中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

老いの壁

2006-09-12 00:06:39 | 身辺雑記
 「壁」と言っても先ごろ流行した「○○の壁」などのつもりではない。高齢者の域に入った私が、これから乗り越えなければならないハードルのことだ

 何かで読んだのだが、70歳代の男性の壁は75歳から80歳までで、それを無事に乗り越えると、まあまあ元気で80歳代を迎えられると言う。そうかもしれないと思ったのは、新聞の訃報欄を見ると、75歳から80歳までに鬼籍に入られた人は少なくないようだからだ。やはりこのあたりが壁かなと思う。私の父は病気もせず元気だったし、祖父母は90歳以上まで長生きしたから、母は父もきっと90歳代までは生きると信じて疑わなかった。それが急に膵臓癌を患い77歳の喜寿を迎える前に他界した。

 私は今年73歳になったから、この壁があるとすると後2年と言うことになる。まあ75歳になった途端にと言うことはないだろうが、それからの5年間は長いようにも短いようにも思われる。いや、最近の感じからするとおそらく短いだろう。そうだとするとあまり暢気にはしておられないなとも思うが、と言って切羽詰った気持でもない。

 徒然草の155段に「死期は順序を待たない。死は前方から目に見えてはこない。あらかじめ背後に切迫している。人はみな、死のあることは承知しているが、今にとのんきにかまえている人に対して不意を襲う。沖まで干潟が遠く見えているけれども、磯には突如と潮の満ちてくるようなものである。」(河出文庫:佐藤春夫訳「現代語訳 徒然草」)とある。もっともだと思う。私にとっては、もはやそんなに遠くまで干潟が見えていることはないが、「今にとのんきにかまえている」ことはある。改めて後ろを振り返って見て一応は神妙な気持ちになってもすぐに忘れてしまうのが、凡夫というものだろう。

 とにかく、「壁」はあまり遠くない所にあるようだ。妻が逝ってしまってからは死ということに淡白になってはいるが、まだまだ楽しみたいこともあるから、せいぜい助走を心掛けて、壁を乗り越えるとするか。


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2 コメント

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なんのなんの・・・ (Betty)
2006-09-14 09:09:27
年齢は増えていきますが・・・

気持ちは何時までも青年でいてください。



色々チャレンジなさっていますからそんな壁は意識しないでやり過ごしてください。



ますますのご活躍を・・・・・

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有難うございます (中国迷爺爺)
2006-09-14 22:17:10
 私は元来好奇心が強い方で、これは若さを保つのによいと思いますので、これからもますます好奇心を旺盛にしていきます。

 それから人が好きですから、卒業生やいろいろな方達とこれからも積極的に接して行こうと思います。
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