私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

マタナゴ  ドライブのかくし玉じゃ!の巻   釣査55種目

2017-01-12 08:01:28 | 周縁魚
 2017年1月11日 水曜日

釣りの続きである。かくし玉である。

マタナゴ(ウミタナゴの亜種)である。




狙い通りに釣れたわあ!
こういうときは気分がいいねえ。

実は、おじさんにもらったアミエサが余って仕方がなかったのである。
使い切ろうにもなかなか食わんし・・・・・・壊れかかった通路をたどり、岩礁帯の突端に出てみる。
そこは潮の満ち引きに関係のない突然の落ち込みになっとる。
幸い最干潮の時間とも重なり潮もとまっとる。
何度かエサの一部だけ食い散らかされた後にウキがスーッと沈んだのである。
手応えも十分楽しめたわ。

タナゴ仕掛けはタナさえ届けば海でも十分通用するな。
なんせ「海でののべ竿釣り」自体が40年ぶりじゃもん、分からんことばかり。
分かったのは仕掛けも針もちっちゃいので「あまり警戒されんで食いついてくれる」ということと
めったな所で「そこまで届かん」ということである。(届かんのかいっ!)
やりとりは「めちゃくちゃ楽しいがな!」と付け加えておこう。

ちなみに、このウミタナゴ、2007年にいくつかの種・亜種に分けられている。
赤みを帯びているものを別種としてアカタナゴに、
青みを帯びているものを別亜種としてマタナゴに、である。

また、ウミタナゴという名は「体型が淡水のタナゴ類に似ている」ことから付けられたという。
似とるかなあ?
強いてあげればウロコの感じがゼニタナゴに似とらんでもないけど・・・・・・。
スズキ目とコイ目。胎生と卵生。
生まれも育ちも体つきもまったく違うけんねえ。
「タナゴ釣りが好きです」というとしょっちゅう誤解されるんは困ったもんである。

石田螺(チュウシヒメタニシ)が釣れるんかいっ!の巻  台湾釣(ガサ)行記⑲  釣査54種目

2017-01-12 07:25:30 | 台湾の魚たち
 2016年12月24日 土曜日

台湾東部の池での話はまだ続きがある。

チュウシヒメタニシかな?


釣れてしもうたんじゃけえ載せとくしかないがね。

日本に広く分布するヒメタニシの原種にあたるらしい。
台湾には2属3種のタニシ類がおって、その中でもっとも普通にみられると
「台湾淡水養殖及び原生魚介類図説」に書いてある。

この池での釣りはこれで終わり。
続きは地元釣り人との交流を書こうかの。

シロメバル  ドライブついでの岩礁帯にて      釣査53種目

2017-01-11 18:50:59 | 周縁魚
 2017年1月11日 水曜日

シロメバルである。




2008年に従来のメバルがシロ・クロ・アカの3種に分類されたのである。
メバルとなるとマハゼ同様に食べられる釣り味の良いメジャーリーグじゃもんね。

いや、釣りをするつもりではなかったのである。
川ものぞきには行っとるんである。
さぶいので竿を出す気になれんだけである。
ただ今日はあまり風もなく陽気がいいので「海岸線をドライブしよや」ちゅうことである。
その証拠にエサを持ってないのである。
その途中、風裏にあたる岩礁帯にたまたま立ち寄ったとき、2人の釣りおじさんがいたのである。


のべ竿で釣っているおじさんに共感し、声をかける。
「何が釣れてますか?」
「ん、メバル。まだ1匹だけ。昔はようけ釣れたんじゃけどねえ。」
「私らも釣りに来たんですよ。エサ忘れちゃったけど・・・・・・。」
おいおい! いきなり相棒ぬかしとるがな!
「ええよ。どうせ余るけえな。」
生きたコエビとサヨリ用をちょっと大きくしたアミエサを分けてもらっとるやないの!
大ファインプレーである。

2人に迷惑かからん所へ移動。
小さなメバルが数匹浮かんどるわ。
なんせこちとら180cmのタナゴ竿。
「眼のいいメバルなんか昼間っからどうせ釣れんわ。」
と、第一投。
いきなりウキが消し込んでいく。
あらま? 竿がしなるしなる。
向こう合わせに近い形で釣り上げたと思った瞬間、ポトン。
火が点いてしもうたがな。
という訳で、手のひらサイズのブルーギルくらいの強いヒキをこらえつつ
なんとか釣り上げたのがこのシロメバルなのであった。

車に戻り、記録撮影にとりかかる。
いつもの撮影ケースには入らんので、もっと傷だらけの大きいケースでパチパチしとると、
おじさんの方から声をかけられる。
「ちっちゃいなあ。」
「エサ有難うございます。いやあ、おっきすぎますよ。この竿じゃほぼ限界ですわ。」
事と次第をかいつまんで話してみる。
「わしも好っきやなあ、そういう釣り。お互いのべ竿ひとすじやもんな。」
意気投合である。おじさんのってきたで!
「だいたい魚も命かけとんや! 折れるか切れるかギリギリのやりとりせんと申し訳なかろうがっ! なっ!」
「ホンマホンマ。」
「コマセぼんぼん撒いて海汚しよったり、リールで遠くまで飛ばしたり、
おかげで近場にいた魚もなあ、最近すっかり少なくなったわ。」
「あんたら、もっとエサ持ってってええで!」
「いえいえ、もう十分です。」
「その竿でも十分釣れる浮き桟橋も近くにあるけえ教えちゃるわ。」
おじさん口もよく動くが、手作りのウキ(と言っとった)もひっきりなしに動く。
立て続けにシロメバル3匹。名人芸やね。
ついでに私のメバルもおじさんに持って帰ってもらうことに。

そうこうしとるうちに相棒が20cmを超えるフグを釣ったらしい。
持ち上がらんらしく「ワァーワァー」騒いどるがな。
で、川で大物がかかったときに教えていた「顔上げさせて弱るまで待つ」作戦を思い出したらしい。
プッツン!
ハリが噛み切られとんでやんの!
「そんな説明(フグの歯がするどいこと)聞いとらん!」
顔がフグみたくなっとるがな。
ちなみにおじさん「ナゴヤフグ(方言)じゃ」言うとったので、おそらく「コモンブグ」じゃね。
残念! 見たかったわあ!

その後、大きなドロメを釣り上げ機嫌を直していただけたのであった。


「あのフグ、次は釣っちゃるけんね!」とのたまわっておられる。

リールで釣っとったおじさんだけがボウズみたいでものも言わずに去っていっちゃった。
いやあ、話が合う人との楽しいひとときだったなあ。

極樂吻鰕虎(台湾のゴクラクハゼ陸封型)も釣れとるがな!の巻  台湾釣(ガサ)行記⑱  釣査52種目

2017-01-11 08:14:55 | 台湾の魚たち
 2016年12月24日 土曜日

台湾東部の池釣りの続き。

おそらく台湾のゴクラクハゼ陸封型の幼魚である。




いやあ、驚いた!
昨日写真記録をも一度整理していて友の写真の中に私が釣っているこれらの写真があったんである。
タイワンタナゴに心が奪われ、すっかり忘れてしまっていたんである。
そういえば、かすかに「あっ! ゴクラクハゼじゃわ。」という記憶がよみがえる。
ホンマ情けないわなあ。

さて、日本のゴクラクハゼは河川下流域で産卵し、稚魚は海へと流される。
そして、稚魚は栄養をたくわえ成長しながら川をさかのぼる。
いわゆる「遡上型」である。
ところが、中国大陸南部や台湾では海の代わりに池や湖を利用する「陸封型」もいるのである。

こいつはたぶんその「陸封型」なのだろう。
形態的な特徴は「吻が短く顔つきが丸い」こと。
まるで他のヨシノボリ類のような顔つきになっとる。

ゴクラクハゼの分布は日本・朝鮮半島・中国・台湾などととても広く、
以前も「とても1種であるとは思えない」と書かせていただいたけど、
やはり変異があるようで今も調べられとる途中らしい。

釣(ガサ)行中に気付かんまま釣りあげ、帰宅後も忘れ去られ、あらためて調べ直してみて、
「ありゃ! こいつレアもんじゃんけ!」となり、ジワジワと喜びがしみてくる。
「年をとるのもまんざら悪くないやんけ」と思ったのであった。




台灣石鮒(タイワンタナゴ)を釣ったどお!の巻  台湾釣(ガサ)行記⑰  釣査51種目

2017-01-10 06:55:48 | 台湾の魚たち
 2016年12月24日 土曜日

「釣りをしたらいけん池ならせんけんな。ルールは守らんといけん。」
「いや、大丈夫じゃ思うよ。」
道中の会話である。国内でも海外でも節操のないふるまいは許されんもんね。

出会いはあまりにも突然だった。
タイワンタナゴである。こいつは体高も低く、タビラ斑もはっきり出て縦線も長いタイプのオス。


図鑑と同じく婚姻色のしっかり出た美しいタナゴやねえ。
南国らしいはでな色あいに手も心も震えるがあ!



やったがな! やりましたがな! 台湾固有種である。
夢の一つがかなったんである。喜ばずにいられようか!
傷めぬよう針を外し、ビクがわりのタモ網へ。

話は少し遡る。
到着後、しばらくは近くの小川でようすを見ることにしたのである。
岸辺にクイナの仲間がおる。日本ならオイカワくらいは出そうな平瀬や小さなタマリもある。


まったくアタリなし。
池へもどりようすを見てみることにことになる。


数人の地元釣り師たちが2間ほどののべ竿を出し始めとるがな。
これで安心して釣れるがな。
友の長年の経験にもとづくヤマカン(ヤマカンかいっ!)でポイントを決定。

とはいえ、釣れるまでアタリはなかなかないわ、
テナガエビやクルター類幼魚やゴクラクハゼらしき魚を釣り落とすわ、
散々だったのである。
「こりゃあ釣れんわ。」と、何度も心がくじけていたんである。
いきなりウキが沈み込んだ! プルプルと弱い引きとともに釣り上げたんであった。

2尾目。今度は体高が高く、タビラ斑もなく縦線も短いバラタナゴのようなタイプのオス。




アタリは周期的にやってくる。
水は濁っていて見えないが、どうやら岸辺にそって移動しているらしい。
中国大陸某地域の湿地帯でのタナゴたちの動きに似とる気がするわ。

ここで友も釣り上げる。やったね! 自分が釣ったのと同じくらいうれしい。


不思議なことにこのオス、釣られたとたんに昇天しとる。


タモ網に移し回復を待てども待てども息を吹き返すことはなかったんである。

「メスを釣ってよお。メスの割合低いらしいし・・・・・・。」
友のこの願いは叶えられんかった。

3尾目。あつかいがすこし乱暴になったりする。


撮影中、地元の人たちが珍しそうにのぞきに来て下さる。
日本ではほとんどありえないステキな素直な好奇心だと思う。

さて「台湾全土に普通にいる」と図鑑に書かれていたことは確かかもしれん。
じゃが、遺伝子的にも地域的な変異はみられないという。
なんでじゃ?
ここは台湾東部にあたる。
平野部にすむこのタナゴが、いったいどのようにして南北に連なる山脈を越えて広がったというのか?

「遺伝子を調べるとミヤコタナゴに近い」とか
「ヤリタナゴ・アブラボテのTanakia属から分けられて新しくParatanakia属になった」とか・・・・・・
しかしじゃ。
ミヤコタナゴの分布はきわめて狭いし、
ヤリタナゴ・アブラボテ類は逆に多様な遺伝子を持ち、日本国内にも朝鮮半島にも広がっとるし、
タイワンタナゴだけが台湾国内に同一遺伝子で広がる理由が見当たらんのである。
やっぱ人による移動がかなり行われたんかねえ。
確からしいのは、日本のタナゴ類と同じように滅びの方向へと追いやられていることである。

ちなみに、日本のペットショップでも600~1000円程度で売られていたりする。
関東の小河川で見つかったとも書かれている。
「節操ないな~日本人」と私は思う。
ペット・観賞魚などの私物化するような輸入は禁止にしてほしいくらいである。
「地域に生きる物はその地域の宝物である」わけで、だからこそ「足を運んで会う感動がある」のである。
それができないときは水族館や動物園のような公的機関で補うこともできるんじゃないかな。

書き忘れとった。
タナゴ釣りのブログにはよく「ツ抜け」という言葉が出てくる。
「ツ抜け」とは10尾以上を釣ること(数えるときツを使わんようになる)らしい。
中には「一日1000尾に挑戦!」などというものまであったりする。
嫌われるのを覚悟であえて書かせていただくが、「数釣ってどうするん?」である。
釣りをしてるとムキになって私もときどき節操なくなる(スンマセン)から自省も込めて・・・・・・
タナゴ類など殆んどが絶滅危惧種である魚たちを数釣ることが誇らしいとはとても思えんのんである。
数尾釣れたら別の水系へと移動っちゅうのが「現代の粋・たしなみ」なんじゃなかろうか?
こう考えられれば「あんまり釣れんでも悔しくなくなる」じゃろ?

午前中やって納竿。
私が3尾、友が1尾。メスに会えんかっても十分すぎる数である。
(釣りだけは私の方がうまいかもしれんね)

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