亡父の故郷長野で、法要があって母の名代で出席した。解散になる寸前に、「今日のこの日は二度と巡っては来ないのだから、折角、親族が集まった記念にこの瞬間を映像に収めましょう」と、声かけをしてこの写真になった。
和尚さんや、来賓の方が帰られたあとの5分間での写真である。
実は私は遠いということもあり、名古屋に居られた期間を持つ施主と、父とは兄弟のようにしていた小父の子供、秀ちゃん(今はお医者さん)とは親しくなじめてはいるものの、他の親族に対しては、そのつながり、どういう関係か、などは、結構丁寧に教えてくださっても、なかなか頭に入らないで困っている。やっぱり親類は遠いところに住んでいると、如何に近い血縁でも覚えきれない。くやしいけれど、頭の経路が細道になってしまっているようだ。
このたびは従々兄弟(?)の1周忌で集まったが、昨年お葬式や49日法要に出席され、言葉を交わした…やや、分かりかけた方…会えるかなと期待していた方が、今回は見えなかった。
あの時は、お元気にお話しされたのに今年の席は、病気で欠席を余儀なくされて…と、奥様が代わりに話しかけて来られた。仕方がないね。みんな状況の変化は止めようがないもの。
「今日は、今日でしかない」ということを思い知らされての、この写真だ。
今、長野では7年に1度の御本尊のお目見え、御開帳の期間にある。名古屋に帰る前に善光寺さんにお参りしてから帰ろう…。
善光寺の近くまでHoyaさんに送って頂いた。大門、三門の前から人、ひと、人。
お菓子で有名な竹風堂の前。
信号が青に代わった。大勢の善男善女が渡る。ツーリストに組まれた団体さんも多かった。私は初めからゆっくりはできないとの覚悟で、その風に当たればいいかと、ただ皆さんの後をぞろぞろとついて行くのみ…。
風格のある仁王様。悪い人、邪気のある人はこの門をくぐることは許さないと、見張っておられる。
でも、哀しいかな。一応善人の姿で、仁王様の目を盗んでここを通り抜けて行く輩もいるようだ。
本堂の前、回向柱の周辺では本当に大勢の押しも押されもせぬ勢いの人々…そこに警察のアナウンスが入る。「スリにお気を付け下さい、バッグは背中側に回さずに、前に回して蓋を押さえて…、バッグのファスナーをきちんと閉めて…」などの注意を、必死でされていた。
画面中央右寄りのグレーの四角い看板が見える。
それが、最後尾を示すプラカード。
御本尊様の姿につながる回向柱に触れ本堂に入れるには、約二時間は行列を作って待たねばならない…などを知ると、その列には並んで待つほどの時間がないと列には入らずに、脇をすり抜けて前進した。
新型ウイルスの風邪菌を排除のマスク姿の方が目につく。
三門の「善光寺の文字には鳩が何羽いるのか」…と、しげしげとその額の文字を眺めて、鳩を探す。 さて…鳩??? 探してください。