京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

想夫恋

2012-06-12 22:07:18 | 京都
久しぶりに嵐山に。嵯峨野~嵐山近辺は混雑が激しいので、敬遠していましたが、シーズンオフの今ならと出かけたみましたが、
やっぱりここは別世界、人がいっぱい。でも空いているほうなんだそうです。

        
        嵐山の顔といえば渡月橋。橋桁はコンクリートですが、欄干は周辺の景観を
        損なわないように木製なんだそうです。

        
        わずかに撓んでいるように見える長い橋は確かに千年の古都の風情をかもしています。

            
            橋の北詰から嵐山を眺めると、橋の正面の中腹に見える塔と
            三角の屋根は十三参りで有名な法輪寺。

        
        橋の北詰にあるのが琴きき茶屋。

        平家物語に登場する、悲運の女性の一人が、小督(こごう)、宮中一の美女で
        琴の名手でした。高倉天皇に愛されたために、中宮徳子の父・平清盛の怒りを買い、
        嵯峨野に身を隠したのです。高倉天皇の命を受けた源仲国は、嵯峨野の辺りを
        馬を駆って探し回っていました。と、その時、微かみ聞こえくる琴の音、
        辿ってみれば紛れもない小督その人だったのです。


        … 亀山のあたりちかく、松の一むらある方に、かすかに琴ぞ聞こえける。
          峰の嵐か松風か、たづぬる人の琴の音か、おぼつかなくはおもへども、
          駒をはやめて行く程に、片折戸したる内に、琴をぞひきすまされたる。
          ひかえて是を聞きければ、すこしもまがふべうもなき小督の爪音なり。
          楽(がく)は何ぞと聞きければ、夫をおもふてこふとよむ想夫恋という楽なり。

        七五調の流れるようなリズムと臨場感、まさに「平家物語・小督」の段のハイライトです。

        初め、琴きき茶屋はその小督の住まい跡かと勝手に思っていましたが、関連はなく、
        小督の住まいあとはもう少し川を遡ったところにあります。
                       
              
              小督の悲恋に思いを馳せながらも、本家を自負する桜餅は
              しっかりいただきました

              
              話を戻すと、これが小督の旧跡という小督塚。お墓ではありません。
              以前は石塔が傾いていたし、真近までいけたのですが、門扉が
              付いた囲いが作られていました。
              
        
        小督を探し回っている仲国があたりをつける場面で登場する法綸寺。その見晴らし台。
        じつはここは山村美沙原作のサスペンスドラマ(京都が舞台なのでつい見る )の場面に、
        特に犯人を追い詰めたり、告白したりするラストシーンで使われていることが多い。
        渡月橋には大勢の観光客がいましたが、ここにはほとんど誰もいませんでした。

おまけ

        
        あの、超セレブしか行けない「吉兆」
        敷居どころか塀も門も高い