京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

風の盆・諏訪町

2010-08-27 23:27:44 | 
日本の道百選に選ばれている諏訪町の本通り。

     
     橋本治著「風の盆恋歌」は諏訪町が舞台。
     買い手を探していた一軒の町屋を主人公・都築克亮は思いつきで買う。
     心の内に思うことがあった。都築が毎年風の盆に通い続けていたことと
     重なる理由だった…

     その諏訪町がここなのだ と思うと、その地に立っているのが不思議な気がした。

         
         この坂道をひらひらと手を翳して踊り歩くのか…やっぱり本当の
         町流しの踊りを見たいという気になる。


玄関前や窓下の小庭などには色とりどりの花。古い家並みに風情を添える。

         
         小説の中の風景とピッタリ同じだったので、都築の家はどの辺り
         なのだろうと思わず探してしまう。橋本治氏は「風の盆」狂と
         言ってもいいほど毎年八尾に通いつめているらしい。
                 

都築が買った家の中庭には酔芙蓉の花が植えられ、一輪だけ
花を咲かせていた。

         
         この通りには電柱がない。地下に埋められている。
         時間が止まったような町、電柱と電線のない町はすっきりと美しい。


井田川から見える石垣の上に続く八尾町の家並。裏側から眺める家だ。
ここから見る町並もいい景色ですよ、と観光会館の若い女性職員さんが
教えてくれた。うなじだけを見せて踊る夕べの女性の後姿と重なって見えた。

         
         人混みのどこかに胡弓風の盆  川上季石

         切なげに長く尾を引く胡弓をもっと聴いていたかったけど…