11月18日(日)蘭越町民センターで岩手県大槌町の町議会議員、
後藤高明さんの「東日本大震災を経験して伝えられるもの」
~震災より学んだ体験談から防災や命の大切さを伝える~の講演が
ありました。体験者のまさに“生の声”のお話に胸を打たれ、
会場は“し~ん”と静まり返りました。
大槌町の人口15,000人が今は10,000人前後になりました。
着の身着のまま、何か月もの避難所暮らし、蘭越町から届けられた
炊き出しのジンギスカンの美味しかった事。
この大槌町と蘭越町のご縁は蘭越町の佐野さおりさん母娘と後藤さん
との出会いから始まりました。
佐野さんは震災後インターネットで困っている避難所のことを知り、
2トントラックに救援物資を積んで岩手県の金沢町(かねざわちょう)
にある避難所へと向かいました。
その勇気と信念の強さに驚かされました。
まだ若い佐野さんが小さな娘さんを連れて全く知らない土地へ、
しかも震災後の大変な混乱期に困っている人を助けるために
自分で車を運転して現地へ向かう。
その途中で後藤さんに道を尋ねたことから始まりました。
大槌町の浸水率は51%、陸前高田市の36%をはるかに超えています。
公共施設は一か所だけ残り、それは少し高台にある中央公民館でした。
22年前にこの公民館を建設した時、町長は大変非難されたそうですが、
今回の津波で多くの町民の命を救い感謝されました。
町職員は、町長他管理職全員を含む32名が亡くなったとのことです。
大槌町では1,300人以上が亡くなり、不明者470人で約1,800人近い
方々を失ったことになります。大槌町は高齢化率60%の町です。
防災計画そのものに問題があること。
3.11の起こる2か月前、防災倉庫を設けたが、何も入っていなかった。
水が豊富に出るので井戸を数か所掘ったが、津波に遭い一つも役に
立たなかった。
市町村の学校は地域に合った防災対策を教育委員会で作成する必要が
あること。第三者による検証委員会を立ち上げたこと。
〝人間の生き方″、自然の力には勝てないという現実。
今の科学ではわからないことがたくさんあること。
“備えあれば憂いなし”“人の命の大切さ”、
守られる防災計画が必要である。
地域に合った防災計画に地域住民が参加することが大切であり、
地域に合った避難方法・避難路を考えなければならない。
避難所を再点検して欲しい。
原発事故地から離れている岩手でも牧草地はセシウムで汚染され
ほとんどダメだそうです。マツタケも食べられない。
“大槌町の大失敗”を繰り返さないためにも、防災のあるべき姿を
体験から伝えていただきました。
常に~後世に伝えるべきもの~の大切さを学ばせていただきました。
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