★首相１０万円商品券配る 公邸での会食前 新人議員１５人に 自民の金権体質底なし

首相１０万円商品券配る

公邸での会食前　新人議員１５人に

自民の金権体質底なし

　石破茂首相が、昨秋の衆院選で初当選した自民党議員に対し、１０万円相当の商品券を配っていたことが１３日分かりました。３日夜に首相公邸で開いた懇談会（会食）の出席者１５人が対象で、食費も石破氏側が負担。総額は百数十万円に上るとみられます。裏金問題で有権者から厳しい審判を受けた衆院選の後に、裏金と変わらないやり方で金品に相当する商品券を平然と渡す自民党の底なしの金権体質が露呈しました。

　首相は１３日深夜から１４日早朝にかけ、記者団の取材に応じ、経緯を説明。それによると、懇談会は今月３日、首相公邸で開かれ、首相と新人議員に加え、林芳正官房長官と橘慶一郎、青木一彦両副官房長官が同席しました。懇談会に際して「お土産を渡したい」と相談し、首相の指示で事前に各議員の事務所へ商品券を配ったといいます。首相はすべて「ポケットマネー」だと説明。１４日の参院予算委員会では、官房機密費からの支出を否定しました。

　商品券の配布について首相は、「政治活動に関する寄付ではなく、政治資金規正法上の問題はない。公職選挙法にも抵触しない」などと強弁。進退を問われ、辞任を否定しました。一方、同日の参院予算委員会では、日本共産党の吉良よし子議員の質問に対し、商品券はあくまで「ねぎらい」のためで、領収書を求めなかったと認めました。政治資金収支報告書に反映されていない政治資金パーティー収入の裏金と同じような手法です。

　また、懇談会に出席した議員の多くは商品券を返却したと説明していますが、いったん受け取った以上、責任は免れません。

　さらに首相は、１３日夜の取材では「（過去に同様の）趣旨で渡したことはある」とも語り、商品券などの配布が自民党内で常態化していることを認めました。

　商品券の配布が明らかになったことを受け、野党側から首相の責任を問う声が相次ぎました。与党内からも、「このままでは夏の参院選をたたかえない」などと首相の進退を問う声も出ています。

2025年3月15日(土)

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