穴にハマったアリスたち

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行ってきた:東映アニメーション、アンジェ城、アンボワーズ城、洋服屋

2013年06月22日 | 旅行・ジャンヌダルク
先日フランスに旅行に行ってきました。
というわけで、ちょっと間が空いてしまったけど感想書いてみる。

【パリ】

かれこれ5度目となるパリ。
観光目的で訪れた街としては、多分、最多になってしまった。
しかし何度来ても飽きる気がしません。

パリの独特の雰囲気はとても好き。
600年前、攻めてきたジャンヌに応戦し、200年前、フランス革命の舞台となった街。
100年前、巴里華撃団が乱舞し、3年前、花咲さんが道に迷った街。

歴史上、極めて大事なイベントが何度も起こった重みは伊達じゃない。
言葉に上手く言い表せませんが、「サクラ大戦3」や「ハートキャッチ」映画に満ちるあの雰囲気が、まさにそのまんまそこにあります。

(蛇足:サクラ大戦3OPその1その2

 (製作費3億ともいわれる狂気OP。
  舞台が「パリ」というのが、とてつもなく効いてます。
  「その2」のラストの「凱旋門で記念撮影する帝劇娘」とか、訳の分からん破壊力ですよ)

今回はルーブルやオルセー等々を回りました。
中世美術館に行きたかったのだけど、お目当ての「貴婦人と一角獣」はちょうど日本に来てる最中。
危うく間抜けな展開になるとこだった。(渡仏直前に気づいて、先に日本で見に行きました)

で、今回の私的最大の目玉はここ。

 

我らの東映アニメーション

場所はルーブル美術館から5分ちょっと。
セーヌ川を渡った先にあります。
きっと花咲さんも一時滞在してたに違いない。

見ての通り、外観はいたって普通のビル。
噂のレディバグさん(リンク先:ニコニコ動画)に会えるかと思いましたが、そんな要素は全くなし。
看板も何もないので、外見だけでは何の面白味もない。

中に入ろうと思えば入れたっぽいけど(前を通ったら「入るか?」と聞かれた)、さすがに怖かったのでやめました。
多分、罠だ。
捕まってレディバグさんとかに拷問にかけられるんだ。

【アンジェ】

プリキュア聖地と呼んでよい…んだろうか。
パリから見て南西、ロワール地方のアンジェにも行ってきた。
(ちなみにアンジュでもアンジェでも基本的に変わらない。時代と行政的範囲の違い)

日本でいえば奈良あたりの位置づけでしょうか。
イギリスのプランタジネット朝の発祥の地でもあります。

見所はアンジェ城。バリバリの武闘派のお城です。



お城そのものも十分に見応えがあります。
が、ここで有名なのは世界最大・フランス最古のタペストリー「ヨハネの黙示録」の展示。



圧倒された。

そりゃ黙示録を描いたタペストリーなのだから、相当な数あることは分かってましたが…。
てっきりホールみたいなところに展示されてるのかと思ったら、L字型の長い廊下にずらりと。
それこそ端が見えないくらいの広さに、ぎっしりと展示されてた。

あまり長居はできなかったけど、街自体も素敵なところでした。
観光案内所がしっかりしてて、ビビるくらい。
無料トイレに手荷物預かり、観光マップまでくれるんですよ!
それも「このルートで回ると1時間くらいかかって…」とか説明つきで!
名物らしい「青いチョコ菓子」も美味しかったし、次の機会があったらしばらく滞在してみたいです。

【アンボワーズ】

同じくロワール地方の街。
アンジェから2時間ほど。トゥールから30分弱。
日本でいえば京都のイメージ…ですが、そこまでは観光地化されてなかった。

ロワールはお城で有名な地方で、その中でもアンボワーズ城は最大のものの一つ。
世界史を選択してた方にとっては、ユグノーの虐殺事件のあったお城と書けば、ピンと来るかもしれません。
第二次大戦中の一時期には、「モナリザ」が避難したりもしてた。



シャルル7世が購入して以来、17世紀のあたりまで、フランス王家はここに構えていました。
シャルルはジャンヌ・ダルクが仕えた人ですので、一応「ジャンヌ」関連物件といえなくもない。
まぁ「ジャンヌ」クラスタ的には、シャルル7世は好ましくない人物なので、微妙ではありますが。

(ちなみにジャンヌで有名なシノン城は、アンボワーズから30分ほどのところ。この付近はトゥールやポワティエ等々、有名どころが沢山ある)

お城の近くには、晩年をここで過ごしたレオナルド・ダ・ヴィンチのテーマパークもあります。



中には彼の発明品が再現されており、実際に触って遊んだりできます。お子様大喜び。
ダヴィンチが化け物なのは知ってはいましたが、こうして発明品の数々を実際に見ると唖然とします。
隣にあるアンボワーズ城と同時代の産物とは到底思えない。

なおアンボワーズもアンジェもお子様だらけでした。
多分、修学旅行的な何かだと思う。
「フランス人観光客が多数いるフランス観光地」というのは、妙に新鮮だった。

規模としては小さな街でしたが、街も人も、程よく観光客慣れしてて過ごしやすかったです。
例えばアンボワーズ城にもダヴィンチパークにも、日本語の観光ガイドが用意されてた。
それも不自然な片言日本語ではなく、細かい言い回しを楽しめるレベルのしっかりしたのが。
正直なめてました。1,2時間あれば観光し終えるかと思ってましたがとんでもない。
パリからも比較的近いですし、「メジャーどころからはちょっと外れたところ」を観光したい方には、かなりお勧めしたい。

【トゥール】

以前にも行きましたが、電車の待ち時間の合間に寄ってみた。
位置的にはアンジェとアンボワーズの間。
パリから電車でこの地方に来ると、割と拠点になるところ。

ここには「ジャンヌの鎧を作った店」が現存しています。
「現存」といっても、どの程度の「現存」なのかは不明ですが、まぁとにかく存在してる。
現在は女性服のお店になってる。鎧じゃ食っていけないし。



場所は教会のすぐそば。
大通りから教会のある通りに入って、真直ぐ1分程度のところにあります。
いたって普通の洋服屋さんなので、あることが分かってても通り過ぎるレベル。
前回も迷いましたが、知ってた今回も迷った。
何故にもっとアピールしないんだ、この街は。

【感想】

渡仏は5度目でしたが、「フランス語が分かる知人と全く行動を共にしない」のは今回が初でした。
結構怯えていたのですけど、いざ行ってみたらどうにかなった。
というか、どうにでもなる。今は時代が凄い。



まず、国内だろうが国外だろうが、全く関係なく携帯・スマホが使えます。
これはとんでもなく大きい。
10年以上前、初めてフランスに行ったときは携帯が使えなかったんですよ。
言葉も通じぬ異国で、連絡手段が途絶する恐怖…!
ところが今は、取り立てて設定しなくても余裕で使える。(注:もちろん実際に行く場合には事前に要確認)

またネットの破壊力が凄まじい。
グーグル先生の力をもってすれば、地図も現地情報も思うがまま。
街に着いてから店を検索し、位置情報を頼りにたどり着くとか、普通に何度もやりました。
住所打ち込めば、即座に現在位置つきで地図が出るんだから、道に迷う気すらしない。
念のためガイドブックは持って行きましたが、実用として役に立ったのは「会計お願いします」をフランス語で何と言うか?を調べた時くらいでした。

事前準備も圧倒的に楽になってます。
国内旅行と同じ感覚で、電車も宿も予約できる。
まさか楽天からでも注文できるとは…。盲点だった。

私が初旅行ではないからというのも多少はあるのでしょうけど、それ以上にもはや「特殊でスペシャルな旅行」ではなくなってるんだなと思いました。
「行っただけで感動!」ではなく、「行けるのは普通として、そこで何をするか」の時代になっているというか…。
(何せその気になれば、有給使わなくても行って帰ってこれる。
 金曜夜に出発(24時発の便がある)⇒現地時間の土曜朝に着⇒朝から全力で観光⇒土曜夜の便で帰⇒日本時間の日曜夕方に着。
 費用はほぼ交通費だけなので、時期によっては10万程度。下手な国内旅行より安い)

よく「ネットで見れるから行く意味ない」とも言われます。
ですが、やっぱり行くことには大きな意味があると思う。
広大な視覚情報は現代科学でも再現不可能ですし、「いくらでも情報が手に入る」のに意外と簡単な情報は現地に行かないと分からなかったりする。

上述の通り、とんでもなく便利な時代になってるのですが、いいかえると、それだけの環境を利用しないのは勿体ない。
今回の旅行では、特にそんなことを思いました。やりたいことはやれる。やりたいことをもっと積極的に見つけよう。
良い旅だった。

【蛇足】

気を悪くする方もいるかもしれませんが、旅行中に感じたことなので書いてみる。



ちょうど旅行してるくらいのタイミングで、「各国のイメージ調査」が発表されてました。
それによれば、フランスは中国に対して最も悪感情を持ってる国。現在の日本よりも中国に対して好ましく思ってない。
実際、ここ数年、行く度に中国人観光客を見かける数が増えてたし、言われているようにマナーもあまりよろしくない。

そんな中、街を歩いていると、悪い意味で声をかけられるときはチャイニーズと呼ばれ、好意的に声をかけられるときはジャパニーズかと呼ばれました。
例えば酔っ払いに絡まれたり、路地を歩いてるときに現地の人からひそひそ言われるときは「チャイニーズ」と言われ、お店に入って何かを注文したり、写真を頼まれたりするときは「ジャパニーズ」扱い。

もちろん実際私は日本人なので、ちょっと知識のある人なら日本人と分かる(日本語で話してるんだから)でしょうし、好意的に接するときは相手の様子を見るでしょうから、正しく判定できる…というだけかもしれません。
あるいは日本のガイドブックや情報を元に旅行してるんだから、必然的に親日の方が多いだけかもしれない。

とはいえ、これは素直に自国の美点だと喜びたい。そしてこういう好印象を崩さないように、私も意識したい。
極端にいえば、道端で唾を吐いたり、観光地で馬鹿騒ぎしたりしたら「ああ日本人もそんな程度か」と思われるわけで。
一つ一つの小さな積み重ねって、大事です。

考えてみれば、遠いフランスの観光地に、日本語のガイドが整備されてるとか、凄い状況ですよ。
イタリア語やドイツ語の横に、何故か日本語のマークが並んでる。
日本にいるとどうしても日中韓と横並びで語られがちだけど、単純な数字指標では表せない何かがあると思った。

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