比ぶ者なき(馳星周 中公文庫)
天皇家と婚姻関係を持ち、政治力でしきたりを変更して藤原家の女を皇后にし、藤原家の永遠の繁栄を目指した藤原不比等の生涯を描く。
持統天皇以降のわかりにくそうな天皇家をめぐる皇族や重臣の動向を、古代史に興味が薄く不比等の業績を全く知らなかった私でも、容易に理解できるくらいに整理された筋書きは見事でとても読みやすい。
ただ、会話部分が非常に多くて、どうも登場人物に厚みがないというか共感しにくかったような気がした。
伝来の慣習法みたいなものを強引かつ恣意的に変更していく不比等の政治力は圧倒的。軍事力を背景にしているわけでもなさそうなので、他人をコントロールするパワーみたいなものが凄かったのだろうか。本書では将来を見通した謀事を仕掛ける能力が抜群だったということになっていた。
天皇家と婚姻関係を持ち、政治力でしきたりを変更して藤原家の女を皇后にし、藤原家の永遠の繁栄を目指した藤原不比等の生涯を描く。
持統天皇以降のわかりにくそうな天皇家をめぐる皇族や重臣の動向を、古代史に興味が薄く不比等の業績を全く知らなかった私でも、容易に理解できるくらいに整理された筋書きは見事でとても読みやすい。
ただ、会話部分が非常に多くて、どうも登場人物に厚みがないというか共感しにくかったような気がした。
伝来の慣習法みたいなものを強引かつ恣意的に変更していく不比等の政治力は圧倒的。軍事力を背景にしているわけでもなさそうなので、他人をコントロールするパワーみたいなものが凄かったのだろうか。本書では将来を見通した謀事を仕掛ける能力が抜群だったということになっていた。