私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

セトウシノシタ Pseudaesopia japonica:浜売りミニ水族館

2024-03-14 17:14:59 | 海水魚
2024年3月14日(木)

セトウシノシタ Pseudaesopia japonica 若魚


20240303

3月2日、みぞれの降る中、横島底曳き網漁の浜売りへ5度目の顔出し。
「今日は面白いのを取っといたよ!」と、龍神丸のSさん。
トロ箱ミニ水族館にいたのがコイツ。
かるく撮影させていただいて
「明日も子どもたちのために置いておくんですよね?」
「はいっ!」
ということで、次の日に友人連れてもう一度出かけ、店じまいの頃いただいた。

さ、友人と丁寧に記録撮影、し直しだ。

ステープル(ホチキス)のような口元には、細かな毛状突起が密に生えている。
餌を感じる感覚器官なんだろうか?


尾びれは、背びれ・尻びれとくっきり分かれていて、よく似たシマウシノシタとの判別になる。

ひれの周囲は、黄色と青色に縁どられていて、ゆらゆら泳ぐたび鮮やかに輝く。
なんとなく、以前釣りの最中泳いできて私のバケツにつかまった「ミノヒラムシ」という扁形動物を思わせる動きだ。

20180427

擬態なんだろうか?
たしかにミノヒラムシは濃紫色の液を排出し「有毒ですよ~!」とアピールしてたけど・・・

それにしては、体表のシマシマは派手すぎやしないか?
それもまた「有毒ですよ~!」というアピールなんだろうか?
謎めいていて、かつ、華麗なカレイだね。

和名からわかるように瀬戸内海の砂泥底に多く生息していて、底曳き網漁でかかることが多いそうだ。
成魚になっても20cmほどの小型のカレイなので、食べるのには少々小さい。
が、そこそこ旨いという人もいるからね。

弱り切ってるけど、漁港近くでそっと放つことにして・・・

大きくなったら、ちゃんと代金払って食べてやるけんね。

「びんごの自然誌」を手に入れた!

2024-03-11 20:07:50 | 各地ローカル図鑑
2024年3月11日(月)

『備後の自然誌』 3冊


手元に届いた!
備後地方のいろんな生き物たちが沢山の画像で紹介されてる。
スナモグリの分類とかのマニアックな紹介とか
地元大学生の日々の生活で出会った虫の紹介とか
ジャンルも中身もさまざまで面白い!
届いた後、知る。
地元の図書館にもあったじゃん!

ホウボウ Chelidonichthys spinosus:底曳き漁ミニ水族館

2024-03-10 18:03:27 | 海水魚
2024年3月10日(日)

ホウボウ Chelidonichthys spinosus


20240301       体長40cm弱

この立派なサイズのホウボウが、横島の浜売り『龍神丸のミニ水族館』で泳いでいるのである。
「持って帰っていいよ!」「1匹しか採れんかったから!」と、船主のNさん・Sさんは口々に言う。
数そろわない魚たちは水族館行きとなるシステムみたいだ。
「え?いいんですか?とっても美味しいのに・・・」と、言いつつ撮影に苦労してる私。

「この角度でいい?」
見かねたNさん、青い網カゴに入れ、撮影しやすくしてくれた。
接客で、とても忙しいのに・・・
通りすがりにアブオコゼを見つけ、夢中で撮影してから6度目の訪問。
少しは顔なじみになれたのかもしれない。
信用をおいてくれたのかもしれない。
ありがたいことだ。

この科の魚では最大級の成長をする。
胸ビレの軟条が3本離れてて、それで海底を歩くようにして餌を探す。
胸ビレの美しさは外敵を驚かせるためにあるらしい。
頭の固さは相当で、慣れてないと調理は少し大変だ。
だけど、鍋にした時の美味しさは新鮮なカニ肉に匹敵すると私は実体験からそう思う。

ノミゾウヒメコバチ Entedon nomizonis?:Small is beautiful

2024-03-06 08:41:44 | ハチ・アリの仲間
2024年3月6日(水)

ノミゾウヒメコバチ Entedon nomizonis かな?

20240113  3mm弱

スギの樹皮下で越冬していた小さなハチを散策中に見つけた。
全身緑色の金属光沢の美しいハチだ。


最初、「出会うと幸運を呼ぶ」とされる大人気のミドリセイボウか?と思い
あまりに小さすぎるよな?といぶかしげ
調べるのが大変で・・・
何せ、ハチかアブかハエか、その区別さえ不安など素人なんだから。

実は、昨年末にも出会ってて・・・


そのときは、記録だけ撮ってほったらかしていた。

20231230

意を決して調べてみて、ヒメコバチの仲間 Entedon sp. であることは確からしい。
で、この場では敢えてノミゾウヒメコバチにしたのは

ノミゾウヒメコバチは、3mmほどの小さなアカアシノミゾウムシを宿主としてるそうだ。
アカアシノミゾウムシ Orchestes sanguinipes

20231223

それなら、ケヤキの樹皮下で越冬してるのをすでに見つけてて
ペトリ皿にいれて撮影してみたりもした。

そして、この小さなゾウムシは「ケヤキの害虫」としてSNS上でやっかい者にされ、防虫対策されたりしてる。

でもなあ
ケヤキの葉を食べる小さなゾウムシがいて
そのゾウムシに寄生して子孫を残す小さなハチがいて
その結果、ケヤキの葉はほどほどに保たれる
という目に見えぬほどの小さな小さな生命の循環はそれはそれで美しいんじゃないかなあ。

Small is beautiful.
ドイツの経済学者であるE.F.シューマッハの書いた本のタイトルだ。

大量生産・消費・廃棄、物流・電気などのエネルギー大移動・・・
豊かな生活を支えるために今必要とされてる経済の感覚なんだろうけど・・・
それによって「誰もがほぼ豊かであった日本」ってのは長い歴史の中で100年間もないんじゃないかなあ?

だから、地産地消とか、大都市化から地方への分散とか、そんな小さな経済に目を向ける時代になってきてるのかもしれない。
ケヤキとノミゾウムシとヒメコバチたちのように・・・
生態学は経済学でもある。

ウロコナガコムシの1種 Lepidocampa sp.:陸のプランクトンたち

2024-03-04 10:06:48 | 昆虫以外の節足動物
2024年3月4日(月)

ウロコナガコムシの1種 Lepidocampa sp.

20240104   5mm弱

カニムシたち土壌生物に魅せられて、里山の山道をはずれ、砂留直下の落ち葉の堆積層を歩く。
ふんわり足元が包まれる。
落ち葉の下のリター層をひとつかみいれた100円ショップの金ザルを白バットの上でふるう。

夕日に光る5mmに満たない透明な生き物がスススと走る。
「コムシだっ! 図鑑で見たコムシだっ!」


眼は退化し、体は透明で消化管内容物が透けて見える。
地中生活に適応した進化をしたんだなあ。

コムシ目は昆虫類と同じ六脚類に含まれ、親戚すじにあたる連中。
国内には3科10数種が生息するとされているが、もっと研究が進めば種類は増えそうだ。