花の公園・俳句 ing

日本は素晴しい花の国。美しい花々と公園、四季折々の風景を記録したいと思います。我流の俳句は06年3月12日からです。

英国のEU離脱にヒトラーを想う

2016年06月25日 08時10分00秒 | 本、HP制作、写真のアップ       
英国のEU離脱が大きな話題になっています。円高が進み、株は暴落し
ました。しかし、ちょっと騒ぎ過ぎではないでしょうか。英国はもともとEU
には遅れて参加したので、少し前に戻るだけです。

移民排斥などの主張をとらえて、すぐにポピュリズムとかいう批判が出て
きますが、レッテルを張っても真実は見えてきません。
私は、グローバル化に一休みしてもらおう、という事だと思います。良い
ことずくめのように言われますが、グローバル化は世界の貧富の差を途方
もなく拡大してきました。最も利益を得るのはごく一握りの強者たち。一般
庶民は置いてきぼりで、むしろ貧しくなっています。

アベノミクスのそうです。超金融緩和で一部大企業の幹部と財界は潤いま
したが、輸入物価の上昇などで庶民は苦しくなりました。貧者から富者へ
の所得移転が起こったのです。個人消費の低迷は消費税アップのせいだけ
ではなく、そうした構造変化が真の原因だと思います。

いま世界の課題は、強者が好きなだけ儲けられる「強欲資本主義」から、
分配の公平を図る穏健な社会民主主義への移行だと思います。タックス
ヘイブンなどは、世界の協調で無くしていかなければなりません。ところ
が、安倍政権は調査すらしないそうです。どうしようもありません。

TPPもそうです。一部の強者に都合のよい仕組みをさらに拡大すること
であり、庶民には必ずしも得にならない、損になることもあると思います。
ひと休みして、よく検討しましょう。秘密裡に交渉して、これで言う事を
聞け、というのでは納得できません。

アメリカの大統領予備選挙を見ると、アメリカ社会も大きく分裂している
ようです。たった1%の人達が全米資産の3分の1以上を持っているような
社会 (上位10%の人たちでは7割以上)、貧困率が先進国で最悪の社会。
大学奨学金返済で生活苦になるのがザラというのですから、もはやアメリ
カンドリームは消滅したとさえ言われる時代です。

こうした世相を見ていると、ドイツでヒトラーが独裁権力を強奪した歴史
を思い出さざるを得ません。
先日から「ヒトラー 権力掌握の二十カ月」(グイド・クノッブ著、高木玲
訳、中央公論新社 二千十年) を読んでいます。どうしてヒトラーのよう
な極悪人が政権を取り、独裁者になれたのか。当時のドイツ政界のいろ
いろな経緯と、合法性をよそおって憲法を骨抜きにしていったその手口が
詳しく解説されています。そしてヒトラーが一たび権力の座につくと、政敵
を一挙に弾圧・暗殺し、憲法上はヒンデンブルク大統領の死後は最高裁
長官が大統領権限を引き継ぐと規定されているのに、それに違反した
ヒトラーを批判する人は誰もいなくなっていました。国民は争ってヒトラー
の先兵となり、積極的に残虐な政策に加担していったのでした。

私は、ヒトラーが権力を掌握した根底は、貧困にあえぐドイツの国民多数
の声を旧来の政治家が汲み取らず、貧富の差を解消しようとしなかった
ことだと思います。既成政党や既成政治家は信用されなかったのです。
日本でも同じようなことが起きました。歴史を忘れてはなりません。

いま世界で起きていることは、庶民の不満の爆発です。不公平・不平等
を解消していかなければ、もっとひどいことになりかねないと思います。
     (わが家で  2016年6月25日)
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