中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

ペットボトルの茶

2007-06-19 08:20:23 | 中国のこと
 今はお茶を淹れるのではなく、ペットボトル入りのものを買う時代だと言う。ペットボトルから湯飲みに移して電子レンジでチンというのはどうにも味気ない話だが、確かにそう言われるくらいペットボトル入りの茶は緑茶、烏龍茶、ブレンド茶など全盛だ。

 中国人はよく茶を飲む。観光バスの運転手などは専用の筒型のボトルに茶葉を入れて湯を注いで置いていて飲み、休憩の場所では湯を足しに行く。博物館でも出入り口に坐っている女性のそばにも同じような容器がある。この容器はスーパーでも売っていて、安いものからかなり高い凝った外見のものまでいろいろあって、中国人が茶好きであることがよく分かる。中国茶と言うと烏龍茶を想像するが、実際は圧倒的に緑茶が多く、いわゆる銘茶だけでも400種以上の銘柄があるそうで、烏龍茶は福建省や台湾に産するくらいで、中国茶全体から見ればほんの一部でしかない。

 その中国でも近頃ではペットボトル入りの茶が売られるようになってきている。もっとも日本のように2リットル入りというものなどは見たことはなく、500ccくらいの携帯できるものだ。街では若者が持って歩いているのを見かける。中国人は基本的には料理は温かいものを食べて冷えたものは敬遠するが茶も同じで、夏だからと言ってレストランなどで冷たい茶が出されることはない。日本人が好むギンギンに冷えたビールなどは中国人にとってはとんでもないものらしい。そのような中国人がペットボトル入りの茶を飲むようになるとはちょっと思えなかったが、年輩者はともかくとして若者の嗜好はだんだん変ってきているのかも知れない。私も一度ペットボトルの緑茶を買って飲んだことがあるが、甘くしてあるのには閉口した。別の機会に買おうとして甘くないのを探したが無かった。紅茶と同じ感覚なのだろうが、甘い緑茶などどうにも好きになれない。

 ペットボトルと言えば、ホテルの部屋にはたいていペットボトルの水が置いてあり、これはサービスで無料だ。よく知られているように中国では生水を飲むのは禁物で、ホテルでは必ずこのボトルの水か、備え付けの電気ポットで水道水を沸かして飲まなければならない。ある卒業生は、これまで中国で水道の生水を飲んでも腹を壊したことは一度もないそうだが、これは稀な例だから、うっかり真似をするとひどい目に遭うだろう。中国でも水道水を飲むことはしないで、20リットルはあるような大きな容器に入った水を買っている家庭はかなりあるようだ。街では、そのような容器を満載したリヤカーを自転車で引いているのを見かける。かなりの重労働だろう。
 
家庭に備えてある給水器。


西安空港で。業務用らしい。


 そんなことで水から茶へとペットボトル入りのものがだんだん増えてきたのかも知れない。ペットボトルの水はごく普通に売っていて、少し前には「哇哈哈(wahaha)」というブランドが多かったが、近頃はさまざまな銘柄のものがある。それだけ需要が多くなっているのだろう。