白地に濃い縁紅ぼかし、中輪一重、抱え咲きのサザンカ、玉津島 (たまつしま)。
1898年の芦沢 「茶梅花大集」 に記載があり、安行の皆川椿花園に引き継がれた
そうです。11~12月咲き、サザンカ群。
「玉津島」 は和歌山市和歌浦の南部の地で、神亀元年 (724年) 2月に即位した
23歳の聖武天皇は、同年10月に和歌の浦に行幸してその景観に感動、この地の
風致を守るため守戸を置き、玉津嶋と明光浦の霊を祀ることを命じました。これ
が玉津嶋の初見だそうです。
この時同行した万葉歌人山部赤人の詠んだ歌があります。
神亀元年甲子 (きのえね) の冬の十月五日に、紀伊 (き) の国に幸 (いでま) す時
に、山部宿禰赤人の作る歌一首 并せて短歌
やすみしし 我ご大君の 常宮 (とこみや) と 仕へまつれる 雑賀野 (さひかの) ゆ
そがひに見ゆる 沖つ島 清き渚に 風吹けば 白波騒き 潮 (しほ) 干 (ひ) れば
玉藻刈りつつ 神代より しかぞ貴 (たふと) き 玉津島山
反歌二首
沖つ島荒磯 (ありそ) の玉藻潮 (しほ) 干 (ひ) 満 (み) ちい隠りゆかば思ほえむかも
若の浦に潮満ち来れば潟を無み葦辺 (あしへ) をさして鶴 (たづ) 鳴き渡る
(参考: 「やまとうた千人万首」 ほか)
昔の歌というのは長い歌で、その反歌が短歌として洗練されていくわけですが、この長歌
もなかなか味わいがありますね。
なお玉津島は、芭蕉が詠んだ秋田県の名勝象潟のように、かつては島でしたが今では
陸続きだそうです。
(東京都府中市 農工大キャンパス 111223.081216)
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下2枚は08年の花。
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「玉津島」 は和歌山市和歌浦の南部の地で、神亀元年 (724年) 2月に即位した
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風致を守るため守戸を置き、玉津嶋と明光浦の霊を祀ることを命じました。これ
が玉津嶋の初見だそうです。
この時同行した万葉歌人山部赤人の詠んだ歌があります。
神亀元年甲子 (きのえね) の冬の十月五日に、紀伊 (き) の国に幸 (いでま) す時
に、山部宿禰赤人の作る歌一首 并せて短歌
やすみしし 我ご大君の 常宮 (とこみや) と 仕へまつれる 雑賀野 (さひかの) ゆ
そがひに見ゆる 沖つ島 清き渚に 風吹けば 白波騒き 潮 (しほ) 干 (ひ) れば
玉藻刈りつつ 神代より しかぞ貴 (たふと) き 玉津島山
反歌二首
沖つ島荒磯 (ありそ) の玉藻潮 (しほ) 干 (ひ) 満 (み) ちい隠りゆかば思ほえむかも
若の浦に潮満ち来れば潟を無み葦辺 (あしへ) をさして鶴 (たづ) 鳴き渡る
(参考: 「やまとうた千人万首」 ほか)
昔の歌というのは長い歌で、その反歌が短歌として洗練されていくわけですが、この長歌
もなかなか味わいがありますね。
なお玉津島は、芭蕉が詠んだ秋田県の名勝象潟のように、かつては島でしたが今では
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