ぼくたちの家族(映画)
サラリーマンの主人公の母親は物忘れがひどくなり、近くの病院で検査したら、脳に大きな腫瘍があり、いつ死んでもおかしくない状態だと告げられる。
父母は大きな借金を抱えていることも判明し、頼りにならない父と弟にいらつきながらも、主人公は母親の診断のセカンドオピニオンを求めて病院めぐりを始める・・・という話。
家族を束ねる要だった母が生命の危機に瀕し、父親からは(母の)入院代をせがまれ、金銭的負担を告げたとたんに(主人公の)カミさんは超不機嫌になり、弟は他人事のような態度・・・この辺は、多少似たような場面に遭遇した経験がある(カミさんの不機嫌は茶飯事だが)ので、主人公のやるせなさにはとても共感できた。妻夫木さんには似合わない役柄ではあるが、リアリティが感じられた。
こうした“八方塞がりの苦境に立たされて憔悴の極みにある人”が、開き直って困難に立ち向かう、というのは同じ石井監督の「川の底からこんにちは」と同じような筋。
「川の底からこんにちは」の主人公役の満島さんの絶望は、カラッとしていて、開き直った時のハジけ方も爽やか(というかヤケクソ気味)で、見ている方も元気が出てくる感じだった。
一方、本作の主人公役の妻夫木さんが悩み苦しむ様は、内向的でウジウジしていて、開き直った後もそれを引きずっているというか、なんともカタルシスみたいなのがなかったのが残念。
もっとも、「川の底からこんにちは」みたいな展開にすると、しんみりした「いい話」にはならないので、そこらへんは、まあ、あえて予定調和的展開にしたのだろうか。
「舟を編む」もそうだけど、メジャーな映画となるとあまり常識的ワクをはみだすようなことはやりにくいのだろう。
サラリーマンの主人公の母親は物忘れがひどくなり、近くの病院で検査したら、脳に大きな腫瘍があり、いつ死んでもおかしくない状態だと告げられる。
父母は大きな借金を抱えていることも判明し、頼りにならない父と弟にいらつきながらも、主人公は母親の診断のセカンドオピニオンを求めて病院めぐりを始める・・・という話。
家族を束ねる要だった母が生命の危機に瀕し、父親からは(母の)入院代をせがまれ、金銭的負担を告げたとたんに(主人公の)カミさんは超不機嫌になり、弟は他人事のような態度・・・この辺は、多少似たような場面に遭遇した経験がある(カミさんの不機嫌は茶飯事だが)ので、主人公のやるせなさにはとても共感できた。妻夫木さんには似合わない役柄ではあるが、リアリティが感じられた。
こうした“八方塞がりの苦境に立たされて憔悴の極みにある人”が、開き直って困難に立ち向かう、というのは同じ石井監督の「川の底からこんにちは」と同じような筋。
「川の底からこんにちは」の主人公役の満島さんの絶望は、カラッとしていて、開き直った時のハジけ方も爽やか(というかヤケクソ気味)で、見ている方も元気が出てくる感じだった。
一方、本作の主人公役の妻夫木さんが悩み苦しむ様は、内向的でウジウジしていて、開き直った後もそれを引きずっているというか、なんともカタルシスみたいなのがなかったのが残念。
もっとも、「川の底からこんにちは」みたいな展開にすると、しんみりした「いい話」にはならないので、そこらへんは、まあ、あえて予定調和的展開にしたのだろうか。
「舟を編む」もそうだけど、メジャーな映画となるとあまり常識的ワクをはみだすようなことはやりにくいのだろう。