死刑にいたる病(櫛木理宇 ハヤカワ文庫)
主人公の筧井雅也は、子供の頃は成績がよかったが、高校生になると落ちこぼれて今はいわゆるFラン大学へ通っている。
起訴されただけでも9人の子供を監禁・拷問の上、殺害したシリアルキラー:榛村大和は、獄中から筧井を呼び出し、9人目だけは自分の犯行ではないから、それを証明してほしいと依頼する。榛村は筧井が幼い頃通っていたパン屋の主人だったが、関係といえばそれくらいのはず、なぜ自分に?と戸惑う・・・という話。
各種ランキングでかなり高く評価されていた作品だったが、いわゆるサイコパスの解説本みたいな感じで、ミステリ、あるいは普通の小説としても、イマイチかな、と思えた。
主人公をあえて凡庸でつまらない人間と描くことで、サイコパスである榛村の異常性や抗いがたい魅力を際立たせようとしているように思えたが、まあ、よくあるパターンのような・・・
この手の話は、レクター博士はじめ、有名人?があまりにたくさんいるので、破天荒なまでのキャラ立ちで描かれていないと二番煎じになってしまうと思う。(けなしてばかりですみません)