東京・江東区長が辞職したネット広告の公選法違反事件で、16日、東京地検特捜部が、自民党の柿沢未途衆院議員の地元事務所など関係先を一斉に家宅捜索し、捜査はいよいよ大詰めを迎えている。江東区長選も来月3日告示、10日投開票の日程が近づいてきた。各党が候補者選定を急いでいるが、驚きの情報が飛び込んできた。自公が小池都知事と組むというのだ。事件は自民党内の激しい分裂選挙が招いたようなもので、自公はダメージ払拭のため、今回の選挙では政党色を薄めて、都庁職員や職員OBなどの擁立を検討している。一方、小池知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会(都ファ)」は、自公に対抗する形で独自候補として元都議を擁立する方向で動いていた。ところが……。「14日に都ファの幹事会があり、そこで小池知事から“天の声”が降りたのです。今回は自公と一緒でいいんじゃないか、と。どうやら自民党の東京都連会長でもある萩生田政調会長からアプローチがあったようです」(都ファ関係者)
区長選にとどまらない“密約”
小池知事と萩生田氏は今月2日に会っている。小池知事が自民党本部に出向き、東京都の「経済対策」について報告、意見交換したとされていたが、本題は選挙の話だったのだろう。そこで共同戦線に合意した可能性が高い。が、「両者の“密約”は区長選にとどまらない」と、東京政界に詳しい関係者はこう話す。「来夏の都知事選についても話し合われた可能性が高い。都ファが江東区長選で候補者擁立を見送り、自公の候補に相乗りする代わりに、都知事選で自公は小池知事を支援するということです。もともと公明は小池知事と近い。東京の自公関係がギクシャクしている中で、小池知事を巻き込んで自公体制を立て直したいと萩生田さんは考えている。一方の小池知事も、知事選だけでなく都議会対策を含め、自公と近づくメリットを感じている。両者の利害が一致したということ。ついでに、萩生田さんの地元で年明けに行われる八王子市長選は、自公と都ファの一騎打ちになりそうですが、小池知事は応援に入らず、萩生田さんに配慮する約束もしたのではないか」日刊ゲンダイ既報
(15日付)の通り、小池知事は選挙運動まがいの防災ポスターを都内の町会に貼ってもらうなど、都知事3選への意欲を見せている。だが、自民お得意の古い“談合”のような選挙協力では、区長選でも都知事選でも逆に無党派層が逃げていくんじゃないか。ちなみに区長選には、維新がメディアでも活躍している地元の医師、立憲は区議などの擁立を検討している。
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