「7月完了」政権ごり押し 高齢者ワクチン接種、市区町村86%「可能」
新型コロナウイルスワクチンの高齢者接種を巡り、約九割の市区町村が七月末に完了できるとした政府発表に、波紋が広がっている。菅政権に「七月完了」を振りかざされ、やむなく応じた例が少なくない。地方行政を所管する総務省や都道府県、ときに国会議員までが束になり、なりふり構わず電話攻勢を掛けた実態など、やり口が次々とあらわになっている。
▽パートナー
「妙な電話が来ている」。四月二十八日の千葉県内の会合。ワクチン行政を担う厚生労働省ではなく総務省から、首長を指名し、接種完了の前倒しを求めてくることが話題になった。同じ時期、宮城県の自治体職員は「完了が八月以降のところが狙い撃ちされている」と取材に話した。中国地方の県関係者は電話口で「厚労省でなく、うちが動いている意味合いは分かりますね」と言われた。
関東地方の市長の元にも、総務省の複数の職員から電話が来た。最初、体よく断ると、次には局長から「自治体はわれわれのパートナーだと思っています」と前倒しへの同調を求められた。首長は「まずワクチンを供給して」と、やり返した。
連休が明けると、今度は県から「七月中に終えられないのか」とただされた。前後して、地元...
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首相発言で接種計画前倒し66% 高齢者の7月完了、47市区調査
首相の「7月末完了」発言で接種計画変更した31市
新型コロナウイルスワクチンの高齢者接種を巡り、都道府県庁がある47市区のうち、約66%に当たる31市が「7月末完了」との菅義偉首相発言を受け、接種計画を前倒しするなどの変更をしたか、検討していることが15日、共同通信の調査で分かった。47市区のうち5市は7月末に完了できないと回答。38市区は可能としたが、そのうち10市は「国の支援があれば」などの条件付き。人手不足の訴えも16市に上った。
政府は12日、全1741市区町村の86%が7月末に完了する見込みとの調査結果を発表した。共同通信調査では、課題を抱える自治体が少なくないことが分かる。
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