ute(キュート)」「真野恵里菜」「スマイレージ」が全員集合したオールスターユニットで、音楽活動としては2011年11月にリリースされたシングル『ブスにならない哲学』(オリコン最高4位)のみであるものの、ほぼ全員が出演したドラマ『数学♥女子学園』(2012年1~3月)などでもわかるように、特別な「共闘意識」をもった集まりだという雰囲気は現在も続いているような気がします。グループ、ソロを超えた団結感がすばらしい。

 「ハロー!プロジェクトのオールスターによるスペシャルユニット」というモベキマスのコンセプトは、さかのぼれば2004年11月に結成された「H.P.オールスターズ(ハロー!プロジェクト・オールスターズ)」にその源泉をたどることができます。

 H.P.オールスターズもまた、当時リリースされたミニアルバム『ALL FOR ONE & ONE FOR ALL!』の歌唱を主体として「モーニング娘。」「モーニング娘。などのグループ卒業メンバー」「松浦亜弥」「カントリー娘。」「メロン記念日」「美勇伝」「Berryz工房」「ハロプロキッズ(のちの℃-ute)」が大集合した夢の企画だったわけなのですが、モベキマスとのあいだにある「7年」という歳月の重さを身にしみて感じ入ってしまいます……いろんなことがあったのねェ~!

 H.P.オールスターズは「総勢46名」というとてつもないグループでしたが、それにも負けずモベキマスは2011年9月に「総勢29名」で結成されました。ただし、そこから2012年5月現在までのたった半年ちょいのうちにいろんな悲喜こもごもがあり、運命の今月18日までには「総勢32名」ということになっています。新垣リーダー、光井さん、日本武道館がんばって!!

 現在のモベキマスのメンバーの中で、7年前の H.P.オールスターズにも所属していた経験のある方は15名いらっしゃるようです。この15名はすばらしいね……まさに歴戦のつわものよ。なんか、このへんの変遷は新撰組の歴史を見るようで非常に胸がアツくなるものがあります。みんな、函館エンディングだけにはならないようにがんばってくれ!!

 そんなモベキマスが大いにフィーチャーされている『道重さゆみのモベキマスってなに??』。各回のゲストはこういった感じになっていました。いつもどおり、それぞれのカッコ内の年齢は配信当時のものです。


第1回 …… 和田彩花(スマイレージ・リーダー 17歳)、福田花音(スマイレージ 16歳)

第2回 …… 飯窪春菜(モーニング娘。10期 16歳)、石田亜佑美(同 14歳)、佐藤優樹(同 12歳)

第3回 …… 真野恵里菜(20歳)

第4回 …… 嗣永桃子(Berryz工房 19歳)、徳永千奈美(同 19歳)、熊井友理奈(同 18歳)

第5回 …… 矢島舞美(℃-ute・リーダー 19歳)、岡井千聖(℃-ute 17歳)

第6回 …… 鈴木愛理(℃-ute 17歳)、鞘師里保(モーニング娘。9期 13歳)、工藤遥(モーニング娘。10期 12歳)

第7回 …… 新垣里沙(モーニング娘。第7代リーダー 23歳)、田中れいな(モーニング娘。6期 21歳)、光井愛佳(モーニング娘。8期 18歳)

第8回 …… 清水佐紀(Berryz工房・キャプテン 19歳)、嗣永桃子(再)、矢島舞美(再)


 「全8回」というしばりがあったためにモベキマス全員の出演というわけにはいかなかったのが残念なのですが、フレッシュなルーキーから中核をになうエース級までを網羅した陣容となっております。でも、最年長で新垣リーダーなんですから! アイドル業界の最高峰のすさまじさをひしひしと感じてしまいます。

 いや~、おもしろいのよ、この番組。

 なんといってもユーストリーム中継のトーク番組なので、予算は思いっきりライトな感じだった様子です。司会の道重さんと各回ゲストの座る椅子のほかには、コーナーやトークテーマのタイトルを書いたスケッチブック数冊とくじ引きボックスひとつしかありません。あとはひたっすら! 生身のトーク対決のみ。
 生配信だったために、その日の進行上の都合によって内容時間は30数分から1時間15分までとずいぶんまちまちになっているのですが、おおむね4~50分の時間をたっぷりみなさんでしゃべりまくっているのがとっても楽しそうなんです。

 具体的にどこがどうおもしろいとか、特に自分が好きなのはどの回の誰、といったことは言いませんが、それはもうとにかく「百聞は一見にしかず」ということなんですね! まずはちょっと観ていただきたいと。

 以前に『数学♥女子学園』の回でも強調したかと思うのですが、やはりこの『モベキマスってなに??』においても、道重さゆみというお方の順応力というかフレキシビリティには瞠目してしまいました。
 たとえば、第2回に登場したゲストは当時ほんとうに「きのうきょう芸能界入りしたばかり」の人もいたし、第6回の鞘師さんと工藤さんも多少緊張した様子があったようで、トーク番組としては静かな印象のある回もあったのですが、そこをちゃんとほぐしつつも「ゲストが出ないのならあたし出るよ!」とばかりに沈黙を埋めていく道重さんの即時判断の速さと的確さにはやっぱり感心してしまいますね。そして、それにあっためられてゲストもちゃんと調子をあげていくからすばらしい。キャリアは浅くても、そこはみんなトップアイドルなんだなぁ。

 かと思えば、道重さんが芸能生活のほとんどを共にあゆんできた戦友たちをゲストにまねいた第7回はひじょ~に距離感の近いフリートークが楽しめて、他の回にはない味わい深さがありました。同じグループのメンバーとして4人が集まっているのも、もうあと1週間でおしまいなのねぇ……
 この回のトークで、「同じグループの先輩後輩の関係」というあたりの繊細な話が聞けたのはとてもよかったですね。両者とも若いのに違いはないのですが、同じモーニング娘。でも最大で「11歳」の年齢差があるんですからね! こりゃあ大変だわ。
 実はかく言うわたくしも、最近は仕事場で「ひと干支」ちがう後輩といっしょに働くことはしょっちゅうになってるんですけど、たかだか数時間いっしょにいたらハイサヨナラですむ私と、プライベートもへったくれもなくほとんど24時間まるまる顔をつきあわせている日も当たり前の芸能界とでは、たまるストレスの量も比較になりませんよね……もちろんそれに応じた「成長を見る喜び」もあるわけなのですが、本当にお疲れさまでございます! おつかれいな!!

 これまで、私はほとんどモーニング娘。一本で応援を続けていたつもりだったのですが、この番組でそれ以外のハロー!プロジェクトのグループの認識を深めることができたことも大きな収穫でした。

 具体的にはBerryz工房と℃-uteのみなさんのことなんですけど、まぁ~そろいもそろって魅力的な方々ばっかり。
 この2グループのメンバーは2012年現在でやっと20歳になったかまだティーンという若さなのですが、全員「ハロプロキッズ」の出身なので芸歴はすでに10年あるんですよ。人生の半分アイドルなんですよ!? これからも続けていくのならば、アイドルじゃなかった時間のほうが短くなっちゃうのよ!?

 しかもよくよく考えてみると、彼女たちにとって実年齢では年上にあたる道重さん・田中さん・真野ちゃんも芸歴でいうと「後輩」ということになるし、モベキマスでただ1人の「芸能界の先輩」ということになる新垣リーダーでも、たった1年の差しかありません。もっと正確に言うのならば「たった10ヶ月」の差!
 要するにモーニング娘。の「5期」と「6期」の中間にあたる時期にハロプロキッズ、つまりのちのBerryz工房と℃-uteの面々は芸能界の荒波に身を投じていったということになるんですな。あのころはまさにハロー!プロジェクトの黄金期ともいえる時代だったわけなのですが……みなさん、よくぞまぁ今日この日まで無事に生き延びてきてくれ申した。

 そういう話題にもからめて、「実年齢の年上年下と芸歴の長い短いのあべこべ」だとか、「メンバーが変わるグループと変わらないグループの性質のちがい」といったものがやりとりの中でちらほらするのも、観ていてとっても興味深かったですね。モーニング娘。だけを知っていればもういいよ、というわけでは決してないんですよ。

 これはもはや言うまでもないことなんですが、あえて言わせていただければ、嗣永さん……いいね!!

 嗣永さんって、確かにかわいいことはかわいいんですが、黙っている時の表情はおよそアイドルらしからぬ「冷たさ」がありますよね。むしろ女優的というか、もっと言ってしまえば「戸川純」的な危険性がそのシャープな鼻すじ、あごのライン、そして絶えず何かを見通しているかのように透徹したまなざしに宿っているような気がするんです。
 だからこそ、そんな嗣永さんが逆に「ももち~。」と名乗って「ゆるしてにゃん☆」と言い放ち、アイドルらしいナルシシズムを誰よりも積極的に装っているから、おもしろいんだろうなぁ。そこのギャップにえもいわれぬ虚構のかおりがあるからいいんじゃなかろうかと。

 でもまぁ~、トーク番組での道重さんと嗣永さんの「独擅場」な感じはとてつもないものがありますな。ただしそこには、お笑いの世界にたとえるのならば「ビートたけしと志村けん」みたいな違いはあると思うんです。

 人によっては、道重さんはひところに比べてだいぶ「おとなしくなった」という意見もあるそうです。自分が自分が!とカメラのメインをとっていこうとするキャラクターでなくなったということですね。
 ただ、これは他ならぬ道重さん自身が番組のアフタートークで語っていたことなんですが、モーニング娘。というグループが「常にメンバーが変わっていく」グループだからこその変化だと思うんです。つまり、自分でなく新しい要素を後押ししてこそグループ全体が輝いていくという流れもちゃんと理解した上での「引き気味」なわけなんですね。このあたりが実に「21世紀のビートたけし」っぽい気がするんだなぁ。
 モベキマスの『ブスにならない哲学』の PVの「Group Lip Version 」で、後輩たちの手を引いてカメラの中心に誘導する道重さんの姿のなんと美しいことか……『ハロー!モーニング』の彼女を見たあとでこれを見たら号泣必至ですよ。

 それにくらべると、やっぱり嗣永さんの孤軍奮闘っぷりには志村けんのコント哲学に通じる孤高感があります。こちらはこちらで「気心の知れたメンバーで固定されている」グループならではの安定感があってはじめてできるものなのでしょうが、これはいつまでも続けられるもんじゃありませんよ。そこをやり続けるのが嗣永さんなのでしょうが、冷ややかにツッコむだけじゃなくて、やっぱり信頼できるパートナーがいないとねぇ。マーシーはだめよ。


 いろいろぶつくさと言ってきましたが、とにかくそういったつれづれを楽しく考えさせてくれる番組が『道重さゆみのモベキマスってなに??』だったわけなんですねぇ。いや~いいもん観たわ。

 ところで、この番組を視聴し終えたことによって、私の中ではある「決心」がつきました。

 今、私の DVDラックの中には、アマゾンショッピングで気安く入手したのにもかかわらず、およそ2~3ヶ月ほど観ることをためらい続けている「ある映画」のDVD があるのです……


 よし! これ、観よう、いいかげんに!!


 この映画は、モーニング娘。第6期メンバー、つまりは他ならぬ道重さゆみ・田中れいなら3名(藤本美貴をのぞく)が加入した直後に出演した作品である。映画の公開は2004年2月だが、撮影は前年の2003年なかば、彼女たちがまだ本格的にグループ入りするかしないかのタイミングであったことは特筆にあたいする。

 要するに……かわいいにしても、演技力は「ついさっきまでしろうと」!!

 これは、正直いって観るのが怖いです。しかし、なにごとも恐れていては始まらねぇ!


 ということで、近日中に映画『星砂の島、私の島 アイランド・ドリーミン』を観た感想をしるす、つもり。

 おもしろいと、いいな……
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ミクロと淑女の決死圏 ~第11使徒イロウルのロジックすぎる侵入~ 4手・やればできる娘チーム

2012年05月07日 22時35分55秒 | エヴァンゲリオン使徒大行進
 わおわお~!! どうもこんばんは、そうだいでございます~。
 いろいろとタイヘン! いろいろとギリギリ!! はやく給料日かもんのかみ直弼。ストップ・ザ・桜田門外ノ変。
 もはや、なにがなんだか……こんなにしんどい経済生活はもうたくさんです。私も若くはないんで! こんな貧乏学生みたいなキビしい日々に耐えられるほど身体もムリがきくわけじゃないんですよ~。まぁ、せめて病気にかかることのないように気を張ってがんばれてるのがせめてもの救いでしょうか。やっぱ健康はいちばんの財産ですなぁ。

 もう、いいや! こんなツラいにもほどのある現実生活なんかほっぽっといちゃってさぁ、ちゃっちゃとのびのびになってるこっちのほうを終わらせちゃおうよ。カッツカツの2012年なんかどうでもいいわ!! 2015年にゲッタウェイってなもんで~い。
 『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する歴代使徒の自由気ままな検証シリーズの「第11使徒イロウル編」、ようやく今回で完結! の、つもり。


《これまでのあらすじ》
 微生物に酷似した性質を持ち、ネルフ本部内の壁のパネルにカビのように付着して潜入することに成功した「歴代最小の使徒」こと、第11使徒イロウル。
 イロウルが急速に増殖して侵蝕を開始した地点は、すでにネルフ本部よりも地下に位置していた。目指すサードインパクトの誘発ポイントに、歴代の中で最も近い場所に陣取ることに成功したイロウルに、ネルフ本部は動揺の色を隠せない。
 さらにイロウルは、ネルフの攻撃を利用してみずからの体質をコンピュータの電子回路のように進化させてネルフ本部のネットワークにハッキングを開始。超人的なスピードを誇るイロウルの猛攻はネルフの頭脳ともいえるスーパーコンピュータ・マギになんなく及び、マギをリプログラムして本部全体の「自律自爆」を決行させ、その爆発に乗じてサードインパクトを誘発するという「そんなのありぃ~!?」な作戦を展開させるのであった。

 マギは「メルキオール」「バルタザール」「カスパー」という3つの人格プログラムの合議制によって成り立っているが、イロウルはたった「20秒」という速さでメルキオールを占領してしまった。次なるバルタザールの陥落も、もはや時間の問題なのだろうか……!?


ぴ~んぽ~ん。

マギの『母』の部分・バルタザール(47歳、娘もち女性)が住んでいる一戸建て住宅に来訪者が。


バル「は~い、どなた……あら! どうしたのあなた、びしょ濡れじゃないの!」

イロ「すみません、ぶしつけに申し訳ないのですが、ちょっと休ませていただいてよろしいでしょうか……そこでいきなりどしゃ降りにあっちゃって。」

バル「あらあら、雨ふってきてたの!? 知らなかったわ。ちょっと待っててね、いまタオル持ってきますから。」

イロ「いえいえ、おかまいなく! そんなお気遣いはいりません、やんだらすぐに失礼します。」

バル「なに言ってんのよ、そんな濡れねずみみたいな格好で。お仕事中なんでしょ? とにかくそのバッグだけでも拭かなきゃいけないでしょ。中に大事なものでも入ってるんだろうから。」

イロ「すみません……どうも。」

ふきふき、ふきふき……

バル「……あら、どうしたの? そんなにまじまじと私の顔を見て。なにかついてるのかしら。」

イロ「い、いや……なんでもありません。やさしいな、と思って……」

バル「ふふふ、こんなおばさんを口説くなんて、ずいぶんと物好きなのね。」

イロ「く、口説くだなんて、そんな……」

バル「……ほら、背広もぬいで。」

イロ「えっ……」

バル「もう、中のYシャツまでしみてるじゃないの。似たようなのはいくらでもあるから、よかったら着替えていったら。」

イロ「いや、そんな……家の人にも迷惑がかかりますし……」

バル「だいじょうぶ。今はだれもいないわ……シャワーも使えるけど。」

イロ「お、奥さん……」

バル「ふふふ、昼さがりは退屈してしかたがないのよ。ひとりで家の中にいると乾いちゃってたまんないわ。どこもかしこも、ね。」

ぷるるるるる、ぷるるるるる。

イロ「わっ! で、電話。」

バル「んもう、いいとこなのに……(がちゃ)はい、赤木ですけど?」

娘 「お母さん!! なにやってんのよ!? 話の構成上、あなたが口説かれるんでしょ!? 逆にお母さんから攻めまくってどうすんのよ!!」

バル「あんたこそなに言ってんのよ! 家にひとりで取り残されてる40女よ!? ここで燃えずにどうするっていうのよ。」

娘 「お母さんが燃えたら人類が滅びるのよ!! さっさとそいつを追い出して、早く!」

バル「あーうっさい! そんなの、今まで私をほっといてたあんたたちがいけないんじゃない。鬱屈した主婦のパトスがどんだけのものなのかを思い知るがいいんだわ!! オホホのホ~!」

娘 「このわからずや! もういいわよ、今、マギのロジックモードを変更して、シンクロコードを15秒単位にしたから!! そっちがそうするならこっちはこうやるし!! お母さんのそういうとこ、もうホンッッッットにやだ!(がちゃ)」

突如として、バルタザール母さんの家の中に大量のぬる~いくず湯が注入!! ドロドログズグズで有無を言わさず動きを鈍くさせられてしまうバルタザールとイロウル!!

バル「っも~、あのばぁか娘ぇ~!」

イロ「むむむ、マギの進行スピード全体を遅くしてしまうとは、考えたでヤンスね……しかし、どうあがこうとハッキングは止まらないでヤンスよぉ~!!」


 ……意味、わかります? もう、自分でもなにがなんだか。

 とにかく、要するにネルフ本部はエヴァンゲリオン計画開発主任(30歳女性・金髪染め)のとっさの機転による、「マギのコンピュータとしての処理速度をわざと遅くして、それによってイロウルのハッキングも遅くして考える時間をかせぐ」という奇手に出たわけだったのでした。主任、グッジョブ!

 このため、メルキオールの占領に20秒しかかからなかったイロウルは、次なるバルタザールを攻め落とすのに「2時間」かけなければならなくなってしまいました。予定よりも360倍おそくなっちゃった……これはイタい。
 この貴重な時間猶予のうちにネルフ側はどんな対抗策を講じるというのでしょうか!?

 アニメ本編の様子からさっするに、メルキオール陥落ののち、矢継ぎ早に始まったバルタザール侵入の最中、開発主任は瞬間的な思いつきで処理速度遅延の奇策を見いだしたように見えるのですが、はっきり言って、ネルフ本部 VS イロウルの緊迫感あふれる決戦はこのときの主任の一手によって勝敗が決まってしまいました。恐るべし、泣きぼくろ主任のインスピレーション!

 ここで戦況を整理してみますと、イロウルがまっしぐらに目指している「ネルフ本部の自律自爆」はマギにとっても自分の命(?)にかかわる最重要決定事項となるので、多数決2対1ではなく、3機の「全会一致」でなければ遂行されません。つまり、イロウルはマギの3機すべてをリプログラムしなければ勝てないわけなのです。
 そして、ネルフ側が苦しまぎれにさしこんだ「マギの処理速度変更」という事項は多数決で廃止することができるものなので、イロウルが2つ目のバルタザールを2時間かけて占領した時点で、メルキオールとバルタザールの2票で処理速度はいつもの速さに回復させることができるようになります。

 つまり、ネルフ側にとって、イロウルを食い止めることができる猶予は、バルタザールと最後のカスパーがハッキングされる時間をあわせた「2時間と2~30秒」。ここでイロウルを冥土に送ることができなければ、人類がまるごとみんなで死出の旅路に出るということに。タイトねぇ~!!

 ところがここから、今までの存在感・信頼感の薄さとはまるで人が変わったように大活躍してくれるのが、マギの定期検診の直後で徹夜明けであるはずなのにミョ~に冴えている開発主任なんですなぁ~。カッコイイ!

 イロウルの動きをにぶくした後、開発主任はすかさず、イロウルに対する「自滅推進プログラム」の投入をネルフ本部に提案します。

 ここで思い出していただきたいのが、イロウル侵入の直前までおこなわれていたエヴァンゲリオンに関する2つの実験のうちのひとつの名称だった「アポトーシス作業」です。
 本編の中で3人の専属パイロットがすっぱだかにされていたほうは「オートパイロット実験」だったのですが、セリフにその名前が出るだけではっきり描写されていなかったため、その詳細はあきらかになっていない、この「アポトーシス作業」。
 ただし、「アポトーシス」と銘打たれている以上、それが今回のイロウル退治に急遽投入されることとなった「自滅推進プログラム」に関係していそうなにおいはプンップンしますよねぇ!? 

 アポトーシス (apoptosis) とはすなはち、多細胞生物の体を構成する細胞の死にかたの一種で、生物をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、管理・調節された細胞の「自殺」(プログラムされた細胞死)のこと。

 完全によそから持ってきた情報のうけうりなんですけど、要するにこれは、「おたまじゃくしがカエルになるときにしっぽがなくなる」現象のことなのだそうです。生き物が成長していくにあたって「いらない部分を自分から殺して捨てていく」作業のことなんだって。
 これ自体がアポトーシスなのかどうかはわからないのですが、イメージとしては、樹木がエネルギーをためて冬を越すために秋に自分から葉っぱを枯らして落としてしまう、そういう感じなんじゃないでしょうか。

 こういうことから推測してみますと、その日のエヴァンゲリオンのアポトーシス作業とは、エヴァンゲリオンの性能をさらに向上させるために、機体の内部からの「進化」をうながすなにかをエヴァンゲリオン各自にやってもらうという実験だったようなんですね。
 でも、こんなことを言っている時点で、エヴァンゲリオンってもう、「ふつうのロボットじゃない」ことは一目瞭然ですよね……アポトーシスをやらせるってことはつまり、「生き物」だな、あれ。
 まぁ、暴走してほえたり、つぶれた眼を勝手に再生させたりしてたんでね、いまさら驚きはしませんけど!

 さて、そんな感じなので、おそらくはこのアポトーシス作業の成果としてネルフ本部が収穫していたプログラムを、思いっきりめもりを「最強」にして、投入した生き物自体を自滅させちゃうくらいの武器にしちゃえ、と開発主任が発想したのは自然のなりゆきだったのではないでしょうか。
 「あっ、ホラ! 午前中にやってたやつのアレ。アレ使っちゃおっか!」みたいな非常にリーズナブルな考え方です。シンプル・イズ・ベスト! 開発主任はいい主婦になれるよ……

 ともあれ、開発主任の主導により、ネルフ側は手作業でマギの最後のとりでであるカスパーにラインをつなげ、襲ってくるイロウルにそこから自滅推進プログラムをうちこむための準備をすることとなりました。その作業に2時間くらいかかっちゃうんだなぁ! うまくできてるもんです。

 これによって、イロウルとネルフ側との戦闘は、「マギ3機のリプログラム」と「自滅推進プログラムの投入」のどっちが機先を制するかですべてが決するという、お侍さんの居合い抜き対決のような非常に緊張感の高い勝負に。ひえ~!
 このへんのスリルはぜひともアニメ本編をご覧になって楽しんでいただきたいのですが、激闘のゆくえは実にギリギリのところで決しました。

 イロウルの動きをにぶくした、その2時間後! 


オペレーター1「バルタザールが乗っ取られました!」

作戦指揮官  「始まったの!?」

オペレーター2「バルタザール、さらにカスパーに侵入!」

副司令    「押されてるぞ!」

オペレーター2「なんて速度だ……」

副司令    「いかん!」

オペレーター2「カスパー、18秒後に乗っ取られます!」

作戦指揮官  「リツコ(開発主任の名前)、急いで!!」

開発主任   「大丈夫。1秒ちかくも余裕があるわ。」

作戦指揮官  「1秒って……」

開発主任   「ゼロやマイナスじゃないのよ。」


 ンギャ~!! しゅ、主任、かっくいいぃ~!!

 結果。終始ネルフ側をてんてこまいさせていたはずのイロウルは、すんでのところでブッこまれた自滅推進プログラムのために、「たった1秒の時間差」でそれまでの戦果をまるごとぜ~んぶ没シュート!!
 見事にオトしたメルキオールもバルタザールも、オトす寸前までいったカスパーもすべてがイロウルの手から離れていく……わけもわからないまま無理やり自滅させられてしまう中、イロウルの胸に去来するものはどのようなものだったでしょうか。

「ず~る~い~で~ヤンス~!! ルール変えたり最強技つかったり! でも、それが人間なんでヤンスよね……悪知恵勝負で人間に勝とうとしたあっしの負けでヤンス。しょせんあっしは、たった1人の女性も幸せにすることができない根無し草。かけひきなしの真実の愛を求めてまた旅に出ることにするでヤンス……じゅじゅじゅわ~。」

 無念! 第11使徒イロウル、消滅~。


 とにかく今回のイロウルは、苦労しないで人類を滅ぼす方法を追求した結果、マギのハッキングを考えたところまではナイスだったのですが、そのために「人類がつくった」コンピュータの理論にあわせて自分の性質を変えなければならなかった、その時点でしょせんは勝てない戦いになってしまっていたのです。
 だってさぁ、敵のほうが一方的にルールを変えることができる勝負なんて、そこのあなた、やる気になれます!?
 当然そのへんのことはイロウルも充分承知の介ではあったし、そのためにコンピュータ化したあとの決戦をあれほどまでに急いだのでしょうが、自律自爆にいくまでにネルフ側の人間の誰かにひとつでも反則技を思いつかせてしまった時点でもうダメだったという見方で行くと、あまりにもリスクの高い作戦だと言えるのではなかったのでしょうか。ギャンブラーだな、イロウル!

 ともあれ、この前代未聞の「主役も主役兵器もいっさい活躍しない使徒との決戦」は、こういった経緯であんがい短時間のうちに終結したのでした。ただし、イロウルが「史上はじめてネルフ本部に直接侵入した」恐怖の使徒であったことは決して忘れてはならないでしょう。スリリングなアニメ本編の内容も、TVシリーズ中屈指の緊迫感があってすばらしいです。


 と・こ・ろ・が。非常に残念なことに、この「第11使徒イロウル」のエピソードが物語の中に組み込まれているのは、最初のTV シリーズだけ! その後の貞本義行によるマンガ版や最近の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズでは完全に「なかったこと」にされてしまっています。
 これはおそらく、「マンガではいまひとつおもしろさを伝えられない」や、「物語上、上部組織のゼーレに指摘されることを恐れてネルフ本部がイロウル事件そのものの存在を否定しているため立ち位置がビミョー」といったもろもろのことがあるのでしょうが、まぁとにかくなんといっても、

「主人公がまるで活躍しないし、逆に脇役の開発主任が圧倒的にクローズアップされる内容であるため、組み込むと物語全体のバランスが崩れる」

 ということが大きいんじゃないでしょうか。やっぱり、こういった大冒険は20話以上用意されている TVシリーズだからできるんですよねぇ。
 『機動戦士ガンダム』の『ククルス・ドアンの島』みたいな、まさしく「ボトルストーリー」的な存在であるわけなのですが、こういったエピソードこそが、いい味だしてるんですよね~。アニメに限らず、「美は細部にやどる」ことを証明する名作の大条件です。

 しかも、今回のイロウルが活躍する第13話『使徒、侵入』が名エピソードになるのは、スタッフリストから見ても自明の理!!


脚本   …… 庵野秀明・磯光雄・薩川昭夫
演出   …… 岡村 天斎
作画監督 …… 黄瀬 和哉
作画製作 …… Production I.G


 !! おもしろくならねぇはずがねぇ!!

 映画『パトレイバー』シリーズや『攻殻機動隊』でつとに有名な Production I.Gと、その代表的存在である黄瀬和哉(きせ かずちか)さんがアニメ制作を外注で受け持っているエピソードとしても、この『使徒、侵入』はよく話題にのぼるのですが、あくまでも TVシリーズの中の1エピソードですので、この回にかぎって登場キャラクターの面々がやたら陰影のついたリアル顔にデザインしなおされている、といったことは決してありません。まぁ、主人公がおもいっきり蚊帳の外という状況は『パトレイバー2』や『3( WXⅢ)』によく似ていますけど。
 ただし、開発主任が電動ドリルと電動カッターをけっこう器用に使って潜入したマギ・カスパーのコードうじゃうじゃな内部描写や、やたら光が反射して目の部分がサングラスのように見えなくなっている主任のメガネなどがかろうじて Production I.Gっぽいような。あと、お話の中ではやたら役立たず感が出ているものの、いつもより出番が多めなネルフ副司令の顔つきがちょっとリアルに老けているような気がします。オッサンに特徴が出るのねぇ~。

 絵よりももっと色濃くこのエピソードを特徴づけているのが3人の共同による本エピソードの脚本なのですが、具体的なわりふりはわからないものの、私の勝手な推測で言わせていただくのならば、マギの設定などの物語全体にかかわる謎を差し込んでいるのが庵野総監督で、イロウルのハッキングというあたりの SF的要素を設定したのがいまや『電脳コイル』の原作・監督でも有名な磯さん、開発主任とすでに死亡している彼女の母親との深い関係を非常に簡潔に、しかし濃密にセリフに織り込んでいたのが薩川さんということなのではないでしょうか。ぜいたく~!!

 薩川さんといえばあーた、「日本のジメジメ感」をこよなく愛しておられた実相寺昭雄監督の「江戸川乱歩3部作(『屋根裏の散歩者』『D坂の殺人事件』『鏡地獄』)において、人妻ドロリッチ感満点の脚本を手がけておられていたお方でございますよ。

 そんなお3方に自分メインのエピソードを作ってもらえたのですから、金髪染めの開発主任もそれまでの役回りのやたら損な感じをきれいさっぱり忘れさせてくれる素晴らしい活躍を見せてくれました。
 ただし、この回の中でついに、エヴァンゲリオン計画のおおもとやマギシステムを考案したのが開発主任なのではなく、実はその亡くなった母親だったという事実も明らかになってしまいました。したがって、今回の大金星とひきかえに、主任はみずからの立場の弱さを視聴者の前にさらけ出すことになってしまったわけなのです。あわれなり……


「カスパーにはね、女としての母さんがインプットされていたの。
 最後まで女でいることを守ったのね。ホント、母さんらしいわ。」


 このエピソードの締めくくりとなる開発主任の味わい深いセリフです。
 つまり、マギシステムが「第7世代の有機コンピュータに個人の人格を移植して思考させる」という「人格移植OS」であり、そこに「科学者」「母親」「女」という3つの「自分」を移植したのが他ならぬ開発者自身、要するに開発主任の母親だったということを受けての娘としての発言ですね。

 ただ! これまでの経緯をごらんいただいてもおわかりの通り、イロウルを撃退したのはあきらかに! マギじゃなくて娘の主任さんです。
 主任がなんとかしなければカスパーなんかものの2~30秒でオトされていたことは自明の理なのですから、別にこの最後のセリフのように主任が死んだ母親のことをここまでもちあげる必要はまったくないのです。

 ここね!! ここらへんに、自分の努力や実績に関係なく、いつまでたっても母親の存在を過剰に意識してしまう開発主任のキャラクターが明示されているのです。まぁそれは時には自分が奮起するための燃料になるのかもしれませんが、彼女の場合は意識する相手がすでに死んでしまっているという事実もあいまって、非常にあやういものになっている匂いがするんですよね。

 確かに開発主任は、今回の大活躍以降はふしめがちな表情が似合う暗~い雰囲気でいる印象が強くなっていきます。それであの最期でしょ……? 救いようがないっすよ!
 そういう意味では、そのへんの感じを思いっきりスルーしている『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の中での彼女はいくらか幸せなのかも知れませんが、そのぶん影が薄くなっちゃったしねぇ。どっちがいいんでしょうかねェ~? 私はやっぱり TVシリーズのほうが好きですよ。だって、こんな複雑な脇役がいるアニメ、そうそうないでしょ!?


 ともあれ、「次第に明らかになるエヴァンゲリオンの謎」「シリーズ随一の SFサイバーアクション」「開発主任の鬱屈の原因が明らかに!」といった興味深い要素が満載の「 VS 第11使徒イロウル戦」だったわけなのですが、最後にもうひとつ、忘れるわけにはいかないこの要素を強調しておしまいにしたいと思います。


「非人間的な使徒 VS 人間的にもほどがあるずるっこ人類」という構図がこれ以上にわかりやすくうち出されているエピソードは、ない!!


 これですよ……謎の兵器エヴァンゲリオンが出てくるとどうしても目がそこにいってしまうのですが、あくまでもこの『新世紀エヴァンゲリオン』は、人類がその存亡をかけて外敵と闘うという内容の物語なのです。そして、その中であがく人間たちがほぼ全員、アニメ作品としては異例なほどにゆがみまくり……いやいや、生々しく描かれているところが、この作品の真のオリジナリティなのではないでしょうか。
 そして、そういった点から観ても、TVシリーズの『新世紀エヴァンゲリオン』と現在の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』はまったく別の作品になっていると言えるんじゃないかと。どっちが好きなのかは人それぞれよ。


 まぁともかくそんな感じなのですが、少なくとも私はぜ~っっっっったいに!! 第11使徒イロウルの挑戦は忘れないぞ!

 よくやった、イロウル。でも、悪知恵で人間に勝てるとは思っちゃいけないよ~♡
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神よ……彼女のこれからに幸せを!!

2012年05月04日 23時07分19秒 | すきなひとたち
光井愛佳 5月18日にモーニング娘。卒業……疲労骨折再発の恐れで活動断念
 (スポーツニッポン・スポニチ ANNEX 5月4日の記事より)


 アイドルグループ・モーニング娘。の光井愛佳(19歳)が4日、今月18日に東京・日本武道館で行われる『モーニング娘。コンサートツアー 2012春・ウルトラスマート 新垣里沙卒業スペシャル』でモーニング娘。を卒業することを発表した。

 「ハロープロジェクト!」の公式サイトで発表。昨年5月に、左足に痛みを覚え診断した結果「左距骨(きょこつ)疲労骨折」と診断され、治療を続けてきた。4月末にはほぼ完治したしたものの、医師から「以前のような激しいパフォーマンスを繰り返して行くと、また同じ状態になる可能性もある。」と診断され、卒業を決断した。

 光井は「すごく悩みました。お母さんとも相談をし、これからの人生の事を考えた結果、自分自身の健康を第一に考え、さらに、これ以上ファンのみなさんやメンバー、スタッフのみなさんに心配や迷惑をかけるわけにはいかないと思い、志半ばではあるのですが、なるだけ早いモーニング娘。の卒業を希望しました。」とコメント。

 卒業後は、ハロー! プロジェクト内で活動していく予定で、プロデューサーのつんく♂(43歳)も「これ以上先延ばしにするよりは一日も早い発表、卒業の方がいろんな意味で負担が少なく、また新たな出発も切りやすいと考え、新垣里沙の卒業と同時に行うこととさせていただきました事、ご理解ください。」と、急に決まった卒業の理由をコメント、「卒業後はハロー!プロジェクト内でできることを、本人、医師とも相談しながら考えていこうと思います。」と、活動を後押ししていくことを誓っている。


 ……

 「志半ば」! まさしくこの一言に尽きるといえます。


 ちっくしょ~よう……つい昨日だぜ!? つい昨日、趣味をおなじゅうするお方といっしょにカラオケに行って、2~3時間たっぷり唄ってたんですよ! もちろん、光井さんの唄っている曲も5~6曲は熱唱させていただいたんですよ。

 そして、2人で「光井さんにはがんばってグループにい続けてほしいね!」って話したりもしてたんですよ。
 なんということでしょうか。哀しいなぁ、こんなに急なことになろうとは!

 長いグループの歴史の中でも、私が最も愛しているオリジナルアルバム『プラチナ9 DISC』の中には、光井さんがソロで唄っているナンバー『私の魅力に気付かない鈍感な人』があります。

 これ、タイトルからもわかるように、唄う人によっては聴く側をイラッとさせかねない、非常に冒険している歌詞内容の曲なんですが、光井さんならではの代替不可能なパーソナリティがあって初めて成立する「キュートさ」があるんですよ。

 外見というよりは、「身体の芯」、つまりは「体幹」からキュートさがただよってくるお方ですよ、光井愛佳さんは。こういう方はいくつになってもかわいらしいんですよねぇ。


 私としましては非常に! ひっじょ~に残念で仕方がないのですが、なによりも無理をして光井さんの身体にこれ以上の悪影響を与えることになっては元も子もありませんし、加えてこれまでの5年間、彼女の双肩に大きくのしかかっていた「第8期メンバー」という大看板の重さを考えると、とにかくは「よくぞその決断に踏み切った!」とその勇気をたたえ、「本当にお疲れさまでした……まずは卒業までがんばってください!」と声をかけさせていただきたいです。

 無念! 無念ではありますが、これが後進の9・10期と、これからも名門「モーニング娘。」の本流を支え続けていく6期のお2人にとって、良い方向へ突き進んでいく発火材料となることを切に願いたいと思います。

 がんばれけっぱれみ~ん~なっ、のってけおしだせみ~ん~なっ、イエ~!!


 ……これ、18日の当日入場はそうとうキビしい、っていうか……ムリ!?
 まぁ、とにかくがんばれるだけがんばってみようか……
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