バタン島漂流記(西條奈加 光文社)
江戸初期、知多半島と江戸を結ぶ航路の帰り、15人乗りの商船 颯天丸は、知多半島の近くまで来たところで強い西風に流され、黒潮に乗ってしまい、循環流でフィリピン北部のバタン島に流れ着く。全員無事だったが、バタン島の原住民に奴隷のようにこき使われ・・・という話。
実話に基づくフィクションらしいが、江戸時代の航海方法や和船の構造が詳細に描写されていて、ある意味史実よりリアルに感じられた。
特に、漂流中に船頭(リーダー)がどのようにメンバーの士気を維持していくか(全員で協議する、納得性を高めるために最後は神託(くじ)で方針を決める、余計なことを考えないようにルーティンを作って守らせる、等々)の方法論はへたなビジネス書より実用的に思えた。
史実かどうかわからないが、海水を日光で蒸留して真水を得るノウハウが確立されていた、とか、江戸時代より前はどの外航船も方位磁石を持っていたなんていうのも意外な感じだった。
颯天丸のメンバーは知恵と工夫をこらし自力で帰国への道を切り開いていく。なんというかベンチャー魂の塊りみたい。日本人は運命を従容として受け入れる・・・みたいなイメージは間違っているよ、と突きつけてくる感じ。
江戸初期、知多半島と江戸を結ぶ航路の帰り、15人乗りの商船 颯天丸は、知多半島の近くまで来たところで強い西風に流され、黒潮に乗ってしまい、循環流でフィリピン北部のバタン島に流れ着く。全員無事だったが、バタン島の原住民に奴隷のようにこき使われ・・・という話。
実話に基づくフィクションらしいが、江戸時代の航海方法や和船の構造が詳細に描写されていて、ある意味史実よりリアルに感じられた。
特に、漂流中に船頭(リーダー)がどのようにメンバーの士気を維持していくか(全員で協議する、納得性を高めるために最後は神託(くじ)で方針を決める、余計なことを考えないようにルーティンを作って守らせる、等々)の方法論はへたなビジネス書より実用的に思えた。
史実かどうかわからないが、海水を日光で蒸留して真水を得るノウハウが確立されていた、とか、江戸時代より前はどの外航船も方位磁石を持っていたなんていうのも意外な感じだった。
颯天丸のメンバーは知恵と工夫をこらし自力で帰国への道を切り開いていく。なんというかベンチャー魂の塊りみたい。日本人は運命を従容として受け入れる・・・みたいなイメージは間違っているよ、と突きつけてくる感じ。
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