銀の匙
2009年07月05日 | 本
中 勘助 明治44年の27歳のときの作品です。
古さなんて、ありません。 一気に読み終えたい作品なのです。
病弱な幼子の「心のうち」が細かにいきいきと描かれている。
子供って暗闇にもおびえるし
見知らぬ大人にも恐怖心を持つし
複雑な世間を敏感に感じ取る。
そんな気弱で虚弱な男の子を伯母さんが実母にかわって
子守役を担う事になる。
伯母さんの愛情がたっぷりと男の子にそそがれる。
からだごとそれこそ体当たりの子育て。
食の細い子に何とか食べさせようと、あれこれ知恵を出し工夫する。
山崎合戦の戦ごっこをするのにも
こどもが飽きて止めようと言うまで
息絶え絶えになってでも付き合ってくれる伯母さんの存在。
地方の言葉でしゃべる伯母さんの「気持ちの暖かさ」がすごくうれしい。
子供のこころがこまかに美しく描かれている
この作品が大好きです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます