殺人者たちの午後(トニー・パーカー 沢木耕太郎訳 新潮文庫)
沢木さんの新刊は(翻訳書も含め)たいてい読んでいるのですが、本書は、単行本が出た時は気づいていませんでした。今回文庫にはいって書店でみかけて買いました。
イギリスでは殺人罪が確定すると(殺した人数や情状に関係なく)すべて終身刑になるそうです。終身刑といっても罪状や刑務所での態度により収監期間が決まります。社会に戻しても問題ないと判断されれば(厳格な保護観察付きですが)釈放され、普通の生活ができるとのこと。
本書はそうした殺人の経験がある人たちに生い立ちや犯行状況、刑務所やそこを出てからの暮らしぶりなどをインタビューしたもので、かなり重い内容ですが、やはり訳がいいのか、非常に読みやすい印象でした。
たまたまインタビューされた人がそうだったのかもしれませんが、ほとんどの人は両親に愛された経験がなく、貧しい生い立ちで、動機らしい動機を持たずに衝動的に殺人を犯してしまっています。
だから死刑がないイギリスのような制度がいい、とまで言うつもりはありませんが、矯正プロセスは日本よりかなり充実しているような気がしました。
沢木さんの新刊は(翻訳書も含め)たいてい読んでいるのですが、本書は、単行本が出た時は気づいていませんでした。今回文庫にはいって書店でみかけて買いました。
イギリスでは殺人罪が確定すると(殺した人数や情状に関係なく)すべて終身刑になるそうです。終身刑といっても罪状や刑務所での態度により収監期間が決まります。社会に戻しても問題ないと判断されれば(厳格な保護観察付きですが)釈放され、普通の生活ができるとのこと。
本書はそうした殺人の経験がある人たちに生い立ちや犯行状況、刑務所やそこを出てからの暮らしぶりなどをインタビューしたもので、かなり重い内容ですが、やはり訳がいいのか、非常に読みやすい印象でした。
たまたまインタビューされた人がそうだったのかもしれませんが、ほとんどの人は両親に愛された経験がなく、貧しい生い立ちで、動機らしい動機を持たずに衝動的に殺人を犯してしまっています。
だから死刑がないイギリスのような制度がいい、とまで言うつもりはありませんが、矯正プロセスは日本よりかなり充実しているような気がしました。