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ドキドキ!プリキュア 第49話(最終回)「あなたに届け!マイスイートハート!」

2014年01月26日 | ドキドキ!プリキュア感想
【今年のプリキュアさん】



相田さんの戦いも本日でひとまず終わり。
毎年プリキュアさんには大きな影響を受けてますが、今年扱ってたテーマも直撃でした。
ドキドキさんには心からお礼を言いたい。1年間、ありがとうございました。

■ドキドキ!プリキュア 第49話(最終回)「あなたに届け!マイスイートハート!」

キングジコチュー撃破。
しかし破片となったキングさんを飲み込んで、ベールさんがラスボス化しました。
どうせ戦力的に勝てないのに。さっさと片付けて後日談に入ろう。

と思う間もなく、ベールさんが闇に飲み込まれました。
ずっと「No.1になりたい」というジコチューを抱いてきたベールさん。願いがかなった途端に消滅されました。
願いが「No.1になりたい」のみでその先がなく、一瞬でも満足してしまったのが敗因だろうか…。



現れたのはプロトジコチューさん。
見るからに弱そうです。
1万年前の石器玩具に敗れてますし、最新プラスチック玩具の前では雑魚同前。さっさと片付けて後日談に入ろう。

だけどまさかの展開。プロトさんは強かった。
なまじ勝ちを確信したせいか、妙に雑な戦い方をするハートさんらは防戦一方。
まずい、微妙に尺が足りてない。そこで説得に出てみた。

ハートさん:
 「たった一人の世界だったら、あなたは横入りも信号無視もできなくなるんだよ」
 「誰もいない世界では、あなたはジコチューではいられなくなる」

けだし名言。
確かにジコチューは他者の存在が前提です。
いわば他者への依存なのだし。



その言葉にプロトさんも一瞬怯みますが、そこはジコチュー。気にせず攻撃を続行なされた。
まぁ、ラスボスが「そうだな。信号無視したいし、世界滅ぼすの止めよう」と考えたら、それはそれで画期的ですが…。
見た目が弱小なくせに意外と粘り、おまけにハートさんのジコチュー化に成功しました。



楽勝でラスボスを片付けて、たっぷり後日談…と思いきや前半終わった時点で悪堕ちハートさんか。
間に合うのかどうか一気に不安になりますが、直後、あっさりと自力復活なされました。
これはどう解釈すればいいんだろう。。

そして復活なされたハートさんは、その勢いで2段変身を遂げられました。
本当に何なのこの子。
下手に痛めつけると、数倍にして返してくるなんて。



ハートさん:
 「キュアハート・パルテノンモード」

パルテノンといえばパラスアテナを祀るパルテノン神殿。
ギリシア語の「παρθενών」(処女宮)が由来だそうです。
意味的に未婚女性と関係が深いので、映画版のエンゲージモードとは、かなり対照的。

また、アテナといえば戦いの女神ですが、同じく戦いの神のアレスとは方向性が違います。
アテナは名誉や大義のための誇りある戦い、アレスは野蛮で粗暴な戦い。
今回のハートさんVSプロトさんの立ち位置とも被る。



圧倒するパルテノンハートさん。
ちなみにギリシア神話のアテナとアレスの力関係もこんなもんです。
愛、強し。足、美し。

追い詰められたプロトさんは言う。「何度でもジコチューは生まれる」と。
だけど相田さんも言う。「けれどそうやって悩むから人は強くなる」と。
例えあたしが愛を失っても、仲間たちが支えてくれる。だから何度でも立ち上がって見せる。

相田さんの力とお言葉の前に、プロトさんも浄化されていきました。
気の毒に。1万年たとうが、目の前のを倒そうが、何度でも蘇ってくるとあっては絶望するしかありません。
さようならプロトさん。また1万年後に会おう。その時には今よりももっとプリキュアが増えていそうですけれど。

戦いはこうして終わりました。壊された街も元通り。
王女様は戻りませんでしたが、円さんとレジーナ様、アイちゃんはいる。
泣き崩れるまこぴーも立ち上がり、1年に渡る大戦は終結しました。



後日談。まさか四葉さんの制服姿を拝めるとは。
更にはまさかのトランプ王国との交易開始。
確かに「リソースを追加する」というテーマとは合致しまくりですが、ここまでとは予想しなかった。
世界が変わっていく。恐ろしい勢いで。



そして変わっていく世界の中、今日も空を飛ぶ大貝中学・元生徒会長の相田さん。
新たに手に入れたプリキュア能力は、平和の維持に転用されました。
謎生物たちも世界に順応し、双方の世界が発展していく。
今後にも希望を持てる、素晴らしいラスト。
この精神は、日常生活でも意識していきたいと、本当に思う。


(左画像)
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(右画像)
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【今回の鳥】



かかと落としとかビックバンとか、最後の最後で美翔さん成分大活躍。

【今週のまこぴー】

以前に、「友に置いて行かれた時に、『よくも捨てやがって』と恨むんだろうか?それよりも『もう共に戦えないのか』と悔やむ方がありえるのでは?」と書いたことがある。(「ドキドキさんの映画に想う」
ずっとモヤモヤが残っていたのですけど、前回のまこぴー発言ですっきり落ちた。
まこぴー(およびトランプ王国の人々)は、劇場版の犬、あるいは「幸せの王子」なのかもしれない。

 まこぴー=幸せの王子
 国王=困っている街の人

 街の人を救うには、幸せの王子の犠牲が必要
 国王が王女を救うには、まこぴーの犠牲が必要

では犠牲になった「幸せの王子」は、街の人たちを恨むのか?
いやそんなことはないだろう。
むしろ望んで散っていったのだし、むしろ「もう助けてあげらないのか」と嘆く気持ちの方が大きかったはず。

まこぴーも同様です。
王様から選ばれず、犠牲になったこと自体には思うところがあるかもしれない。
でも恨んだりはしない。愛に罪はない。悪いのは、それを利用しようとする奴らだ。

「幸せの王子」の例えだと、街の人(トランプ国王)と王子(国民)が入れ替わってるので紛らわしいですが…。
いっそ、まこぴーが王女だったら話は分かりやすかったのかもしれません。

(例)
 まこぴー王女が治める平和なトランプ王国。
 しかしある時、大臣の娘・アンが病気に。
 病を治すため、大臣は封じられていたジコチューを解き放ってしまい…

これだったら「まこぴー=幸せの王子」がすっきりと分かる。
まぁすっきりしすぎていて、前回のまこぴーの台詞の重みが薄れるので、盛り上がり的にはいまいちですが…。
それに、まこぴーが王女という状況が愉快すぎるので、ちょっと勘弁して欲しい。

あと、これに関連して、劇場版の主題歌「たからもの」は、「相田さんから犬に贈る歌」というより、「犬から相田さんに贈る歌」と考えたほうがしっくりくるのかも。
犬=まこぴーだとするなら、「まこぴーが王女様に贈る歌」でもいい。かなり心に響きます。
そう思うと、「『たからもの』は、まこぴーは歌っていない」というのが、逆に「そういうことか」と思えてくる。

[追記]
 ちょっと小難しく回りくどい考え方をしていたかも。
 素直に「アン王女=幸せの王子」「まこぴー=王子を見て喜んでいた街の人」でいいですね。
 「王子」(王女)はいなくなったけれど、「彼の配った金箔」(エースさんやレジーナ様)、すなわち愛は手元に残る。
 
 ただ「何が切り捨てられたのか」「何が自己中なのか」を踏まえると、双方に「幸せの王子」の要素があり、双方向に解釈可能な気がする。

【今年のプリキュアさん】

ただそうは言っても、置いて行ったり行かれたりするのは悲しいもの。
だからそれを回避するために、リソースを追加しよう。
一人の超人に頼るのではなく、外から力を持って来よう。

国王は「国民か、王女か」で悩むのではなく、王国プリキュアを総動員しジコチューに決戦を挑めば良かったんだ。
「幸せの王子」でいえば、王子は金箔を配るのではなく、「もっと僕を観光資源として活用してくれよ。近隣から観光客呼んで、外貨を獲得しようぜ」と持ち掛けるべきだったんだ。

だから最終回で、四葉財閥がトランプ王国と交易してるのは、ギャグなようでいて凄まじいシーン。
ローカルで魔法箒を売ってた(多分、トランプ王国的には珍しくもない日用品)のが、海を越えて強烈な価値を持ち、一大利益となるのですよ。
逆に、地球では普通の商品も、王国では驚異的なニーズになるものもあるはず。歯ブラシとか。王国には虫歯予防の概念ないみたいだし。

「プリキュア」が使い捨てではなく、その後も国防兵器として活用されてるのもいいです。
もはや「限られた超人がなんとかする」とか「1回限り、その危機を乗り越えたら終わり」なんてフェーズではないんです。
初代の「ふたり」の頃と比べると、隔世の感がありますね。(どちらが優れているとかそういったことではなく)

【君を信じる。ために戦う】

今年1年は、OPのこのシーンに凝縮されていたように思う。



 『君を信じる。ために戦う』

楽しく遊んだあの日々がカットインする中、それぞれが、それぞれの場所で戦うカットの連打。
友も戦っていると信じている。だから戦う。
友も戦っている。そう信じるために戦う。
超人一人がなんとかするのではなく、皆が皆を信じる。ために戦う。

去年の「スマイル」は、プリキュアになっていく過程の物語だったように思います。いわばプロローグ。
メルヘンに救われた少女が、メルヘン(プリキュア)になるまでのお話。
(本編でOPのシーンが使われた時には、「ついにあの未来に追いついた」感がありました)

対して「ドキドキ」は、プリキュアになった後の物語だったように思う。いわばエピローグ。
しばしば相田さんは、「最初から完璧な主人公で成長がなかった」と言われる。
ですが「彼女は既に1戦終えた後で、今年は第2期です」と言われたら納得できます。

例えば小学校高学年の頃に、相田さん・菱川さん・四葉さんの3人で、既にプリキュアとして戦い、世界を救っていたとか。
最終決戦で「それでも私たちは、皆の愛を信じている。ピンチになっても皆で助け合って乗り越えられる」とか何とか叫んでラスボスを撃破。
それから数年後の物語…とか。

言うまでもなく「過去にプリキュアとして戦った」なんて設定はありませんが、自己をすり減らし、超人的能力で周囲を助け続けてきた相田さんの姿は、プリキュアに例えてもさしたる違いはないはず。

したがって相田さんが直面していた問題は、自身の能力の成長ではなく、周囲を信じられるかどうかの点だったのだろうと思う。
ソフト部の助っ人を引き受けた第11話は、「あたし一人の力が大事なんじゃない」と言いながらも、「だからあたしのスキルを皆に教えるよ」とはなってない。
弟子をとった第12話も同様で、「背を見て育て」方針。逃げだした弟子をつかまえて仕込むとか、そういうことはやってない。

彼女の生き方を考えれば「自分でやるしかない」に陥るのは不思議ではない。
とはいえ、初期の彼女は、ちょっと異常なまでに自分を追い込んでる。
そんな相田さんも、最終決戦では「みんなの愛を信じている」と断言してくれました。
多分、大きかったのは第32話の文化祭でしょうね。
あんまり強調されていないだけで、相田さんも結構、成長してると思うのです。

【今週のまこぴー】



まこぴー:
 「ずっと不思議だったの」
 「こっちの世界の人たちは、どうして一緒に唄おうとするんだろうって」
 「歌は静かに耳を傾けるものでしょう?」

さりげなくまた重要なお言葉。
一人の歌姫のお歌に皆で聞き惚れるのではなく、皆で歌おう。
この下地があったかどうかが、王国の明暗を分けたのかもしれない。

まぁ実際には、じっくりと歌姫のお唄を聞きたい局面もありますけどね。

[追記]
 ちなみにこのシーンは本来第1話用に用意されたもので、オーディションにも使われたのだとか。
 それを最終回に持ってきたのは、なかなか思い切った英断。

【今年のプリキュアさん】



王女様を見送る一行。立ち尽くすジョナサンから悲しみが伝わってきます。
抱っこしていたアイちゃんも、まこぴーの元に飛んでいき、最後は一人ぽつん。
物悲しいラストだ…。最後の最後まで、ジョナサンのことは良く分からない1年だった。。

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