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スマイルプリキュア! 第7話「どこなの?わたし達のひみつ基地!?」

2012年03月18日 | スマイルプリキュア!感想
【今週のオールスターズ】

放送開始から9年。
初めてプリキュアを見た女児たちも、今や中学生。
テレビの中のプリキュアさんたちと同じ年齢になるにつれ、ある大問題が浮上してきます。

 『私たちはプリキュアになれないのか?』

現実は甘くない。
プリキュアさんのように、素敵なお友達はいない。
アニメチックな能力や才能もない。
絶対に諦めない心も、素敵な玩具もない。
そんな私たちは、プリキュアになれるのか。

私たちと同じ「いたって普通の地味な女の子」である坂上さんと、超次元世界に住むプリキュアさんたちを描いた素晴らしい映画でした。
9年間、プリキュアさんを見てきて本当に良かった。
特に初期シリーズから見続けた人には、ご褒美のような映画だったと思う。



今週のOPで流れた美翔さんの映像に対する熱き思いは、この数年をプリキュアさんとともに歩んできた人にしか分からないはず。
在庫とか失敗プリキュアとか名ばかり詐欺とか「あれ?何で出勤してるの?昨日、辞表の書き方教えたよね?」とか言われ続けた美翔さんが、こんなにも大活躍ですよ!
私たちの9年間を舐めるな。そして、私たちもプリキュアを目指そう。

個人的には最高傑作と讃えたい。
他映画があるからこその「最高」なので、単純比較はできませんけれど。
映画感想1周目および2周目

■スマイルプリキュア! 第7話「どこなの?わたし達のひみつ基地!?」

秘密基地を探そう。

ふと誰かが言い出しました。
先日、学校の中庭を占拠しましたが、よくよく考えたら学校は学校です。
落ち着いて玩具談義も出来やしない。
せっかくプリキュアになったし、仲間もこうして揃ったのです。
秘密で素敵な基地を探しましょうそうしましょう。

そこで、あらゆる場所に移動することができる不思議図書館の力を使い、あちこち探してみることに。
この不思議図書館を秘密基地にすれば良いのでは?との案は、即座に却下されました。
こんな「かぐや姫」を読んだ直後に転移したら、即、生死に直結するような所を基地になんてしたくないのです。

各自の希望の赴くまま、ふらふらと各地を回ってみますが。
どこもかしこも先約済み。そりゃそうです。
不思議図書館の機能は、「どこかに行くこと」。
「基地を作る」機能ではないのだから。
素敵な所には誰かがいるし、誰もいないところは、そもそも居住には不適切なのです。

心が折れかけながらも、星空さんが希望したのは「赤毛のアン」のような「秘密の場所」。
アン・シャーリーとダイアナ・バーリーの心の友ぶりに憧れていたそうです。良いですね、その2人。
でも私としては、ルビー・ギリスとエム・ホワイトの関係をもっと評価してくれと、声を大に叫びたい。
「赤毛のアン」シリーズの裏側で展開された友情物語ですよ。
第1巻の「赤毛のアン」で、些細なことで喧嘩したルビーとエム。
その後、ルビーは学校を卒業してクィーン学院へ。エムがどうなったかはアン視点では不明。
第2巻「アンの青春」、第3巻「アンの愛情」と物語が進む裏側で、ルビーは教師になって別の街へ。
ちなみに「赤毛のアン」時代にアンの友人として頻繁に出てくるのは、ダイアナ・ジェーン・ルビーの3人。
ダイアナは「昔ながらの幸せ」を選び、学問は最低限にして、早々に地元で結婚して平凡な生活を選択。
ジェーンは「人生は金だ」と豪語し、金持ちの男を誘惑して結婚。でも表面的な金だけでなく、しっかりと内面も通じあって幸せに。
残るルビーは「恋愛万歳。良い男万歳」の人。彼女の徹底しているところは、持って生まれた美貌に頼らなかったこと。
当時としては決して多くない進学を選択し、教師の道に進んだのも、「その方が良い男を見つけられそうだから」。徹底してます。格好いい。
そしてその計画通り、赴任先で知り合ったハーブ・スペンサーと婚約。
これまでの苦労が実って、幸せな生活を歩めるまさに勝ち組…と思いきや、肺炎で倒れます。
余命いくばくもないルビーは、ようやくその時に、ずっと喧嘩していたエムと仲直り。
この一連の物語は、アン・シャーリー視点では全く描写されず。
ただただ、伝聞系などでほんの僅かにアンの耳に入るだけ。
アン自身も「ぶっちゃけルビーとか今さらどうでもいい」という態度なので、殊更にフォーカスもされず。
でもだからこそ、主人公・アン以外にもちゃんと世界が広がっていることが感じられ、世界観の構築に貢献しています。
アンが見ていないところでも、ちゃんと物語は進んでいる。主人公の周りだけが世界じゃない。
こういう演出は非常に良いですね。
他にも、ムーディー・スパージョン・マクファーソーンとかチャーリー・スローンの物語も熱い。
この辺は、実写版「赤毛のアン」で微妙に改変されたりしてて、「元ネタ知ってるとはしゃげる」作りになってたりします。
なお、そんなルビーに対し、アンの発した「あんな人生は嫌だ」という台詞はかなり酷い。ダイアナやジェーンの生き方は肯定してるのに…。
アンの「高い教養を得て自身も収入減を得る」、ダイアナの「学はないものの昔ながらの生活」、ジェーンの「金」に対し、ルビーは「恋愛」。
当時の価値観や人生の選択肢をキャラごとに分担してるわけですが、ルビーだけ不幸な結末を迎えます。
ルビーは受け身というわけでなく自分から努力してるし、生まれながらのビジュアルに依存してるわけでもないのに、何故にあそこまで否定されたのか分からない。
同じく恋愛ジャンキーなフィリパ・ゴードンのことは親友扱いなのに。
大体、アンは少しばかり好き嫌いが激しすぎるのですよ。
自分は容姿のことを指摘されると激怒するのに、他人の容姿は批判したりしますし。
おそらくルビーにきつい態度なのは、彼女がアンの理想とする金髪碧眼娘だからだとか、そんな理由ですよ。酷い話だ。
だからこそ、ルビーとエムとの、主人公・アンとは全く無関係な物語が非常に良い味を出し…

何の話だっけか。

「赤毛のアン」は、幼少時の思い出をちょっとしたギャグにしたお話。
勘違いされがちですが、決してメルヘンいっぱいの素敵素敵を全肯定してるわけじゃない。
あれはいわば学園コメディ。
誰しも経験のある中二病な思い出を、「いや冷静になったら変でしょそれ」とツッコミを交えつつ、「でも良かったよね、ああいうのも」と微笑ましく展開するお話です。
(作者のモンゴメリが、「私とアンを同一視して憧れないでくれ」とぼやいたのは有名な話)

星空さんは「現実はメルヘンのようにはいかない」と理解しておられるようなので、「赤毛のアン」はかなりぴったり。
是非とも、そこらの男子学生の頭を石板で打撃して回るような、素敵な女性になって欲しいものです。
大丈夫、石板で殴るのは犯罪じゃない。「お下げをピンでとめる」ルビーギリスごっこをやると通報されますが。

探し回った結果、最後は「不思議図書館に最適な場所に連れて行ってもらう」ことを選択。
当然のことながら、提示されたのは不思議図書館その場所でした。
図書館さん的には、今回の星空さんたちの行動には思うところがあったらしい。
この女子中学生ども、こんなに便利な場所だというのに、却下しやがって…。

色々あったものの、相当にアバウトな指示でも目的地にちゃんと連れて行ってくれる優秀な秘密基地を手にいれました。
その気になればバッドエンドな方々のアジトを、ピンポイント爆撃することも可能です。
こういう便利なアイテムを、好戦的なスイートさんやハートキャッチさんが持ってなくて良かったです。安心して眠ることもできやしない。


(左画像)
小説 プリキュアオールスターズ NewStage みらいのともだち (つばさ文庫)

(右画像)
プリキュア シンドローム!〈プリキュア5〉の魂を生んだ25人【描き下ろしポストカード3枚付き】


【今週の青】

基地として希望したのは富士山。

かつてないほどにプリキュア業務を真剣に考えておられます。
しかしながら残念なことに、今年のプリキュアさんはゆとり全開なスマイルさん。
浮いているのが気の毒です。

もしも月光さんと、ふたりでプリキュアやってたら凄まじく生真面目なシリーズになってそうです。
せっかくなので、体育会系なノリが好きそうな北条さんも加えてみよう。更に初期の水無月先輩も。
切りよく5人にするために、もう一人追加して美翔さん。多分、心労で倒れる。

【来週の星】

かつてブッキーさんが経験した入れ替わりネタ。
何故今ここでキャンディと?
意図が分かりませんが、スマイルさんの緩いノリなら、何でも許せそうな気がする。

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