岸田政権がウクライナ支援の一環として、自衛隊が保有するドローンの供与を決めたことが波紋を広げている。
提供したドローンが攻撃に転用されれば「戦争加担」と受け止められ、プーチン大統領を刺激しかねない。松野官房長官は「ウクライナ政府の適正な管理の下、防衛のために適切に使用される」と説明しているが、“戦地”での認識は全く違うらしい。ウクライナ軍にとってドローンは最重要兵器だからだ。
「ウクライナ軍はドローンを攻撃に使う可能性が高いと思います」と言うのは、首都キーウで取材し続けるジャーナリストの田中龍作氏だ。
ウクライナ兵は「戦闘で一番役立った」と証言
「今月上旬、キーウ近郊の町でウクライナ兵に話を聞く機会がありました。『どの兵器が有効だった?』と聞くと、彼はイの一番に『ドローン』を挙げ、続いて『対戦車ミサイルのジャベリン』『自走砲』と続けました。ジャベリンや自走砲は強力な兵器ですが、単体では機能を存分に生かすことはできません。ドローンで敵軍の位置を正確に把握することで、初めて効果を発揮する。この間のウクライナ軍の『善戦』は、ドローンこそが決め手と言っていい。もし、ウクライナ軍がドローンを保有していなければ、キーウは既に陥落していたかもしれません」
岸田政権は、提供するドローンは監視用で市販の民生品と説明し、攻撃転用を想定していないとの認識を示しているが、こんな重宝な兵器をウクライナ軍が攻撃に使わないわけはない。「小型でも民生品でも、ドローンは索敵に絶大な効果を発揮します。『送ってはいけない』とは言いませんが、どう使われるのかキチンと認識した上で供与すべき。政府の考えは甘すぎるのではないか」(田中氏)
プーチン大統領の怒りに火を付けなければいいが。
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