蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

たまりませんな

2009年07月20日 | 本の感想
たまりませんな(伊集院静・西原理恵子 角川文庫)

競輪と競馬の話を中心としたエッセイ。

当初連載された媒体がけっこうゆるめの雑誌なので、書いてあることも時に過激(特に競輪の施行者に対する批判が強烈)で、時にいいかげん。

競輪や競馬の話題は6年くらい前のもので、私が競輪を見ていたのはこのころまでだったので、話にかなりついていけて面白かったし、また競輪を見て見たくなったが、現役のファンとしてはいくらなんでも古すぎるのではないかと思う。

なので、本書の楽しみ方としては、競輪や競馬の話題はともかくとして、風来坊という言葉がぴったりの著者の日常を感じることだと思う。
自宅(女優の奥さん所有の豪邸らしい)に帰ると落ち着かず3日間もいつけない。それでふらりと上京して友達と酒場でギャンブル談義。
常宿のホテルはフロントに大金を預けておけるくらいのなじみで、普段はたばこ銭くらいしかもちあるかず金欲も物欲もない。気がむくと(たぶん出版社のおごりで)海外旅行にいってゴルフとカジノと美術館めぐり。ああ、なんて素晴らしい人生なんでしょう。

著者は、周囲の人に誰彼かまわず借金をしているらしいが、本書によると野球の松井(秀)、競馬の武(豊)にまで申し込んだらしい。ほんとに見境ないんだ、と、驚いた。
コメント
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