主人公島田は母親が不倫したときの青い目を持つ日本人
ロシアのスパイになるが今は足を洗って、大阪アベノの専門書店に勤めている
そこに日本語を流暢に話すロシア人青年・高村良との出会いがあり
ロシア・アメリカ・北朝鮮・日本との間に起きている原発地襲撃工作に入り込む
幼いころからつるんでいた日野とふたりで「神の火」を見るべく計画し、襲う
上巻は「良」とのつき合いで出てくる各国のかけひき
下巻は「日野」と組んで原発を襲撃するさま
彼女の作品はどんどん解らなくなっていきます
科学的、状況的な説明が多すぎてついていけません
これ、映像だったら解りやすいのになあ、ってしばしば
最後もなんのために?って
~「たった今まで核分裂を起こして熱を発していた原子炉の蓋を、開けたというだけのことだった。
(中略)格納容器の遮蔽性能は完璧であり、原子炉保護の各機能も、ミサイルでもぶち込まれない限り、100パーセント作動する。
この原子炉はこれから、修理にかかる費用のほかに、稚拙な暴力一つに屈して危機に瀕したことの対価を支払わなければならない。
しかし、行政や電力会社に出来ることは少なく、人間はこれからも核の時代が終わるのを戦々恐々と待つしかないのだ。
こうして、自分たちは、あらためてこれが絶望だということを確かめたようなものだ。」と島田は思った。
初めから分かっていたことだが、今もなお、出口の影さえ見えなかった。~
1991年に書かれた作品らしいです